介護職として施設で働いているうえでは、ほぼ必ずといっていいほど認知症の利用者と接する機会があるだろう。
時に予想外の行動を行うこともある認知症の利用者との関わりの中で重要なことが、認知症ケアの概念を理解することである。
まず、認知症ケアの一番重要な要素は、関わり方や接し方の部分である。
例えば、物忘れから同じことを何度も繰り返し聞いてくる、何度も同じ行動をしてしまうことは良く見られる行動であるが、これらの行動や発言に対して、否定的な言葉や態度を取ってはならない。
周りの人間からすれば何度も同じことをしているように見えても、認知症の人にとっては全て一回目の行動なのである。
そのため、否定されることで混乱を招き、より症状が悪化してしまう可能性がある。
また、認知症の方は、環境の変化にとても敏感である。
周囲の状況が理解しにくい中で、更に知らない場所や知らない人が多い場所にいると、余計に緊張や混乱を招いてしまう。
記憶力が低下していっても、不快な感情は最後まで保たれるため、なるべく安心できる環境を整えることも重要だ。
また、認知症の方に良く見られる行動パターンとして、昼夜逆転や徘徊が挙げられる。
これらを無理に止めようとしても逆効果になってしまうため、なるべく一緒に着き添える場合には、一緒に家の周りを散策したり、話を聞いてあげたりすることで安心し、満足することがある。
認知症ケアにおいて大事なことは、認知症の利用者を健常者のパターンにはめ込むのではなく、そのままで安心していられる環境を整えることである。
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