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水素電池車に「勝算」あり! FCVに挑むトヨタ研究開発幹部を直撃

2024-09-06 17:01:06 | 株主のつぶやき






トヨタ自動車が電気自動車(EV)に加え、水素で走る燃料電池自動車(FCV)など多様な技術を追い求めるのは、なぜか。トヨタでチーフ・サイエンティストを務めるギル・プラット氏をパリで直撃した。【聞き手・岡大介】

「特定車種を押しつけることはしない」

 ――トヨタはライバルとは違い、EV以外の選択肢も追求していますね。

 ◆温室効果ガスを削減するために、どんな解決策が最適かは状況次第だからです。顧客が違えば、求めている車も違います。脱炭素を完璧に達成できても、それが顧客が求めない車だとすれば、販売店の駐車場にずっと止まっているだけで削減効果はゼロです。我々がすべきは、一つの特定の車種を顧客に押しつけるのではなく、むしろ顧客の声に耳を傾け、それぞれの環境に応じた最適の選択肢を提供することです。

 ――その有力な選択肢がFCV。EVに比べ、どんな利点がありますか。

 ◆EVは充電に時間がかかりますが、水素ならガソリンなど化石燃料同様に素早く大量に補充できます。水素カーが唯一の正解ではありませんが、例えばトラックなどの大型商用車にとっては水素は重要な存在となるでしょう。

 さらに、FCVの燃料電池は触媒にプラチナを使っています。これまで幅広く用いられてきたため、EVで主力となっているリチウム電池に比べ、リサイクルを含めた供給網が成熟しています。リチウムはリサイクルの仕組みが成熟するにはしばらく時間がかかり、2030年ごろに一時的に不足する可能性があると見ています。

「全員がEVを求めているわけではない」

 ――欧州連合(EU)は35年にガソリンやディーゼル車の販売を事実上禁じると決めています。EV市場の拡大が見込まれています。

 ◆再生可能エネルギーによる発電所が多く、充電網も充実した北欧は確かにEVに向いています。ただし、(EVの高い普及率で知られる)ノルウェーですら、顧客ニーズは多様で全員がEVを求めているわけではありません。一方で東欧は化石燃料の発電所が依然として多く、充電インフラも未成熟です。EVによる温室効果ガス削減効果は限られるでしょう。

「どれが正解か分からないなら……」

 ――でも多様な技術を同時に開発しようとすれば、研究開発費は巨額になります。結局、普及しないまま「座礁資産」になってしまうリスクもあります。

 ◆その通りです。我々は将来を完全に予言することはできません。役立つ技術もあれば、そうではない技術もあるでしょう。しかし、他に選択肢がありますか。どれが正解か分からない状況では多様な選択肢に挑戦することが最善です。幸いにもトヨタは巨大なメーカーです。同時に複数の技術へ投資する経営資源があります。

 ――「顧客任せ」の姿勢にも聞こえます。それでは気候変動問題への取り組みが遅れてしまうのでは?

 ◆そのリスクはあります。しかし、顧客に何をすべきか命じる能力はメーカーにはないということも事実です。そのやり方ではうまくいきません。トヨタの世界シェアは約1割。我々が顧客の選択肢を絞ろうとすれば、その顧客はトヨタではなく他のブランドを選ぶだけです。

 



EV・EVと叫ばれてもEVの充電スポットはまだまだ少ない。
燃料電池車は良いのですが、水素ステーションはEVの充電スポットより更に少ない。
EVも燃料電池車もそれぞれのEVスポット・水素ステーションをいかに増やせるかですね。

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