私たちの仕事はまず出発2・3日前のブリーフィングに始まる。ここで初めて自分が行くツアーの細かいスケジュール、参加者名簿などを手にし、念入りにチェック。基本的には決まっているスケジュールも結構時間配分が???だったりするから気が抜けない。結局そのまま現地に行って困るのは自分。だからここは真剣勝負だよ。
で、このスケジュールが全部頭に入った?段階で参加者への挨拶 。これを私たちは対客と呼ぶんだけど、今時のツアーは30人を下らないことも多いから結構シンドイ。でもここで電話を通して何となく参加者の癖(失礼!)や個人的な要望をゲットしておくことも私たちにとっては大切な仕事。
この時の質問で圧倒的に多いのがやっぱり気候=服装のこと。実はこの質問は結構添乗員泣かせ。だって現地へ行ってすこしでも暑かったり寒かったりしたら ”話がちがう~”ってなるんだもん。
天気ばかりは添乗員にだってわから~ん。気象予報士じゃないもんね~。
まあそれでも頻繁に現地へ行く私たちに何でも聞きたくなる気持ちもわからなくもないんだけどね…それにしても 。これは忘れもしない昨年の冬、イタリアに行く際の初老紳士?との電話での会話。
”寒いって聞いたんですけど、ロングコートとショートコートとどちらがいいですか?”
”…いや、お好みでよろしいんじゃないですか。”
”どちらを着て来る方が多いんですか?”
”…や、やっぱりショートですかねぇ。動きやすいし。”
”そうですかぁ~、ショートですかぁ。そうだ、普通のウールとカシミアとどちらがいいでしょう?”
”…イタリアですから、カシミアのコートなんかお洒落でいいんじゃないですかぁ?いずれにしてもお好きなものをお召しになって下さ~い”
こんな会話が延々30分も続いた。幼稚園の子供じゃないんだから、着ていく服くらい自分で決めて下さいね~~~、お願いしますよ~。
まあ、これからのシーズンヨーロッパも暑かったり寒かったり、しばらくはコロコロ変わるから風邪だけは引かないように、重ね着の準備を。あとは好みの問題デス。
あえて加えればヨーロッパの古い街はどこも石畳。たまに若い子が流行のかかとの細いミュール履いて来たりするけど、これはかなり足に負担がかかると思うよ。
それと観光中はカジュアルでも、ドレスコードがあるような店(高級レストランやディナーショーなど)に行く時は男性はジャケット&ネクタイが常識。女性はそれに見合う服装。いつかセーヌ河のディナークルーズにジーパンはいて来た日本人のツアー客は可愛そうに乗船拒否されてたよ。
もうひとつ大切なのはほとんどの国がキリスト教国であるということ。どんな国や街に行ったって教会の観光が多い。そこは決して観光地ではなく実際の信者さんたちが祈る場所であるという意識を持って。夏場のタンクトップや短パン姿じゃ入れない教会も多いからね。
いづれにしても、訪れる国の文化や習慣をちょっと考えれば自然と場にふさわしい服装ってものが見えてくる、でしょ。その場でってことにならないようにね。そんな気遣いがあると旅はもっと快適で楽しいものになると思うよ。
写真:ドゥオモ屋上(ミラノ)
オリーブの葉っぱ
最近の「Weblog」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2022年
人気記事