アドリア海沿岸の華やな街にいったん背を向け、石灰岩むき出しの山間を走りながら厳しい国境検問所を抜け、ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルにやって来ました。ネルトバ川の両岸に広がる街はやはり世界遺産に登録される歴史ある街。
オスマントルコ統治下ではたくさんのムスリム人(イスラム教徒)が住んでいたこの街。現在でもまるでどこかトルコの街に来てしまったかのような錯覚に陥ち入ります。
至るところにトルコ土産が並び、スパイシーな香辛料やトルココーヒーの独特なかおりが漂っています。
クロアチアのダルマチア地方からのショートトリップが可能な街とあって、小さな街中は近隣からの観光客でいっぱい。
トルコまで行かずしてオリエンタルな雰囲気を味わえるところが人気のようです。
そんな明るい街も、ほんの二十数年前のユーゴスラビア独立に絡む内戦時は激しい戦場となっています。メインストリートから少し外れただけで今でもたくさんの銃弾の跡を残す民家があったり。平和な世界は当たり前のものでは決してないことを思い知らされます。
さて。行き交う観光客に人酔いしてきたところでちょっと小休止。強すぎる陽射しを避けられるカフェでボスニアン・コーヒー(2ユーロ)でもいただきましょう。
これぞまさしくトルコ・コーヒー。粉が沈むのを待って上澄みをいただきます。トルコの伝統菓子ロクムが添えられてますよ。ちなみにこの街ではクロアチアクーナに加え、どの店でもユーロが通用します。
内戦の際に崩れ落ち、戦後修復されたスターリ・モストから眺めた街にはたくさんのミナレットが立ち、まさにボスニアの中のプチ・トルコといった雰囲気。ようやく訪れた平穏な時代を象徴する風景のひとつです。
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