奥様は海外添乗員〜メモリアル

ぐうたら添乗員日記~偽ポリスにご用心

    

夕べから時おり吹く強い風は依然収まらない朝です。それだけに雲の流れも早く、太陽も出たり隠れたり忙しそう。まだまだ陽射しがなければ心地よい気候ですがすでに県内のあちこちで海開きが行われ、郵便局や銀行の制服も夏向けのかりゆしウェアに衣替え。すでに夏を迎える準備万端といったここ沖縄です。そんな土地柄ですもの。沖縄入りして1ヶ月の私たちでさえ、自然と気分も動作もの~んびりしてきたような。それも不思議なことではないのかも知れません(笑)。

それはさておき、今日はやはり旅先で用心したい話しをひとつ。今までにいろんな形で書いてきたように、日本からの旅行者はどんな国へ行っても盗難の被害に遭う率が他国からの観光客に比べて圧倒的に高いのが現状です。いろんな事件があるとはいえ、それでも日本という国は別格に治安のよい国。そんな国で身についた生活習慣を治安の悪い海外へ出かけたからといってコロリと変えるなんてことはやっぱり難しいことですものね。気をつけなきゃいけないとはわかっていても、フッと生まれてしまう一瞬のスキ。それを逃さないスリやジプシーの方がよっぽど上手と考えたくもなります。

とにかく不景気不景気とはいいながらも多額の現金やたくさんのクレジットカードを常に持ち歩く日本人観光客は悪い輩からすればまさにいいカモ。でもそれを恐れて旅に出ることに対してしり込みしてしまうのはもっと残念なこと。もちろん国にもよりますがヨーロッパあたりでナイフや銃で脅されるとか、あえて危害を与えられるケースはほとんどないんですよ。被害のほとんどはスリに置き引き、ジプシーらによる盗難といったもの。しかも昨日の記事でも書いたように本人が全く気づかないうちに盗られているケースも多いんです。つまり被害は盗られたモノだけ。考えようによればそう恐がるような犯罪ではありません。要は本人が気をつけさえすれば防げる被害だからです。

それでも悪い輩というのは実にあの手この手で忍び寄って来ますから油断大敵。特に完全に日本人目当てに考え出された手口なんじゃないかと思える偽ポリスによる犯罪は、あきれるほど巧妙な手口だったりするようです。実際自分が遭遇したわけではありませんが、ずいぶん昔に不幸にも被害に遭ってしまった方から聞いたその手口をご紹介しましょう。場所は相変わらず日本人にとって人気の高いとある国の首都でのことです。

ホテルから数分ほどの場所にある観光ポイントまで朝の散歩を楽しまれていた時、ひとりの男性(国籍まではわからず)に呼び止められたそうです。言葉は何語だったのかわかりませんが、とにかく自分は私服警官であると写真付きの証明書のようなものを見せてきました。半分は想像の域だったようですが、とにかく近くで事件があったから調べていると。キミたちのパスポートは盗られていないか、お金は盗られていないかと、聞いてきました。実際パスポートはホテルのセイフティーボックスに預けてあったし、お財布も無事でホッとしたそうです。

と、今度は持っていたトランシーバーで仲間と交信し、ナンやカンやと。そしてクレジットカードも無事かと訪ねたそうです。もう一度お財布を取り出し、数枚入っていたカードを調べましたがこちらも無事。すると今度は偽造カードが出回っているので、そのカードを調べたい、と。さらに信じられないことに、カードの暗証番号を聞いてきたそうです。ご本人もここで一瞬おかしいな?と思われたそうですが、警察証といいトランシーバーといい、私服警官さながらの様子で完全に信用してしまったとのこと。そして不幸にも暗証番号をお知えてしまったのです。その後その人物はカードを返してきたそうですが…よく調べてみると暗礁番号をお知えたカードだけがなくなっていたそうです。その後の顛末はお察しのとおり。カード会社に連絡した時にはすでに時遅く、限度額キャッシングされていたそうです。確か100万円近い金額だったと記憶しています。

このような偽警官による被害は今だにヨーロッパ各地で報告されていて、どこの国と限られた手口ではありません。知っておくべきはそういった被害があるという事実。そしてどんな国の警官であっても一見して観光客とわかる日本人に対してパスポートや、ましてやお財布を見せろなんてことを要求することはほとんどないということです。万が一あったとしてもクレジットカードの暗証番号まで聞くことは120%ありえないでしょう。完全にポリスという存在を信用してしまう(あるいはポリスに弱いという考え方もあり?)日本人だからこその被害かも知れません。

とにかくあの手この手で近寄って来る悪い輩たちの手口はこれから先も進化し続けることでしょう。でもどうか恐れないで下さいね。何よりの防御策、それは知ることなんです。頭のどこかで意識すればおのずと行動を注意するようになります。そんな意識の表れは自然と相手にも伝わるもの。注意している人には近づいてこないものですから。な~んて、言うは易し行なうは如しなんですけどね(汗)。

写真は白壁が魅力的なミコノス島(ギリシャ)



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