奥様は海外添乗員〜メモリアル

ドゥオモの晴れ姿

          

旅の最後にやって来たミラノもヴェネチア同様、どんよりした空からは雨が降り続いてる。そういえば昨日あたりはローマのテベレ河が雨のために決壊しそうで周辺住民には避難勧告まで出されたとニュースで聞いた。スイスとの国境近くは例年よりも早くかなりの雪で通行止めの区間も出てるようだし、どうやらこの悪天候はイタリア全土に及ぶらしい。

それでもさすがに現在イタリアの経済活動の中心地ミラノだからか、あるいはクリスマス前の金曜日だからか、大聖堂周辺はいつも通りかなりの人ごみ。広場に設置された大きなモミの木にはすでにイルミネーションが点灯してる。そんなものに見とれながらふと気づけば、長いことファザード(教会の正面部分)をおおっていた幕が全て外されてる。見れば一番左側の扉の修復(掃除)を残すのみとなったらしい。思い返せば足掛け四年にも渡ったファザードの修復もようやく終わろうとしている。確か当初の予定は一年半位って聞いてたよなぁ?ま、これぞイタリアなんだけど。

ともあれ今年のクリスマスを前に完全にお色直した姿を披露してくれるかどうかは微妙なところだけど、長年に渡る汚れを落として白さを増したその姿には思わず見入ってしまうほど美しいミラノのドゥオモ。ゴシック様式建築の最高傑作とまでいわれるその洗練された姿は、さすが世界的ファッションの発信基地ミラノの大聖堂と褒めるべきか。いや、現在のミラノがそう呼ばれるようになる数百年も前に造られた教会だ。この地に大昔から息づいていた美的センスがあってこその現在のファッションの中心地ミラノというべきか?


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