8月末刊行される拙著の外箱・装幀です。
写真に注目してください。
上巻は、最近評判になった、康成と伊藤初代が婚約した翌日、岐阜市の瀬古写真館でとった記念写真です(大正10年〈1921〉10月9日)。
このたび、二人の仲を取り持った右端の人物・三明永無(みあけ えいむ)の生誕した、島根県瑞泉寺で、この写真が発見されました。
紙上に出回っている写真のオリジナル(元の写真)が、これです。
出回っている写真は修正されていますが、これは93年の歳月を経て発見されたもので、あちこちに白い汚れのあるのが特徴です。
下巻の写真も、ご注目ください。
石本正(しょう)画伯の描いた「裸婦」です。まだ若い少女が横臥した絵柄ですが、晩年の康成は、この絵を愛蔵しました。
晩年の川端康成が求めつづけた、少女の像にぴったりです。
そう、晩年の川端康成の渇望を表したのが、この絵です。
どんなことが書いてあるのだろうと、本文を読みたくなったのではありませんか。
ぜひ、手にとって、読んでください。
最近、このブログで発表した、伊藤初代とのことも、実は、本書から抜き出したものなのです。
初代と再会したあとの川端の心がどう変わったか?
代わりに、新しい〈美神〉となったのは……?
続編を期待してください。 |