野良猫本舗~十六夜桜~

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舞台感想「独創新撰組思想分岐点」

2012-06-25 | イベント

この間の土曜日に見て来た、新選組を扱った舞台の感想を少し。

演劇カンパニー未来計画TOPさんの

『独創新撰組思想分岐点Anothe Road』

という舞台でした。

 

藤堂平助が主役になっているお話で、何故、藤堂平助は、御陵衛士になったのかというところに切り込んだお話で、伊東甲子太郎が新撰組に加盟するところから、脱退までが描かれてました。

ほとんどが、女性の方のみで演じられているっていうところがまた素敵な劇団さんで、皆さんこれまた、本当に、かっこうよく演じて下さってるし、笑いとか、ダンスも取り入れつつ、あきの来ない展開。

 

どう斬り込んでいくんだろうってかなり興味津々で行ったのですけど、結果、思った以上に良かった(>▽<)

ちょうど、山南忌に行ったときに宣伝されていて、この舞台の存在を知ったのですが、史実もちゃんと大切に取り込みつつ、遊ぶところは本当に遊ばれていて。

だからこそ、シリアスなシーンが締まるんですよねぇ。

 

個人的に、近藤勇をやられていた方と、永倉新八をやられていた方に、目がロックオンでしたが、なんといいますか、改めて、私、山南さんが好きなんだなぁと実感です。

 

伊東参謀が来てからの話なので、当然山南さんの切腹シーンがあるんですよねぇ。

実のところ、藤堂さんをほったらかしで、山南さんのシーンが一番印象に残っている始末です。

西本願寺へうつる事を反対するシーンとか、脱走はするけど、この裏では、ちょっと伊東参謀たちの策略みたいなものにもはめられて、皆がかばいきれない状態に陥ったりもして、それを知っても、受け入れるシーンとか。

 

それでも、自分の信念を貫く。

穏やかな、静かなオーラが、ぐっさり刺さってきたのでした。

 

ものすごーく、穏やかに演じられていたので、探しにきた沖田さんと向き合って話をするところとか、息を飲んでみてました。

助けたいけど、助けられない。

思想とか、そんなものはどうでもよくて、近藤さんが全ての沖田さんだけど、山南さんと向き合って、葛藤してる様とかも・・・。

なので、切腹のシーンなんてもう、うっかり号泣に陥りそうでした。

また倒れ方が半端なく、うわぁ、亡くなった!!って見えすぎるほどの演技だった気がして。。。

 

しかもね、その場にいれなかった藤堂くんへの言葉を沖田さんに託すのですが、それが、今回のキーワードともいって良い言葉だったのですよ。

「己の道を導くのは、己自身に他ならない。」

この言葉は後々、藤堂くんを動かす言葉にもなっていて。

 

物語は、脱退で終わるけども、個人的には、その後、この脱退から、どう生きて、最後、どういう想いで油小路で最後を遂げるのか、そこまで見てみたかった。

この話、この役者だからこそ、見てみたい!!それくらい、いい台本だったと思うのです。

 

山南さんばかり描いてますけど、主役の藤堂さんも、特に、ラストに近づく、新撰組最後の宴の中で、近藤さんを暗殺できないかと企む動きをするのですけども、結局暗殺は叶わなくて、首謀者ではないふりをして動く中で、藤堂さんが何を思って、どう、感じながら動いているんだろう、そういう答えは特に告げられないけれども、役者さんの動きとか、そういうところに、心が動かわれました。

そのあたりをふまえると余計に、油小路でどんな心の結末をつけるのかが気になって気になってしかたないです。

 

小屋的な会場でやる劇団って、ある意味、あたりか、はずれかって博打みたいなところもあるんですけど、今回は、本当に、行ってくいなし。

他の作品でも、見てみたいなぁと思います。

時間が許せば、もう一回見たかったくらいです。

 

 

 

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