パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ナミヤ雑貨店の奇蹟★★★

2017年09月27日 | アクション映画ーナ行
人気作家・東野圭吾の同名ベストセラーを山田涼介と西田敏行の主演で映画化した感動ファンタジー・ドラマ。どんな相談にも真剣に答えてくれる雑貨店“ナミヤ雑貨店”を舞台に、過去と未来をつなぐ手紙によって人生が変っていく人々の奇蹟の物語を心温まるタッチで描く。共演は村上虹郎、寛一郎、成海璃子、門脇麦、尾野真千子。監督は「余命1ヶ月の花嫁」「PとJK」の廣木隆一。

あらすじ:2012年のある夜。悪事を働き一軒の廃屋に逃げ込んだ、少年時代を養護施設で過ごした幼なじみ3人組の敦也、翔太、幸平。逃げる途中に廃屋のナミヤ雑貨店に身を隠す。そこは、かつて悩み相談を請け負っていて、郵便受けに投げ込まれた手紙に店主が真剣に答えてくれることで知られていた。
すでに店は廃屋になっているが、その晩、敦也らは店に32年前に書かれた手紙が届けられたことに気付く。その郵便受けは1980年につながっていたのだ。3人は戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書きはじめる。やがて彼らは、過去からの手紙と自分たちとのあいだに不思議なつながりがあることに気づき始めるのだったが…。手紙のやりとりから雑貨店と3人との意外な共通点が見えてくる…。

<感想>2012年に1980年のナミヤ雑貨店にタイムスリップした3人の若者は19歳ってことなのか。と言うことは、1993年生まれですよね。それにしても、生まれる前の時代の変化(バブル時代)をよくご存じでしたね。そういうことは余計な詮索かと、突っ込むのは止めておきましょう。
それにしても、複雑な原作をまとめる物語が秀逸であり、ただ手紙のやり取りの頻度で理解できない部分はありましたが。閉じたシャッターの内側と外では時間の流れ方が違うからでしょうね。そこが、無駄な感じがしてしまうのですが。手紙が軸になる話だけに、小説なら成立する物語なのに。

3人は戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書きはじめる。やがて彼らは、過去からの手紙と自分たちとのあいだに不思議なつながりがあることに気づき始めるのだったが…。それでも、現代編の、「Hey! Say! JUMP」のメンバー山田涼介や、村上虹郎ら若手役者たちの演技も良かったです。
それは、ミュージシャン志望の青年、金持ちの愛人になろうとする若い女性らの悩みに答える形で、バブル時代が来て不動産の転がしや、株式の転売などを教えて、女社長になった愛人がやがては養護施設へ寄付をすることに。
雑貨店店主と、敦也らを含む、施設の人々の人生が交錯する世界。やがて、それぞれが手紙に書かれた答えから自分の生き方を導き出した末に、あたたかい奇蹟が訪れるということが。

台詞で設定を説明してばかりいるので、だんだんと勝手にしたらという気分になってくる。奇蹟と言ってしまえばご都合主義を連発できるのだろうか?
3つの時制を往復させて、それらが全て過去に因縁があって繋がっているという設定を、消化することのみにもっていき、挙句に特定の個人の未来を変えたり、雑貨店の店主が恩着せがましく人々から礼状を求めるのも如何なものかと。
監督が「余命1ヶ月の花嫁」の廣木隆一だけに安っぽいお涙頂戴のシーンや、死を直接描かないのは良かったですよ。
まぁ、それでも、これはナミヤ雑貨店と丸光園という、養護施設に関わったものとの間で交わされる手紙によって、どれほど人が幸せになったかという人情話なのだから、下手な詮索はしてはいけませんね。あくまでもある施設の迷える子羊たちを救うところに味があり、ささやかなのがいい。

中でも主人公の、ナミヤ雑貨店主役の西田敏行さん。“真っ白な便せん”という最高難易度の相談に、西やん店主がくれた答えがなんとも言えずに、すべての人々に希望を与えたと思います。
その映画の中である歌が生まれて育ち、流通していくコンセプトも加えて、門脇麦ちゃんが歌ったのも良かったのですが、やはり本人の山下達郎さんが歌う、主題歌「REBORN」が流れていくラストシーンでは、新たな代表作と呼べる出来の感涙ものでもありました。

2017年劇場鑑賞作品・・・220アクション・アドベンチャーランキング