見るだけで他人を思い通りに操作できる特殊能力を持つ男と、その能力が唯一通じない男の激闘を描く韓国発アクションサスペンス『超能力者』をリメイク。『リング』『クロユリ団地』などの中田秀夫監督がメガホンを取り、互いに呪われた宿命を背負い、閉塞感漂う社会で葛藤する人間同士の対決が展開していく。主演は、本作が初共演となる藤原竜也と山田孝之。オリジナル版とは異なる日本版ならではのラストに衝撃を受ける。
あらすじ:対象を見ることで他人を自由に操れる超能力を持つ男(藤原竜也)は、その能力ゆえに孤独と絶望の人生を歩んできた。ある日、自分の能力が一切通じない田中終一(山田孝之)に出会ってしまった男は、動揺のあまり誤って終一の大切な人を殺してしまう。復讐(ふくしゅう)を果たそうと決めた終一と、自分の秘密を知る唯一の人間を狙う男が壮絶な戦いを繰り広げていく。
<感想>世界を操れるほどの超能力を持っていながら、世界から孤立した男の話というアイデアはいいのですが、オリジナルとは少し違って描かれていました。
まず主人公が名前の無い超能力者の男で、藤原竜也が演じており、藤原が操れない男に山田孝之が演じてます。韓国版では、どちらかというと山田孝之が演じていた田中終一が主人公で、名前の無いカン・ドンウォンが演じた、藤原君の方が脇役といった感じですかね。
それに、韓国のお国柄っていうか、実際の政治状況もあって、「シュリ」、「JSA」など、双方で対立する映画が多い傾向があるようです。ですから、日本を舞台に置き換えることで、文化背景などが変わってくるので難しさはあると思います。
そして、ポリスアクションの部分も、日本の映画では考えられない笑いの要素が入っているし、大掛かりなカースタントを日本でやるのも中々難しいですよね。
その代りと言っちゃなんですが、超能力に操られたリアルな集団描写が凄いです。このシーンでは、3000人のエキストラに協力してもらったそうです。まるで、ゾンビ映画のようでした。藤原くんの超能力に操られて、その場に人間が立ち止り、時間が停まった感じを役者さんたちが演じていて上手かったと思います。
息詰まるようなハードでサスペンスな展開のなかで描かれるなかで、山田孝之の運送会社の友達で、落合モトキ演じるゲイの親友の存在は、コミカルな描写の数々が笑いを誘ってくれるのだ。一見、意外かもしれないが、これが物語の緩急を生み出して良かった。
「何故、何のために生まれてきたのか」を追求していくと、オリジナルでは文学的で哲学的な主題の作品なので、そこを徹底的に描くと映画じたいが重くなってしまうようです。
その名前のない超能力の男だけでなく、田中終一も両親と弟を交通事故で亡くして天涯孤独なのだ。唯一、子供のころの事故で自分一人助かったことを知っている刑事に、松重さんが演じているも、最後の方で藤原に殺されてしまう。
二人の共通している天涯孤独みたいな、世界から孤立する恐怖感みたいなものを持っている。
ですが、山田孝之が演じた田中は、そんな恐怖を秘めながらも仲間と汗を流して働き、約束を果たすことで生きることを実感する。もう一方の名前のない男の藤原の部屋は、超能力で他人を銀行強盗に仕立てて金を奪い、贅沢な暮らしをしている。
劇中で二人が言う台詞で、「ただ自分は死ぬまで生きるだけだ」とありますが、藤原と山田では違う意味合いを持っていると思います。
そして、ヒロインの石原さとみ演じる叶絵が、田中と恋愛関係になると思ったのだが違ってましたね。藤原の超能力に操られて、父親を窓から背中を押して自殺に見せかけ、山田の背中を包丁で刺し、何回かスタンガンで殺そうとする。
藤原の超能力で操れない山田が、母親が赤ん坊を捨てるところを、ダイブして落ちる赤ん坊を拾い上げ自分は重症を負うのだが、普通の人間ではないので驚くほど完治が速いのだ。ベンチや植木の入ったスタンドを山田めがけて投げるも、下にいる山田に当たってしまい死んだような気がする。だが、不死身の男なのだ。その一方で、超能力の男は片足を失い、手の平まで失っていき、身体も弱っていく。
ですが、オリジナルと違ってはいるが、主人公の藤原と山田の関係性も、敵以上のものを醸し出しているようにも取れた。二人が抱き合って落ちていくシーンでも、一瞬ドキッとしたんですが、田中が下になってかばっているんですね。
他にもクライマックスでの劇場の4階席から、藤原の超能力で操られた観客が真っ逆さまに飛び降りて死ぬのも、リアルな集団描写が凄かった。
出会ってはいけない二人が出会ってしまった。運命で結びつけられた二人に見えてくるから不思議ですよね。
2014年劇場鑑賞作品・・・202 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:対象を見ることで他人を自由に操れる超能力を持つ男(藤原竜也)は、その能力ゆえに孤独と絶望の人生を歩んできた。ある日、自分の能力が一切通じない田中終一(山田孝之)に出会ってしまった男は、動揺のあまり誤って終一の大切な人を殺してしまう。復讐(ふくしゅう)を果たそうと決めた終一と、自分の秘密を知る唯一の人間を狙う男が壮絶な戦いを繰り広げていく。
<感想>世界を操れるほどの超能力を持っていながら、世界から孤立した男の話というアイデアはいいのですが、オリジナルとは少し違って描かれていました。
まず主人公が名前の無い超能力者の男で、藤原竜也が演じており、藤原が操れない男に山田孝之が演じてます。韓国版では、どちらかというと山田孝之が演じていた田中終一が主人公で、名前の無いカン・ドンウォンが演じた、藤原君の方が脇役といった感じですかね。
それに、韓国のお国柄っていうか、実際の政治状況もあって、「シュリ」、「JSA」など、双方で対立する映画が多い傾向があるようです。ですから、日本を舞台に置き換えることで、文化背景などが変わってくるので難しさはあると思います。
そして、ポリスアクションの部分も、日本の映画では考えられない笑いの要素が入っているし、大掛かりなカースタントを日本でやるのも中々難しいですよね。
その代りと言っちゃなんですが、超能力に操られたリアルな集団描写が凄いです。このシーンでは、3000人のエキストラに協力してもらったそうです。まるで、ゾンビ映画のようでした。藤原くんの超能力に操られて、その場に人間が立ち止り、時間が停まった感じを役者さんたちが演じていて上手かったと思います。
息詰まるようなハードでサスペンスな展開のなかで描かれるなかで、山田孝之の運送会社の友達で、落合モトキ演じるゲイの親友の存在は、コミカルな描写の数々が笑いを誘ってくれるのだ。一見、意外かもしれないが、これが物語の緩急を生み出して良かった。
「何故、何のために生まれてきたのか」を追求していくと、オリジナルでは文学的で哲学的な主題の作品なので、そこを徹底的に描くと映画じたいが重くなってしまうようです。
その名前のない超能力の男だけでなく、田中終一も両親と弟を交通事故で亡くして天涯孤独なのだ。唯一、子供のころの事故で自分一人助かったことを知っている刑事に、松重さんが演じているも、最後の方で藤原に殺されてしまう。
二人の共通している天涯孤独みたいな、世界から孤立する恐怖感みたいなものを持っている。
ですが、山田孝之が演じた田中は、そんな恐怖を秘めながらも仲間と汗を流して働き、約束を果たすことで生きることを実感する。もう一方の名前のない男の藤原の部屋は、超能力で他人を銀行強盗に仕立てて金を奪い、贅沢な暮らしをしている。
劇中で二人が言う台詞で、「ただ自分は死ぬまで生きるだけだ」とありますが、藤原と山田では違う意味合いを持っていると思います。
そして、ヒロインの石原さとみ演じる叶絵が、田中と恋愛関係になると思ったのだが違ってましたね。藤原の超能力に操られて、父親を窓から背中を押して自殺に見せかけ、山田の背中を包丁で刺し、何回かスタンガンで殺そうとする。
藤原の超能力で操れない山田が、母親が赤ん坊を捨てるところを、ダイブして落ちる赤ん坊を拾い上げ自分は重症を負うのだが、普通の人間ではないので驚くほど完治が速いのだ。ベンチや植木の入ったスタンドを山田めがけて投げるも、下にいる山田に当たってしまい死んだような気がする。だが、不死身の男なのだ。その一方で、超能力の男は片足を失い、手の平まで失っていき、身体も弱っていく。
ですが、オリジナルと違ってはいるが、主人公の藤原と山田の関係性も、敵以上のものを醸し出しているようにも取れた。二人が抱き合って落ちていくシーンでも、一瞬ドキッとしたんですが、田中が下になってかばっているんですね。
他にもクライマックスでの劇場の4階席から、藤原の超能力で操られた観客が真っ逆さまに飛び降りて死ぬのも、リアルな集団描写が凄かった。
出会ってはいけない二人が出会ってしまった。運命で結びつけられた二人に見えてくるから不思議ですよね。
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