パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

私は、マリア・カラス★★★

2019年02月14日 | アクション映画ーワ行

世紀の歌姫マリア・カラスの実像に迫るドキュメンタリー。これが長編デビューとなるトム・ヴォルフ監督が、3年の歳月をかけて世界中から集めた未完の自叙伝を含む未公開の資料や映像、音源をもとに、マリア・カラス自身の言葉で語られる知られざる素顔を明らかにしていく。「永遠のマリア・カラス」でカラスを演じたファニー・アルダンが朗読を担当。

あらすじ:20世紀最高のソプラノと称えられる、歌唱力、演技力、美貌を備えた不世出のオペラ歌手マリア・カラス(1923~1977:ギリシャ系アメリカ人)。 封印されてきた未完の自叙伝とプライベートな手紙、秘蔵映像・音源を基に、世紀の歌姫の真実に迫る音楽ドキュメンタリー。

<感想>1970年米国テレビ番組での本人のインタビューを狂言廻しのようにして、自叙伝からの言葉で綴ってゆくマリアの過去を、多くのプライヴェート映像で紡いでいきます。冒頭のインタビューでも語るとおり、映画は個人マリアと歌手カラスを巧みに魅せていきます。

高度なベル・カント唱法、エキゾティックな美貌と圧倒的なカリスマ性で、世界中の観衆を虜にしたマリア・カラス。とにかく、カラスの歌声の素晴らしいことといったら、魅了されますから。

始めはオーディションに行くも、お世辞にも美しいとはいえない太った女性歌手のマリアに、審査員の態度は冷ややかだった。けれど実業家のティッタ・メネギーニは、「歌姫」を歌うマリアにとてつもない才能を見出していたのですね。

やがて二人は結婚。夫となったメネギーニは年の離れた無名の歌手のピグマリオンとして、マネージャーとして、マリアを完璧にコントロールするのです。

母になることさえも許さずに。有名になりたいマリアも減量に取り組み、歌のために全てを犠牲にして、メネギーニに従ったわけ。こうして立った歌手の頂点。満面の笑みを浮かべて聴衆の喝采を受けるマリアは、誇りと自信に満ちて輝くばかりに美しい。

しかしその一方では、仕事の量を減らす必要を感じているマリア。対して夫は妻の精神的に不安定な様子に気づくこともなく、相いも変わらずマネージャーとして辣腕を発揮。夫婦の間に微妙なずれが生まれ初めていたのですね。

しかし、ギリシャの大富豪オナシスに恋をしてしまったことから、彼との恋愛をめぐる一連のスキャンダルで、彼女は心身ともに疲弊してゆきます。ですが、彼女は結婚をしていて、実業家のティッタ・メネギーニと言う夫がいて、マリアの興行のすべてを握ってました。その夫とは離婚(宗教)できないのに、オナシスとの恋にうつつをぬかすマリアは、いつまでも恋をする乙女のようでもありました。

オナシスと出会い、すっかりと顔つきも変わり、歌一筋の人生から羽ばたき、目の前に広がる美しい世界で、穏やかな眼差しで楽し気に歌う姿は、幸せそのもの。

世界一高価な女性として、マリアを自分のコレクションに加えるべく、所有する豪華ヨットのクリスティーナ号のクルージングに招待したのです。

しかしながら、彼女のオペラ公演「蝶々夫人」「ノルマ」「トスカ」等、プッチーニのオペラ「トスカ」のクライマックスで、ヒロインが歌い上げる「歌に生き、恋に生き」は、マリアの得意のアリアだったから、と言うことももちろんであります。悲劇のヒロインばかりを演じたディーヴァの、ありのままの姿と美しい歌声が、アーカイブ映像の中で甦ります。

秘蔵の蔵出し映像も満載で、それを編集の画面でみせたところに、この監督の映画スタイルが匂いますね。やはり彼女は偉大なるアーティストとばかりに、その歌声をたっぷりと聴かせてくれる。人間記録を背景にして、音楽映画で貫いたそこが良かったですね。

この映画は2018年の12月に鑑賞したものです。

2019年劇場鑑賞作品・・・20  アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30414345