障害者の性を真正面から取り上げ、数々の映画賞に絡んだ感動のコメディ・ドラマ。実話を基に、重度の障害を持つ男性と、彼の童貞喪失の相手をプロフェッショナルとして引き受けるセックス・セラピストの女性との心の交流を赤裸々にしてユーモラスな筆致で綴る。主演は「ウィンターズ・ボーン」のジョン・ホークス、共演に「恋愛小説家」のヘレン・ハント、「ファーゴ」のウィリアム・H・メイシー。監督は「美女と時計とアブナイお願い」のベン・リューイン。
あらすじ:1988年、米カリフォルニア州バークレー。少年時代に罹ったポリオが原因で首から下が麻痺してしまったマーク。以来、ベッドに寝たきりの人生ながら、みごと大学も卒業し、38歳の今は詩人・ジャーナリストとして活躍していた。そんなある日、彼は新しく雇った若くて美しい介護士アマンダに心奪われる。しかし彼の恋は実ることなく、アマンダは去っていく。
やがて失意のマークのもとに、障害者のセックスというテーマで原稿依頼が舞い込む。取材の過程でセックス・サロゲート(代理人)の存在を知り、自らもセックス・セラピーを受けてみたいと願うマーク。敬虔なマークの正直すぎる相談に、最初は戸惑いを抱いたブレンダン神父も、彼の純粋な思いを受け止め、真摯にサポートしていく。
こうして期待と不安の中、ついにセックス・サロゲート、シェリルと対面し、彼女と初めての“セッション”に臨むマークだったが…。
<感想>サンダンス映画祭観客賞に輝いたヒューマンドラマ。少なからず奇異な内容だが、優しさと喜びに満ちた心地のよい映画でした。身体障害者を、始終ベッドの上だけで見せた主演のジョン・ホークスの名演技は、言わずもがなだが、その彼を文字通り心と身体で支えるヘレン・ハントの、少々のことではブレない凛とした演技が光ってます。
ヘレン・ハント演じるセックス代理人の、感情を入り込ませずに性行為をする職業も興味深いですよね。いわゆるコールガールではなく、こういった障害者に対しての女性、男性もいるのかなぁ、そういえば部屋を貸してくれた車いすの女性もいましたね。
重度の障害者のセックス・セラピストとして登場する垂れ目のヘレン・ハント。でも、おっぱいは余り垂れてなかったよね。笑い皺が実にセクシー、「私脱ぐのに躊躇しないタイプなの」と実にあっけらかんである。女性上位に、顔面騎乗位までしちゃって、モー大変ですから。
物語りの構成自体は基本的に童貞喪失のイニシエーションものだが、全身麻痺の主人公マークが、その話を教会の神父に逐一話して聞かせる展開がこれまたユーモアと取っていいのだろう。
聞き手の神父のウィリアム・H・メイシーと共に、私たち観客も夢中にさせる言葉の力。彼は詩人なのだ。自分をクールにネタにしながら、相手を武装解除する彼の言葉の優しさ響きに、やがてはセラピストの心が動き出す。毎週1回ぐらいでヘレンに会うのですが、その時に来ていく洋服を新しく買っては選び、コロンまで付けてお洒落するマークの心中たるや穏やかではない様子に応援したくなります。
ヘレンの夫が恋文のような手紙にヤキモチを焼いて、ゴミ箱に一度は捨てられた愛の詩が声になり、言葉と映像が溶け合う瞬間に感動してしまった。
最後の方で、自宅の鉄製の酸素の機械の中に入って眠る時に、突然の停電。誰も傍に付いていなく、急いで友達へ電話するも留守で、後3時間しか酸素ボンベがもたない。もうダメかと思った。それが奇跡で、友達が駆け付け病院へ救急搬送。
そして、退院の時に、あの美しい介護士アマンダが傍にいて元気づけてくれるそれが縁で彼女と結婚できるとは、49歳でこの世を去ったマークの生涯は心残りこそあれ、実に有意義だったことでしょう。
それにしても実話とはいえ、これは自由と寛容の国アメリカならではのドラマ。セックスに関することだけに、我が国だったらどうだろうと、いろいろ感慨深いですね。身障者について、このように描くことが、果たして可能なのだろうか。
障害者の性は日本でも取り上げられてきたが、2013年6月に鑑賞した、知的障害者の性を描いた「くちづけ」その問題に焦点を合わせつつユーモラスに描いて、なお且つ心理的な葛藤を掘り下げた深さの共存が素晴らしい。
2014年劇場鑑賞作品・・・48 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:1988年、米カリフォルニア州バークレー。少年時代に罹ったポリオが原因で首から下が麻痺してしまったマーク。以来、ベッドに寝たきりの人生ながら、みごと大学も卒業し、38歳の今は詩人・ジャーナリストとして活躍していた。そんなある日、彼は新しく雇った若くて美しい介護士アマンダに心奪われる。しかし彼の恋は実ることなく、アマンダは去っていく。
やがて失意のマークのもとに、障害者のセックスというテーマで原稿依頼が舞い込む。取材の過程でセックス・サロゲート(代理人)の存在を知り、自らもセックス・セラピーを受けてみたいと願うマーク。敬虔なマークの正直すぎる相談に、最初は戸惑いを抱いたブレンダン神父も、彼の純粋な思いを受け止め、真摯にサポートしていく。
こうして期待と不安の中、ついにセックス・サロゲート、シェリルと対面し、彼女と初めての“セッション”に臨むマークだったが…。
<感想>サンダンス映画祭観客賞に輝いたヒューマンドラマ。少なからず奇異な内容だが、優しさと喜びに満ちた心地のよい映画でした。身体障害者を、始終ベッドの上だけで見せた主演のジョン・ホークスの名演技は、言わずもがなだが、その彼を文字通り心と身体で支えるヘレン・ハントの、少々のことではブレない凛とした演技が光ってます。
ヘレン・ハント演じるセックス代理人の、感情を入り込ませずに性行為をする職業も興味深いですよね。いわゆるコールガールではなく、こういった障害者に対しての女性、男性もいるのかなぁ、そういえば部屋を貸してくれた車いすの女性もいましたね。
重度の障害者のセックス・セラピストとして登場する垂れ目のヘレン・ハント。でも、おっぱいは余り垂れてなかったよね。笑い皺が実にセクシー、「私脱ぐのに躊躇しないタイプなの」と実にあっけらかんである。女性上位に、顔面騎乗位までしちゃって、モー大変ですから。
物語りの構成自体は基本的に童貞喪失のイニシエーションものだが、全身麻痺の主人公マークが、その話を教会の神父に逐一話して聞かせる展開がこれまたユーモアと取っていいのだろう。
聞き手の神父のウィリアム・H・メイシーと共に、私たち観客も夢中にさせる言葉の力。彼は詩人なのだ。自分をクールにネタにしながら、相手を武装解除する彼の言葉の優しさ響きに、やがてはセラピストの心が動き出す。毎週1回ぐらいでヘレンに会うのですが、その時に来ていく洋服を新しく買っては選び、コロンまで付けてお洒落するマークの心中たるや穏やかではない様子に応援したくなります。
ヘレンの夫が恋文のような手紙にヤキモチを焼いて、ゴミ箱に一度は捨てられた愛の詩が声になり、言葉と映像が溶け合う瞬間に感動してしまった。
最後の方で、自宅の鉄製の酸素の機械の中に入って眠る時に、突然の停電。誰も傍に付いていなく、急いで友達へ電話するも留守で、後3時間しか酸素ボンベがもたない。もうダメかと思った。それが奇跡で、友達が駆け付け病院へ救急搬送。
そして、退院の時に、あの美しい介護士アマンダが傍にいて元気づけてくれるそれが縁で彼女と結婚できるとは、49歳でこの世を去ったマークの生涯は心残りこそあれ、実に有意義だったことでしょう。
それにしても実話とはいえ、これは自由と寛容の国アメリカならではのドラマ。セックスに関することだけに、我が国だったらどうだろうと、いろいろ感慨深いですね。身障者について、このように描くことが、果たして可能なのだろうか。
障害者の性は日本でも取り上げられてきたが、2013年6月に鑑賞した、知的障害者の性を描いた「くちづけ」その問題に焦点を合わせつつユーモラスに描いて、なお且つ心理的な葛藤を掘り下げた深さの共存が素晴らしい。
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