パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ザ・デット /ナチスと女暗殺者 ★★★

2014年06月14日 | DVD作品ーさ行
元ナチスの戦犯捜索に人生を賭けた“モサド"の数奇な運命をスリリングに描いた珠玉のスパイ・サスペンス&スリラー!
あらすじ:1965年、第二次世界大戦後中に強制収容所で残酷な人体実験を行っていたナチス戦犯のライナー医師を拘束するという極秘ミッションの為、イスラエルのモサド諜報員、ラヘル、ズヴィ、エフドの3人が東ベルリンに送り込まれた。
彼らによってライナーは捕まるが、拘束中に逃亡を図られてしまう。
しかし、3人は拘束中に脱出を図った戦犯を射殺したと発表、祖国イスラエルに帰国し英雄視されていた。
それから30年後。死んだはずの医師が、ウクライナで生きているという小さな地方新聞の記事を目にする。慌てた3人の元諜報員は、実は偽りであった“報告"を工作しようと再び動き出す―。(作品資料より)

<感想>モサド工作員の30年間の苦闘を描いた劇場未公開作品。この映画は2012年8月にDVD発売している「ペイド・バック」のオリジナル版である。それでも、「ペイド・バック」の方が出演者が、ヘレン・ミレンにサム・ワーシントンの他ジェシカ・チャステインに、キアラン・ハインズ、マートン・ソーカスなど有名な俳優が出演しており、やはりリメイクの方が数段見応え十分だと思いました。
意外や間髪入れずにオリジナル版がリリースされることになって鑑賞。だが、無名の俳優が出演しているイスラエル映画が、こうやって見られるだけでも有難いことですよね。

やはりリメイクと同じで、産婦人科医として潜伏していたナチスの戦犯ライナーを捕えるため、ベルリンに到着。しかし、ライナーのところへ女スパイのラヘルが不妊治療のため来院して、ライナーを眠らせて心臓発作と偽り、救急車に乗ったズヴィ、エフドの男スパイが自分たちのアパートへ拉致する。
すぐにでもイスラエルへ連行しようとするも、中々手筈が上手く行かずに日にちが過ぎていく。イライラした2人の男は喧嘩をして出ていくし、一人取り残されたラヘルに、ライナーが襲い掛かり顔の頬に切り傷を負わせて逃走してしまう。ところが、3人は口裏を合わせて、ライナーを射殺したと嘘の報告をし、英雄としてイスラヘルへ帰る。
そして30年後、初老となったラヘルの元に、ライナーが生きているという知らせが届き、3人だけの秘密を守り抜くために、最後のミッションに向かうラヘル。
これはさすがにハリウッドで、2012年に「ペイド・バック」としてリメイクされるだけのことはある。アクションもサスペンスもパワーアップされているリメイク版に比べると、どうしても地味な仕上がりになっているが、そのシンプルさがかえって構成の巧みさを浮かび上がらせていると思う。

ショッキングなオープニングを用意しつつ、序盤で種明かしをしてから謎解きに入ったリメイクも味わいがあったのだが、本作を予備知識なしで先に観ていたら、かなり印象は変わっていたに違いない。ただ、それを差し引いても手堅い演出によってエンタテインメントの水準を軽くクリアしているのは驚きだ。
それとリメイク版のルックは、きちんと本作ものを受け継いでいたことも分かり、役者に目を向けると、リメイク版の主人公の若き頃に扮したジェシカ・チャスティンと30年後の主人公ヘレン・ミレンの2人のキャスティングが役にぴったりで良かった気がした。

だが、こちらオリジナル版の主人公である2人のラヘルも中々で、作戦を遂行する産婦人科での診察や、2人のスパイの男と恋仲にになり関係を持つシーンで、全裸になるネタ・ガーティの熱演も評価したい。それに、様々な経験を感じさせながらも、概に現役を退いているギラ・アルマゴールおばさんの存在感。いずれも本作の大きな魅力となってます。リメイク版ではヘレン・ミレンが演じている。
「ペイド・バック」を未見な方で、本作のオリジナルに興味をもった方は、是非このオリジナルから見て欲しいですね。物語は同じだが、細かい描写が変更されています。それを見比べるのもいいでしょう。
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