2009年1月1日、22歳の黒人青年が警察官に銃で撃たれて死亡した事件を基に映画化し、映画祭や賞レースを席巻したドラマ。新年を迎えようという12月31日、家族や友人といつもの日常を過ごす青年の姿を描き、突然この世から去った彼の運命の残酷さやはかなさを浮き上がらせる。監督は、本作で長編映画デビューを飾ったライアン・クーグラー。主人公の黒人青年を『クロニクル』などのマイケル・B・ジョーダンが演じ、オスカー受賞者のオクタヴィア・スペンサーが共演。事件の痛ましさや、残された者の憤りと悲しさが胸に突き刺さる。
あらすじ:2009年、新年を迎えたサンフランシスコのフルートベール駅。多くの人が入り乱れるホームで、22歳の黒人青年オスカー・グラント(マイケル・B・ジョーダン)が銃で撃たれてこの世を去る。命を失ったオスカーにとって、母の誕生日を祝い、娘と遊び、家族や友人と過ごしたいつもの日常が、悲しいことに最後の日となってしまった。
<感想>米国で2009年の元旦にサンフランシスコで、実際に起きた白人警官による黒人青年射殺事件のドラマ化です。事件当日の朝から被害者の青年オスカーの日常生活を丁寧に描き、悲劇が起きた社会背景を浮かび上がらせている。フルートベール駅周辺はスラム化しており、ケンカを売られたオスカーは黒人ということだけで警官に銃口を向けられてしまった。
大晦日、娘を保育園に預け、仕事を探し続けるオスカー。残っていたドラッグは処分して、誕生日を迎えた母親のもとへと、「おめでとう」を伝えにいく。
親族一同が集まってのホームパーティを終え、娘をベッドに寝かしつける。オスカーは仲間たちと年越しカウントダウンを楽しみに市街地へと向かった。
帰りの電車の中で、売人時代の商売仇たちと運悪く遭遇する。けんか騒ぎとなり、停車したフルートベール駅に無抵抗のオスカーは警官に取り押さえられ、公然の前で拳銃を向けられる。
数分後、無抵抗な青年は背中から1発、弾丸を撃ち込まれる。その様子は、居合わせた乗客たちによってスマートフォンで撮影され、悲劇は波紋を呼ぶ。
22歳の青年オスカーは定職に就けず、仕方なくドラッグの売人をしていたが、恋人との間にできた4歳の娘のために足を洗い、真っ当な人生を歩むことを誓うのだが。
確かに、オスカーには前科があり、事件の前夜にバイト先もクビになり、妹からも家賃の工面を頼まれ、隠し持っていた大麻を顔見知りの不良に売ることを考える。再就職先が決まらない中、腐らずに家族に懸命に愛情を注ぐ姿にほだされます。まともに生きていくことを選んだはずなのに、オスカーの心の揺れ、いかんともしがたい優しさが丁寧に描かれ、オスカーの前向きで冴えない日常には、完全に共感してしまった。
いかにもサンダンス映画祭で受賞したことが頷ける作品で、アメリカに依然として存在し続ける人種差別を強く告発していると思う。警察に代表される権力と横暴と、それに静かに耐える黒人たちの無念がきっちりと描かれ、極めて感動的です。
ですが、何故に駅に現れた警官隊は白人だけで構成されているのか?・・・警察に黒人警官はいなかったのか。それが無性に心残りで残念でならない。
あまりにも衝撃的な「理不尽な暴力によって奪われた未来」という普遍的なテーマを、鮮やかにドラマ化する傑作ですよね。
泣かせ狙いの過剰なまでの演出を拝し、逆に「俺には幼い娘がいるんだ」と警官に訴えながら絶命したオスカーの無念さが胸に響きます。
2014年劇場鑑賞作品・・・110 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:2009年、新年を迎えたサンフランシスコのフルートベール駅。多くの人が入り乱れるホームで、22歳の黒人青年オスカー・グラント(マイケル・B・ジョーダン)が銃で撃たれてこの世を去る。命を失ったオスカーにとって、母の誕生日を祝い、娘と遊び、家族や友人と過ごしたいつもの日常が、悲しいことに最後の日となってしまった。
<感想>米国で2009年の元旦にサンフランシスコで、実際に起きた白人警官による黒人青年射殺事件のドラマ化です。事件当日の朝から被害者の青年オスカーの日常生活を丁寧に描き、悲劇が起きた社会背景を浮かび上がらせている。フルートベール駅周辺はスラム化しており、ケンカを売られたオスカーは黒人ということだけで警官に銃口を向けられてしまった。
大晦日、娘を保育園に預け、仕事を探し続けるオスカー。残っていたドラッグは処分して、誕生日を迎えた母親のもとへと、「おめでとう」を伝えにいく。
親族一同が集まってのホームパーティを終え、娘をベッドに寝かしつける。オスカーは仲間たちと年越しカウントダウンを楽しみに市街地へと向かった。
帰りの電車の中で、売人時代の商売仇たちと運悪く遭遇する。けんか騒ぎとなり、停車したフルートベール駅に無抵抗のオスカーは警官に取り押さえられ、公然の前で拳銃を向けられる。
数分後、無抵抗な青年は背中から1発、弾丸を撃ち込まれる。その様子は、居合わせた乗客たちによってスマートフォンで撮影され、悲劇は波紋を呼ぶ。
22歳の青年オスカーは定職に就けず、仕方なくドラッグの売人をしていたが、恋人との間にできた4歳の娘のために足を洗い、真っ当な人生を歩むことを誓うのだが。
確かに、オスカーには前科があり、事件の前夜にバイト先もクビになり、妹からも家賃の工面を頼まれ、隠し持っていた大麻を顔見知りの不良に売ることを考える。再就職先が決まらない中、腐らずに家族に懸命に愛情を注ぐ姿にほだされます。まともに生きていくことを選んだはずなのに、オスカーの心の揺れ、いかんともしがたい優しさが丁寧に描かれ、オスカーの前向きで冴えない日常には、完全に共感してしまった。
いかにもサンダンス映画祭で受賞したことが頷ける作品で、アメリカに依然として存在し続ける人種差別を強く告発していると思う。警察に代表される権力と横暴と、それに静かに耐える黒人たちの無念がきっちりと描かれ、極めて感動的です。
ですが、何故に駅に現れた警官隊は白人だけで構成されているのか?・・・警察に黒人警官はいなかったのか。それが無性に心残りで残念でならない。
あまりにも衝撃的な「理不尽な暴力によって奪われた未来」という普遍的なテーマを、鮮やかにドラマ化する傑作ですよね。
泣かせ狙いの過剰なまでの演出を拝し、逆に「俺には幼い娘がいるんだ」と警官に訴えながら絶命したオスカーの無念さが胸に響きます。
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