『美女と野獣』やドラマ「レギオン」シリーズなどのダン・スティーヴンスが主演を務めるSFアクション。地球を複製した世界に送り込まれた元NASAのパイロットが、人類の命運を左右する壮絶な戦いに挑む。メガホンを取るのはティム・スミット。『007 スカイフォール』『リヴォルト』などのベレニス・マルローが共演する。視点を切り替え二つの世界が表現される。
あらすじ:エネルギーが枯渇してしまった近未来。人類は地球を複製したエコーワールドからエネルギーを確保して、危機を回避しようとしていた。ある日、地球とエコーワールドをリンクさせる巨大タワーが暴走し、その影響を受けて世界各地で異常気象が発生する。地球壊滅のカウントダウンが始まり、元NASAのパイロット・ウィル(ダン・スティーヴンス)がエコーワールドに向かった。
<感想>これまでVFXのスペシャリストとして活躍し本作が長編監督デビューとなるティム・スミット監督が、「美女と野獣」のダン・スティーヴンスを主演に迎えて贈るSFサスペンス・アクション。と言っても、チラシのイメージから見るとSF映画のようでもあり、近未来アクションの印象があります。
エネルギー問題解決のために地球のコピーが造られた近未来を舞台に、突如発生したエネルギーシステムの暴走を食い止めるべく地球の命運を託された男を待ち受ける衝撃の運命を、一人称視点を織り交ぜた映像で描き出している。
CGを駆使しての映像は見応えがありますが、物語の展開に問題があるような、とてもいい作品とは言えません。
「ゲスト」や「美女と野獣」で有名な俳優さんのダン・スティーヴンスが主演です。しかしながら、主役であるのになかなか顔が映像に出てきません。というのも、普通のカメラアングルと一人称カメラの映像を交互に駆使しながら、現実の世界と、全くコピーされた世界“エコーワールド“の攻防を描くSFサスペンスとなっており、確かにその斬新な発想は面白いのだが、もう少しだけストーリーにも工夫が欲しかった。
この手法は、2017年公開の「第9地区」のシャルト・コプリー主演の「ハードコア」と良く似ている。全編一人称視点のカメラで、次々と襲い掛かって来る敵を撃って、撃って撃ちまくるなど、ドローンによる攻撃も凄いですよ。画像だけを見ればシューティング・ゲームをそのまま映画にしたような作品のようにも思えた。
カウントダウンの後、塔が稼働し、地球と全く同じ世界が完成、そこからエネルギーを獲得するはずだったが、何かの不具合が発生する。そこで、元NASAのパイロットでもあったウィルに、ある機械をエコーワールドに届ける任務が与えられる。そしてウィルはエコーワールドにたどり着くが、そこには死体が散乱し、荒廃した世界になっていた。
アルタープレックスは地球を複製し、“エコーワールド”というもうひとつの地球を創り上げ、エネルギー危機を乗り越えようとしますが、そのせいで説明のつかない重力異常が起こり、人々は謎の死を遂げていきます。列車が空中へと飛ばされ、そして落下してくる。
やがて生命がいないはずのエコーワールドにまで地球と同じ人々が住んでいることが発覚し、地球とエコーワールドのどちらかを破壊しなければ両方の世界が崩壊する、という状況に陥ります。
どうやらエコーワールドの塔にはテロ集団が潜入、元世界を破壊しようとしていた。ウィルは攻防の末、自らも犠牲になりエコーワールドを破壊して、元世界の妹とその息子を守ると言う家族愛のストーリー。
ですが、肝心の主人公のダン・スティーヴンスの顔も姿も画面には出て来ず、まるで「ハードコア」の二番煎じを狙った様な、一人称視点のカメラが9割を占めており、大部分がヘッドカムによる主人公目線の映像でこれじゃ、テレビゲームを見ているような感じでした。人間のウィルが撃たれても当たりません、それにミサイルも発射されて、普通だったらウイルが死んでしまってもおかしくないのにね。
ウィルの役目はエコーワールドを破壊すること。地球と同じ設定のエコワールドを作っても、自分と同じ人間が両方に存在することは出来ないことを知り、それには自分が開発した「リディバイダー装置」四角のキューブをタワーの中まで持っていき、当てはめて爆発させることだったのですね。
やれやれ、面白い発想だったのに、主人公が妹と息子の命を救うという家族愛もあって、「アルマゲドン」でもあるまいし、最後は自己犠牲ってわけか。
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