『女人、四十。』などで知られるアン・ホイ監督が、老いをテーマにつづる感動の人間ドラマ。
いつも空気のようにそばにいた老メイドが病に倒れたことをきっかけに、やがて肉親以上の強い絆で結ばれていく主従の関係を描き切る。『サイクロンZ』などの演技派女優ディニー・イップが昔気質の使用人を演じ、介護に奔走する主人公を、香港の大スターアンディ・ラウが熱演する。ユーモアと優しさを交えて描かれる人生の転機に勇気をもらう。
<感想>地方のミニシアターで、やっと上映されたので鑑賞。でもだいぶ前に観たのにレビューが遅くなってしまいました。「桃さん」とは13歳から60年間もの香港で同じ家族に仕えてきたメイドのこと。その桃さんが脳卒中に倒れ、長年彼女の世話になってきた雇い主の息子が今度は実の息子のように彼女の介護に走る。
桃さんを演じるのは、ディニー・イップ。11年ぶりに銀幕復帰した名女優だが、この映画でベネチア映画祭の女優賞を受賞した。まさに快挙といっていい名演なのだが、相手役の息子で映画プロデュ-サーを演じるアンディー・ラウがまたいい。ベテランの女性監督アン・ホイは、食材の買い出し風景から始まり、食事の世話を経て突然の発病、介護の日々に至る2人の関係をテンポよく綴っていく。
そして後半にたっぷりと時間を割る介護の日々。この辺りがアン・ホイの真骨頂。施設で生活する老人たちの介護の現状を映し出しながら、まるでドキュメンタリーのようにその場に居合わせたような気分にさせるのだ。
子供のころから苦労に苦労を重ねてきた桃さん。一見穏やかだが、芯の強いその女性に「母」のように寄り添う「息子」。この疑似母子は最後の最後まで信頼という固い絆で結ばれ、やがて別れの時を迎えても精神的な絆は永遠に消え去ることはない。昔からの香港映画ファンには、ツイ・ハークやサモン・ハン・キンポー、レーモンド・チョーといった映画人たちの顔見せも嬉しいかぎりですね。
実話だという話を、淡々とした描写で見せていく。カギとなる桃さんの病気以外には、これといった出来事もないのだが、その日常生活の積み重ねが静かな感動を呼び覚まします。確かにこれは一つの理想であり、おとぎ話にすぎないのかもしれない。しかしながら、自分の老いた両親のことを思うとそう簡単には割り切れないものが、胸をつまらせいつしか涙が込み上げる。
2013年劇場鑑賞作品・・・16 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ
いつも空気のようにそばにいた老メイドが病に倒れたことをきっかけに、やがて肉親以上の強い絆で結ばれていく主従の関係を描き切る。『サイクロンZ』などの演技派女優ディニー・イップが昔気質の使用人を演じ、介護に奔走する主人公を、香港の大スターアンディ・ラウが熱演する。ユーモアと優しさを交えて描かれる人生の転機に勇気をもらう。
<感想>地方のミニシアターで、やっと上映されたので鑑賞。でもだいぶ前に観たのにレビューが遅くなってしまいました。「桃さん」とは13歳から60年間もの香港で同じ家族に仕えてきたメイドのこと。その桃さんが脳卒中に倒れ、長年彼女の世話になってきた雇い主の息子が今度は実の息子のように彼女の介護に走る。
桃さんを演じるのは、ディニー・イップ。11年ぶりに銀幕復帰した名女優だが、この映画でベネチア映画祭の女優賞を受賞した。まさに快挙といっていい名演なのだが、相手役の息子で映画プロデュ-サーを演じるアンディー・ラウがまたいい。ベテランの女性監督アン・ホイは、食材の買い出し風景から始まり、食事の世話を経て突然の発病、介護の日々に至る2人の関係をテンポよく綴っていく。
そして後半にたっぷりと時間を割る介護の日々。この辺りがアン・ホイの真骨頂。施設で生活する老人たちの介護の現状を映し出しながら、まるでドキュメンタリーのようにその場に居合わせたような気分にさせるのだ。
子供のころから苦労に苦労を重ねてきた桃さん。一見穏やかだが、芯の強いその女性に「母」のように寄り添う「息子」。この疑似母子は最後の最後まで信頼という固い絆で結ばれ、やがて別れの時を迎えても精神的な絆は永遠に消え去ることはない。昔からの香港映画ファンには、ツイ・ハークやサモン・ハン・キンポー、レーモンド・チョーといった映画人たちの顔見せも嬉しいかぎりですね。
実話だという話を、淡々とした描写で見せていく。カギとなる桃さんの病気以外には、これといった出来事もないのだが、その日常生活の積み重ねが静かな感動を呼び覚まします。確かにこれは一つの理想であり、おとぎ話にすぎないのかもしれない。しかしながら、自分の老いた両親のことを思うとそう簡単には割り切れないものが、胸をつまらせいつしか涙が込み上げる。
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