淡路島を舞台に、第1次産業の調査にやって来た女性を中心に展開するヒューマンドラマ。島を訪れた農林水産省職員の女性が、タマネギの栽培とノリの養殖に打ち込む兄弟と出会ったのを機に自然がもたらす恵みについて深く考えるようになる姿を描く。監督は『小川の辺』などの篠原哲雄。『ATARU』シリーズなどの栗山千明を筆頭に、桐谷健太、三浦貴大、豊原功補らが出演。温かな物語に加え、舞台となる淡路島の美しい風景にも心癒やされる。
あらすじ:現在の日本の第1次産業の実態を調査するために淡路島を訪れた、農林水産省の神野恵子(栗山千明)。市役所の農林水産部職員・津守(豊原功補)の案内で聞き取りを始めるが、凝り固まった考えや言動からノリ養殖場の従業員・豊島渉(三浦貴大)の機嫌を損ねてしまう。その夜、彼女は居酒屋でタマネギ農家の4代目で渉と兄弟である豊島岳志(桐谷健太)と出会う。彼が実現を目指すブランド野菜の販売ルート構築などを聞き、畑や養殖場に足しげく通うようになるが、岳志と渉の間に大きな確執があることを知る。
<感想>今は亡き塩屋俊監督が、2012年に公開された「種まく旅人 みのりの茶」に続き、構想していた淡路島が舞台の第2弾。前作は、DVDで見たので後程投稿します。
こちらは、農林水産省の官僚が、淡路島の農業と漁業の現地調査をやると乗り込んできたら、現地の生産者たちはどう反応するのか?・・・霞が関のお役人が、こちらの事情も知らずに、調査と称して覗きまわるだけ迷惑な限りだと、反発するのは見やすい構図ですよね。
この映画もまさに、その通りから始まり、以後、調査官の予想外の熱心さに、島の人々の気持ちも次第に和らぎ、彼女の漁業や農業に対する真摯な思いに応えていくのだ。
と、いう典型的なこの手の物語のパターンで展開していくのですが、それでも最後まで見せているのは、編集の技にもあるようです。淡路島について学習できる社会科的意義のある作品にもなっているようです。
で
すが、ただ頭でっかちで合理主義、神頼みを全面否定する鼻持ちならないエリート官僚の主人公が、瞬く間に島の農水産業再興のために、情熱を注ぎ、兄弟の確執に胸を痛めて、「かいぼり」実現に向けて奮闘する姿に感心しました。
こんなお役人ばかりならいいのにね、本作の冒頭での、栗山千明演じる農林水産省の調査員は、実に憎たらしいような無神経さと傲慢さなのだが、淡路島の農業、そこに生きる人々を知るようになって様々な尽力をつくすのですが。海苔の養殖場へ舟で行くのですが、網に小さな種づけをしてそれを海の中の棒に網を張り付ける。収穫の時は、海苔がまるでカーテンのように垂れ下がって見事です。その後の作業も大仕事で、海苔として出来上がるまでの行程が見られます。
しかし、現実はきっと生涯を通して、冒頭の栗山のような姿勢の偉そうに威張っている役人ばかりではないだろうか。だから、役場の人たちも初めは、適当に案内をして、1週間くらいで帰るのだろうと思っていたに違いない。
たまねぎの出荷先が倒産してしまい、たくさんのたまねぎをどう処理してしまおうかと悩む青年の桐谷健太。自暴自棄になり廃業を決意して、故郷の淡路島を去ろうとするたまねぎ農家の青年、桐谷健太がフェリー乗り場で、母親が持たせてくれた「玉ねぎの種」を見て考えを変えて「かいぼり」の場所へと。自分も島の人間だもの、彼は何かある事に、東京へ行くという安易な考えを止める。
そして、人形浄瑠璃に打ち込む谷村美月の、地道に自分の好きなものに夢中になる姿が光って見えるのが良かった。
ク
ライマックスの、「かいぼり」という海に恵をもたらす陸地のため池を作る作業を最後に見せつけるわけですが、淡路島の海の幸、海苔の養殖にたいしてもとてもいいもので、この映画の中での兄弟が、弟が海の海苔の養殖を、兄は畑でたまねぎ栽培をと、ですが、この兄弟は喧嘩をしていて険悪な状態。この兄弟の仲を取り持つのもお役人である栗山千明なのだ。
どうみても、アメリカ帰りの農林水産省官僚が、仕事とはいえ淡路島で奮闘するとは思えなかった。その彼女自身の、心変わりの動機が希薄なので、観ていて納得できないまま想定内の着地点になっていったようです。
2015年劇場鑑賞作品・・・114映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:現在の日本の第1次産業の実態を調査するために淡路島を訪れた、農林水産省の神野恵子(栗山千明)。市役所の農林水産部職員・津守(豊原功補)の案内で聞き取りを始めるが、凝り固まった考えや言動からノリ養殖場の従業員・豊島渉(三浦貴大)の機嫌を損ねてしまう。その夜、彼女は居酒屋でタマネギ農家の4代目で渉と兄弟である豊島岳志(桐谷健太)と出会う。彼が実現を目指すブランド野菜の販売ルート構築などを聞き、畑や養殖場に足しげく通うようになるが、岳志と渉の間に大きな確執があることを知る。
<感想>今は亡き塩屋俊監督が、2012年に公開された「種まく旅人 みのりの茶」に続き、構想していた淡路島が舞台の第2弾。前作は、DVDで見たので後程投稿します。
こちらは、農林水産省の官僚が、淡路島の農業と漁業の現地調査をやると乗り込んできたら、現地の生産者たちはどう反応するのか?・・・霞が関のお役人が、こちらの事情も知らずに、調査と称して覗きまわるだけ迷惑な限りだと、反発するのは見やすい構図ですよね。
この映画もまさに、その通りから始まり、以後、調査官の予想外の熱心さに、島の人々の気持ちも次第に和らぎ、彼女の漁業や農業に対する真摯な思いに応えていくのだ。
と、いう典型的なこの手の物語のパターンで展開していくのですが、それでも最後まで見せているのは、編集の技にもあるようです。淡路島について学習できる社会科的意義のある作品にもなっているようです。
で
すが、ただ頭でっかちで合理主義、神頼みを全面否定する鼻持ちならないエリート官僚の主人公が、瞬く間に島の農水産業再興のために、情熱を注ぎ、兄弟の確執に胸を痛めて、「かいぼり」実現に向けて奮闘する姿に感心しました。
こんなお役人ばかりならいいのにね、本作の冒頭での、栗山千明演じる農林水産省の調査員は、実に憎たらしいような無神経さと傲慢さなのだが、淡路島の農業、そこに生きる人々を知るようになって様々な尽力をつくすのですが。海苔の養殖場へ舟で行くのですが、網に小さな種づけをしてそれを海の中の棒に網を張り付ける。収穫の時は、海苔がまるでカーテンのように垂れ下がって見事です。その後の作業も大仕事で、海苔として出来上がるまでの行程が見られます。
しかし、現実はきっと生涯を通して、冒頭の栗山のような姿勢の偉そうに威張っている役人ばかりではないだろうか。だから、役場の人たちも初めは、適当に案内をして、1週間くらいで帰るのだろうと思っていたに違いない。
たまねぎの出荷先が倒産してしまい、たくさんのたまねぎをどう処理してしまおうかと悩む青年の桐谷健太。自暴自棄になり廃業を決意して、故郷の淡路島を去ろうとするたまねぎ農家の青年、桐谷健太がフェリー乗り場で、母親が持たせてくれた「玉ねぎの種」を見て考えを変えて「かいぼり」の場所へと。自分も島の人間だもの、彼は何かある事に、東京へ行くという安易な考えを止める。
そして、人形浄瑠璃に打ち込む谷村美月の、地道に自分の好きなものに夢中になる姿が光って見えるのが良かった。
ク
ライマックスの、「かいぼり」という海に恵をもたらす陸地のため池を作る作業を最後に見せつけるわけですが、淡路島の海の幸、海苔の養殖にたいしてもとてもいいもので、この映画の中での兄弟が、弟が海の海苔の養殖を、兄は畑でたまねぎ栽培をと、ですが、この兄弟は喧嘩をしていて険悪な状態。この兄弟の仲を取り持つのもお役人である栗山千明なのだ。
どうみても、アメリカ帰りの農林水産省官僚が、仕事とはいえ淡路島で奮闘するとは思えなかった。その彼女自身の、心変わりの動機が希薄なので、観ていて納得できないまま想定内の着地点になっていったようです。
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