桜井画門のコミックを原作に、不死身の主人公を『るろうに剣心』シリーズなどの佐藤健が演じ、『踊る大捜査線』シリーズなどの本広克行監督がメガホンを取って実写化。交通事故での死亡から一転、生還し、絶命と共に再生を始める能力を持つ新人類“亜人”であることが発覚した主人公が、国家権力やテロをもくろむ同種族の亜人との戦いを繰り広げる。ビルの屋上から飛び降りるなど不死身のキャラクターを生かしたアクション、生と死をモチーフにした深淵なストーリーに期待が高まる。共演は綾野剛、玉山鉄二、城田優、千葉雄大、川栄李奈、山田裕貴他。
あらすじ:2017年の東京。研修医の永井圭(佐藤健)はトラックと衝突し死亡するが、その直後、肉体が回復し生還。不死身の新人類“亜人”であることが発覚する。圭は追われる身となり、亜人研究施設に監禁されるが、“帽子”と呼ばれる亜人のテロリスト・佐藤に助けられる。しかし、佐藤は国家転覆計画に加担しない圭を敵視。圭は佐藤の暴走を止めるために立ち上がる。
<感想>原作は読んでいませんが、命を繰り返す新人類の終わりなき超バトル!・・・興味津々にて鑑賞。特殊能力“リセット”で命を何度でも繰り返す亜人の永井圭こと佐藤健と、彼を追う政府の人間たち、亜人のテロリスト、佐藤こと綾野剛の戦いを描く人気コミックを実写化した、新感覚SFアクション「亜人」。
本作で政府側につく亜人の下村泉を演じた川栄李奈と、メガホンをとった『踊る大捜査線』シリーズなどの本広克行監督が怒涛の撮影に取り組んでいる。
あらすじでは、病気の妹を救うために研修医となった永井圭(佐藤健)は、突然の事故で死亡する。しかし、その直後に生き返り、不死の新人類“亜人”であることが判明する。
亜人は“IBM”という人型をした黒い粒子を放出し戦わせることができる。CGで作られたそのビジュアルは納得の完成度である。永井圭は幽霊と呼び出す。“IBM”は派手なアクションで、永井圭を助ける。
国家に拘束された永井は、モルモットのような非人道的な人体実験をされるが、そこに亜人最凶のテロリスト“佐藤”が現れる。混乱の中研究所から逃げ出した永井は、自らの過酷な運命に葛藤する。
永井圭を仲間に取り込もうとする佐藤に対し、彼の思想に与することができず、やがて人類の側に立って佐藤と敵対していく圭だったが…。そんな中で、佐藤が始めた国獲りゲームが、人類と亜人、そして亜人同士の戦いを勃発させることになる。
それに最近は人間が一度死に、リセットして生き返るという漫画てき発想のアクション映画が流行っている。この映画も、「東京喰種 トーキョーグール」の喰種と類似しており、人間らしい神経を持っている亜人は、永井の佐藤健だけのように見えた。
亜人のテロ・グループに襲撃される、浜辺美波ちゃん演じる、永井の妹を身をていして守る抜く泉。女亜人の泉(元AKB48の川栄李奈)の身体を張ったシーンが、亜人の田中(城田優)から護る病室のシーン、城田優の背中に飛び乗り、腕ひしぎ逆十字を決め、狭い病室での敵との肉弾バトルは見どころの一つであり、そのまま倒す難しいアクションも難なくこなす。
そして、病院の階段を転げ落ちながら“リセット”で命を再生させて、田中に飛び掛かるシーンとか、そこで、自分の分身のIBM(インビジブル・ブラック・マター)を放つために発する「お願い、クロちゃん~出て来て」という呼び方がたまらなくいい。
それに、政府側の亜人を追う厚生労働省の役員、戸崎優に玉山鉄二が扮しており、亜人の泉と戸崎はまるでメイドとご主人様のような立ち位置も面白い。ドSとドMみたいな関係で、会話も微妙に変だから玉鉄が上から見下ろすように顔を泉にグッと近づけて、超ドSみたいで面白かった。
特に目を凝らして見入ったのが、亜人の佐藤を演じる綾野剛くん、見事に鍛え上げられた肉体に惚れ惚れした。スクリーンに映る綾野剛はまちがいなく亜人の佐藤その人でした。冷酷で淡々としていて20年も政府にモルモットにされた復習心を、沸々とたぎらせている怪物に綾野剛がなりきっていた。
死んでも直ぐに生き返る亜人は、麻酔銃などで眠らされ拘束・そして捕獲されるのだが、それを回避すべく、腕に刺された麻酔が全身に回る前に自ら腕を切り落とし、頭を銃で撃つなどしてリセットする。
通常、生きるための戦いが、ここでは戦うために自分を何度も殺さなければならないのだ。前に観たトム・クルーズの「オール・ユー・ニード・イズ・キル 」(14)と同じだ。
続編ありきのような終わり方なので、今回は永井圭を演じていた佐藤健くんが、どうしても怪物の綾野剛に劣るような感じが見られ、次ではきっと佐藤健くんのアクションが見栄えするシーンが多いと思うので期待したい。
漫画原作の実写化は、今もなお賛否両論はあるものの、もはや今の時代を象徴しているようなところもあり、避けては通れないものだと思ってます。それに、成功例があることも事実で、それを目指して多くの映画人たちは、何か良い原作はないものかと、様々な漫画を読み漁っているのが今の映画業界の実状だと思われます。
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