韓国で大ヒットを記録し、日本でも話題を呼んだゾンビパニックアクション「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後を描く続編。「MASTER マスター」「ゴールデンスランバー」などで知られる人気俳優カン・ドンウォンを主演に、前作から引き続きヨン・サンホ監督がメガホンをとった。人間を凶暴化させる謎のウイルスが半島を襲ってから4年後。香港に逃げ延びていた元軍人のジョンソクが、ある任務遂行のために半島に戻ってきた。その任務とは、限られた時間内に大金が積まれたトラックをチームで回収し、半島を脱出することだった。トラックを回収し、任務は順調かに思われたが、民兵集団によりジュンソクたちはトラックを奪われてしまう。そんなジュンソクを窮地から救ったのはミンジョン母娘だった。2020年・第73回カンヌ国際映画祭(新型コロナウイルスの影響で通常開催を見送り)のオフィシャルセレクション「カンヌレーベル」作品。
<感想>映画は、ウィルスの感染爆発でパンデミックが発生し、混乱する韓国。ジョンソクが姉家族を連れて、海外へ脱出する客船に乗り込むのだが、そこでも感染がおこり、船内が大パニック状態になり姉と甥っ子を亡くしてしまう元軍人のジョンソク。
4年後、香港の貧民街に流れ着いていたジョンソクと、義理の兄貴チョウルミンは、地元のボスから韓国の仁川港近くに乗り捨てられていたトラックから、大金を回収してくる仕事を依頼される。その分け前で生活の立て直しを考えることにする。
小型船で祖国に潜入したジョンソクらだったが、そこには文明が完全に崩壊した死の世界であった。街のいたるところに蠢くゾンビの群れ、無法地帯を支配する631部隊と名乗る私設軍隊。瓦礫の町でジョンソクは、幼い姉妹を連れた母親ミンジョンに出会う。彼女たちはかつて、ジョンソクに助けを拒否されて、瓦礫の街で生き延びてきた家族だった。
トラックに積み込まれていた2000万ドルの札束をめぐり、631部隊の無法者ファン軍曹たちも動き出す。そこら中から湧き出て来るゾンビたちの群れ、明日への希望を賭けた決死の脱出劇が始まるのだった。
ジョンソクたちは、感染地域に足を踏み入れて2000万ドルの大金を得るか、香港で惨めな暮らしのまま生き長らえるか、金も命も得られず犬死にするか…。彼らの運命もジョンソクの身体にかかっているのだ。
昨年から、全世界で新型コロナウイルスが流行している今、もはや架空の話と割り切って見ることはできないですね。 しかしだ、どんな危険地帯にも生存者がいて、感染者も非感染者も本当に逞しく生き抜いている。中でも 鬱屈とした気分を吹き飛ばす、カン・ドンウォンのカッコ良さは絶品ですからね。
631部隊の無法者ファン軍曹のトップには、ソ大尉という自分の目的のためならば、手段を選ばない野心家であり、ジョンソクたちの前に立ちはだかるのだ。
前作の「新感染ファイナル・エクスプレス」の続編だけあってか、韓国全土にゾンビが溢れるアポロカリプス・ワールド、終末の土地と化していた。感染を恐れる国々から見捨てられた陸の孤島、」今回はそこに乗り込む人間たち。それに、荒れ果てた世界を支配しようとする民兵たち。そして押し寄せるゾンビの群れの三つ巴のバトル・アクション合戦が描かれる。
演出はもちろん「新感染ファイナル・エクスプレス」の新鋭ヨン・サンホ。主演は「義兄弟 SECRET REUNION」のカン・ドンウォン。果たして世界の終わりは乗り越えられるのか?・・・答えは「新感染半島 ファイナル・ステージ」の中にある。是非ご覧あれ。
ジョンソクが出会ったミンジョン一家は、死の世界を生き延びてきたサバイバル・ファミリー。助けを求めるだけだった母親も、今ではマシンガンを構える女兵士。娘のジュニは天才ドライバーだし、映画の終盤では大金を乗せたトラックとジュニが運転するカスタムカー、ファン軍曹らの改造車が凄まじいカーチェイスを繰り広げるのだ。
そこへゾンビの大群も押し寄せて来て、これは肉弾相打つ韓国版の「マッドマックス 怒りのデス・ロード」になっていた。爆走列車の次はカーチェイス。港へ向かうラスト近くで、母親ミンジョンが、トラックの運転席で一人ゾンビたちを呼び寄せて、ジョンソクと娘たちを逃がしてやりたいと頑張る姿に感動しますから。
631部隊の巨大な要塞が作られた「ウォーキング・デッド」シリーズに負けないスケール感と、途中で「マッドマックス」みたいと思わずドキリとくるシーンもある。それと「ワイルドスピード」並みの見事なドライビングテクニックで、ゾンビたちを次々となぎ倒していく様は、これは爽快でスカッとします。
2021年劇場公開、鑑賞作品・・・1 アクション・アドベンチャーランキング