シェークスピア最後の悲劇『コリオレイナス』、の舞台を現代に置き換えて映画化したアクション大作。ローマの独裁者と敵国のリーダーによる宿命の戦いを描く。監督・主演は、「愛を読むひと」のレイフ・ファインズ。共演は、「300」のジェラルド・バトラー、「ジュリエットからの手紙」のヴァネッサ・レッドグレイヴ。
あらすじ:国民を愛する小国のリーダー・オーフィディアス(ジェラルド・バトラー)はローマ侵略を狙い、幾度となく戦いを繰り返すが、ローマの独裁者コリオレイナス(レイフ・ファインズ)を打ち負かせずにいた。コリオレイナスは数々の武勲により着実に権力をつけていくが、彼の独裁性に危機を感じた政治家の策略により、暴徒と化した国民に飲み込まれていく。
コリオレイナスの味方は、政治的野心溢れる母ヴォルムニア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)、彼の無事を祈る美しい妻ヴァージリア(ジェシカ・チャステイン)、政治家の師と仰ぐメニーニアス(ブライアン・コックス)しかいなくなり、ついに国を追放される。
ローマに絶望したコリオレイナスは、1人で宿敵オーフィディアスのもとを訪れる。2人は、お互いを殺すことを望んでいた。はたしてコリオレイナスの目的とは? そして、この戦いを終えて彼らは何を手にするのか?(作品資料より)
<感想>シェイクスピア劇を大胆にアレンジ。傲慢な将軍の流転の人生を描いている。英国人俳優のレイフ・ファインズが、シェイクスピア最後の悲劇「コリオレイナス」を現代の架空の国家ローマに舞台を置き換えて映画化した監督デビュー作である。
ファインズが11年前に舞台でコリオレイナス役を演じて以来、長年熱望していた映画化を実現させた本作は、初監督らしからぬ才気が爆発しており、戦闘シーンや民衆の暴動シーンを、手持ちカメラで捉えたドキュメンタリー・タッチの演出と、原作のセリフをそのまま流用した会話劇を融合させ、伝統のシェイクスピア劇をより身近なものにしている。
まさに「第二次大戦後の近代都市のよう」と言うベオグラードでロケをし、ロケ地であるセリビア共和国の対テロ特殊部隊SAJの全面サポートを得た戦闘シーンは抜群の臨場感がある。兵士役をSAJ隊員たちが演じて、劇中での戦車や兵器全てに本物を使用され、ファインズ自身もSAJの訓練に参加するという頑張りよう。
シェイクスピアの言葉は、現代でも通用すると確信しているファインズは、舞台を現代に移した本作でも原作の台詞を使用して、戦争や政治的衝突などは、普遍的なテーマなので、古典の台詞でもしっくりと馴染むだろうと思ったらしい。
さすがにシェイクスピア劇の映画化とあって、オーフィディアスにはジェラルド・バトラーや、メニーニアスにはブライアン・コックスと、英国を代表する俳優陣が勢ぞろい。
家族を残してローマを出たコリオレイナスは、放浪の果てに宿敵オーフィディアスのもとへ。祖国への復讐心を訴えてオーフィディアスの部下として受け入れられた彼は、ヴォルサイ軍を率いてローマへの侵攻を開始する。
ファインズの母親ヴォルムニアにはヴァネッサ・レッドグレイヴという、母親が政治に無関心だった息子のファインズを、執政官選挙に立候補させる時と、ローマに攻め入った時、息子に侵攻をやめるよう懇願する台詞の言い回しは、まさに古典のシェイクスピア劇そのもの。それに応えるべくコリオレイナス演じるファインズも、さすがの台詞使いが上手いのには感心した。
民衆の心をつかんだような民主主義の危さは、現代にも通じるものがあり、力あるものの人気も一時的でしかない事とか、何だか今の日本の政治を見ているようなそんな感じがした。まさに英雄から追放、そして逆襲へと、ある将軍の栄枯盛衰を描いている。
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コリオレイナスの味方は、政治的野心溢れる母ヴォルムニア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)、彼の無事を祈る美しい妻ヴァージリア(ジェシカ・チャステイン)、政治家の師と仰ぐメニーニアス(ブライアン・コックス)しかいなくなり、ついに国を追放される。
ローマに絶望したコリオレイナスは、1人で宿敵オーフィディアスのもとを訪れる。2人は、お互いを殺すことを望んでいた。はたしてコリオレイナスの目的とは? そして、この戦いを終えて彼らは何を手にするのか?(作品資料より)
<感想>シェイクスピア劇を大胆にアレンジ。傲慢な将軍の流転の人生を描いている。英国人俳優のレイフ・ファインズが、シェイクスピア最後の悲劇「コリオレイナス」を現代の架空の国家ローマに舞台を置き換えて映画化した監督デビュー作である。
ファインズが11年前に舞台でコリオレイナス役を演じて以来、長年熱望していた映画化を実現させた本作は、初監督らしからぬ才気が爆発しており、戦闘シーンや民衆の暴動シーンを、手持ちカメラで捉えたドキュメンタリー・タッチの演出と、原作のセリフをそのまま流用した会話劇を融合させ、伝統のシェイクスピア劇をより身近なものにしている。
まさに「第二次大戦後の近代都市のよう」と言うベオグラードでロケをし、ロケ地であるセリビア共和国の対テロ特殊部隊SAJの全面サポートを得た戦闘シーンは抜群の臨場感がある。兵士役をSAJ隊員たちが演じて、劇中での戦車や兵器全てに本物を使用され、ファインズ自身もSAJの訓練に参加するという頑張りよう。
シェイクスピアの言葉は、現代でも通用すると確信しているファインズは、舞台を現代に移した本作でも原作の台詞を使用して、戦争や政治的衝突などは、普遍的なテーマなので、古典の台詞でもしっくりと馴染むだろうと思ったらしい。
さすがにシェイクスピア劇の映画化とあって、オーフィディアスにはジェラルド・バトラーや、メニーニアスにはブライアン・コックスと、英国を代表する俳優陣が勢ぞろい。
家族を残してローマを出たコリオレイナスは、放浪の果てに宿敵オーフィディアスのもとへ。祖国への復讐心を訴えてオーフィディアスの部下として受け入れられた彼は、ヴォルサイ軍を率いてローマへの侵攻を開始する。
ファインズの母親ヴォルムニアにはヴァネッサ・レッドグレイヴという、母親が政治に無関心だった息子のファインズを、執政官選挙に立候補させる時と、ローマに攻め入った時、息子に侵攻をやめるよう懇願する台詞の言い回しは、まさに古典のシェイクスピア劇そのもの。それに応えるべくコリオレイナス演じるファインズも、さすがの台詞使いが上手いのには感心した。
民衆の心をつかんだような民主主義の危さは、現代にも通じるものがあり、力あるものの人気も一時的でしかない事とか、何だか今の日本の政治を見ているようなそんな感じがした。まさに英雄から追放、そして逆襲へと、ある将軍の栄枯盛衰を描いている。
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