パピとママ映画のblog

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ガルム・ウォーズ ★★★★

2016年05月21日 | アクション映画ーカ行
『攻殻機動隊』『THE NEXT GENERATION パトレイバー』シリーズなどの鬼才・押井守が、構想15年にも及ぶ企画を自らの手で実写化したSF。部族間の抗争が続いている星を舞台に、それぞれの部族の男女3人が奇妙な絆を育みながら繰り広げる旅と戦いを活写する。スタジオジブリの鈴木敏夫がプロデューサーとして参加、メラニー・サンピエール、ランス・ヘンリクセン、ケヴィン・デュランドらが出演、日本語版の声を朴路美、壤晴彦、星野貴紀が務める。壮大なストーリーや、実写とアニメーションが融合した圧倒的ビジュアルも見どころ。

あらすじ:天空から飛来する謎の存在「セル」のために、滅亡の淵に立たされた惑星アンヌーンの住民「ガルム」たち。“ガルム”と呼ばれるクローン戦士が生息し、果てしない争いが続く星、アンヌン。かつて8つあった部族は、激しい戦いの末に今では3部族だけとなっていた。
数世代にわたる戦いの中で、マスクを被り、身体を機械化し、記憶はデータによって受け継ぎ、戦闘に特化した種へと変貌していた。情報呪術部族の士官ウィドは、「ドルイド」の末裔ナシャンとともに、「セル」の謎を探る旅に出るのだが……。

空の部族“コルンバ”の女性飛行士カラは、戦闘中にテクノロジーの部族“クムタク”の老人ウィドと陸の部族“ブリガ”の兵士スケリグと出会う。やがて彼らの間に奇妙な連帯感が芽生え、自分たちガルムのルーツを探るべく、3人は犬・グラとともに、この星の聖地を目指して海の向こうのはるか彼方にある伝説の聖なる森、「ドゥアル・グルンド」を目指す旅に出る。

<感想>冒頭から息をのむような美しく幻想的で、独創的な独特の雰囲気に驚かされる。それゆえに好みが分かれる部分はあるかもしれないが、映像美と壮大な世界観にハマれれば、押井ファンならずとも文句なく楽しめると思います。
始めに「ガルム」をはじめ「コルンバ」「ブリガ」「クムタク」「ドルイド」など、それに主人公のカラに扮したメラニー・サンピエールはいいとして、男たちの名前も分かりずらいのが難点。カタカナ文字のオンパレードで、前半は部族間の戦闘が描かれておりCGの描写が半端なくて、美しさに度肝をぬかれる。

カラの空母の中にあるクローンの睡眠部屋、カラと同じ女性が床下から出てくるのは美しい。これは、「バイオハザード」のアリスと同じような設定なのかも。その他では、ジブリの宮崎駿作品と被っているようなシーンもあるし、『アバター』の後でって、どういうことなんだろうって。ただし、キャラクターの造形や登場人物の衣装も押井監督が「今までとはケタ違いにお金がかかった」というだけあって、作品の世界観を邪魔することなく違和感のない仕上がりではあります。

オール北米ロケを敢行して完成させたSFファンタジーであり、日本人は監督の押井を含む7人のスタッフのみで、キャストには「エイリアン」シリーズのビショップ役で知られるランス・ヘンリクセンがウィド役で、

兵士スケリグにはケヴィン・デュランドが扮しており、彼の記憶にあるのはレギオンでガブリエルを演じた俳優だということ。他にも外国人俳優が起用されている。
後半で敵同士だった彼らの間に奇妙な連帯感が生じ、カラとスケリグは次第に引かれ合うようになるシーンが。しかし、2人は身体を機械化し、記憶はデータによって受け継ぎ、クローンであり人間ではないのだ。彼らは大砲を搭載した高速移動戦車で「ドゥアル・グルンド」の森へと移動する。

創造主はなぜこの星を去ったのか?老人ウィドが問う、「我々ガルムとは一体何者なのか?戦いの果てに我々には一体なにがあるというのか?」兵士として生まれてから戦うことしか教えられてこなかったカラに、スケリグもそんなことは今まで考えたこともなかったのだ。

「ドゥアル・グルンド」の森の中には、巨人兵が2人を見つけると、おもむろに巨大な斧を振り下ろし襲いかかってきた。カラと兵士スケリグの2人で撃退するも、スケリグが巨人にやられてしまう。カラは巨人兵の背中に動力エネルギーを供給している”パイプ”を見つける。彼女が巨人兵1体のパイプを切断すると巨人兵は動きを止める。
これが奴らの弱点だったのだが、それからも、もの凄い数の巨人兵が地下から這い上がって襲ってくるのだ。

老人ウィドが連れているナシャンは、大きなフードをかぶり顔は見えないのだが、銀色のフードの後ろからは美しいブロンドの髪が見えていた。
そのナシャンが「ドゥアル・グルンド」の聖なる森の中へ入ると、大きな樹の聖地の”泉”の前で、ウィドの身体を乗っ取り、ナシャンの本性「マラーク」となり、黒々とした大蛇となって大木に巻き付きカラを襲ってくる。

カラが「マラーク」に質問するが、それは「ガルムの存在に意味などないこと。ガルムには子孫を残す価値すらないこと。彼らの戦争は終わらないこと。本当の戦争はこれからであること。」カラが老人ウィドの身体を乗っ取った「マラーク」に向けて銃を発射する。

時は流れ、いがみ合っていた「コルンバ」と「ブリガ」、「クムタク」は互いに手を取り合い大きな戦いに備えていた。対する勢力は巨人兵の超大軍団であり、これから種の存亡をかけガルムと巨人兵たちとの最終決戦が開始されるのだった。

で、終りなんですが、まだ続篇があると思われます。全編を通して嫌いじゃない映像美に惹かれ、ですがもう少し情感もあっていいのではと。それに、「ドゥアル・グルンド」の森の中にあのバセット犬のグラが取り残されていたのですから。
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