パピとママ映画のblog

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ボクは坊さん。★★★

2015年11月03日 | アクション映画ーハ行
ひょんなことから24歳でいきなり住職となった新米僧侶の奮闘の日々を綴った白川密成の同名人気エッセイを「チーム・バチスタ」シリーズ、「映画 ビリギャル」の伊藤淳史主演で映画化。共演は山本美月、溝端淳平、イッセー尾形。監督は本作が長編映画デビューの真壁幸紀。

<感想>どの仕事でも資格というものが必要なのだとつくづく感じました。この主人公の進は、祖父が永福寺という寺の住職をしており、父親は寺を継ぐような気配が感じられない。だからというわけではないが、孫の進に高野山の大学で僧侶の勉強をさせて資格を取らせ、永福寺の後継ぎ住職になることが決まっているようになっていたようだ。

しかし、光円はお寺を継ぐことにまだ模索しているようで、地元の本屋で働いている。高野山大学の友人の濱田岳たちと居酒屋で酒を飲み、同級生の京子にほのかな恋心を抱いてはいるが、まだ打ち明けてはいない。

そんなことしている内に、爺ちゃんが亡くなってしまい急遽、永福寺の後継ぎになることを強いられてしまう。役所で名前を光円と改名して、爺ちゃんの葬儀を執り行う進は、立派な僧侶に見えたのだが。
まだまだ、煩悩というか、普通の人間として生きたいという望みを捨てていないようだ。そんな時に、幼馴染の京子ちゃんがトラックの運転手と結婚するというのだ。それで、結婚式を永福寺で挙げたいという。
「おめでとう」と心から祝の言葉をかけてやりたい想いと、好きだったので複雑な心境で、結婚式を執り行う光円。もう、だいぶ住職としてさまになって来ていて、結婚式では美しい白無垢の花嫁姿の京子ちゃんを、本当に祝ってあげているように見えました。山本美月の花嫁姿にうっとりしますから。

寺の檀家の長老としてイッセー尾形が、祖父の住職を尊敬しており、後を継いだ光円のことが気になって仕方がない。あれこれと、口を挟んでは、小言をいい、玄関に白熊の置物や、四角い建物を寺の敷地に建てて、何にしようするのか後先を考えないでやってしまうのだ。
それが後で、子供たちを集めての児童館みたいなことに使うとは、これはいい考えだと褒めてあげたい。光円の母親には、松田美由紀が演じていて、普通だったら一人息子に厳しく坊さんの修業をするように言うはずなのに、この母親はガミガミとスパルタ母親ではなく優しい母親であり、父親も、祖母も、家族揃って、光円を温かく見守っているのだ。

お寺の坊さんたちで、「南無スターズ」という野球チームがあり、選手が足りないので参加することに。

そして、幼馴染の京子ちゃんが妊娠をしてお腹が大きく膨らみ、暇があるとお寺の縁側で光円とお喋りをして、お腹の子供が元気で蹴っていると触らせたりして、幸せそうな京子ちゃんに目を細める。
それが、京子ちゃんは出産の時に、脳内出血で昏睡状態になり、植物人間状態になる。赤ん坊は元気で男の子なら「和也」と名付けると決めていた京子ちゃん。だが、京子の夫は、母親の意識が戻らず植物人間なら、子供は引き取らずに京子と離婚すると言うのだ。
病院でも、いつまでも元気な赤ん坊を預かってはくれず、酒飲みの京子の父親も赤ん坊を育てることは出来ない。それで、光円が、京子の赤ん坊を永福寺に連れて来て、母親に頭を下げて育ててくれとお願いするのだ。
大好きだった京子ちゃんの子供を引き取って育てることも、光円が住職として大人になって成長した証だ。病院の京子ちゃんの所へも赤ん坊を連れて行き、声を掛けて大きくなった赤ん坊を見せてやる。看護婦が、植物人間状態でもお乳が張って母乳が出るというのだ。生きているのだ、いつの日か京子ちゃんは目を覚まして、光円が赤ん坊を育てていることに感謝するに違いない。

長老のイッセー尾形が亡くなり、枕経を唱えに光円が行かなくてはならないのに、肝心の息子がストレスにより過呼吸になり、ふて寝している。仕方なく近所のお寺に代行を頼む母親。こういう時こそ、母親たるもの息子に言い聞かせて、大事な檀家の長老の葬式を執り行わなければときつく叱咤するものなのに、何も言わずにおろおろして、近所のお寺さんに代行を頼んでしまうのだ。
しかし、光円も布団の中で長老の口癖が頭を過ぎり、やっぱり枕経に急いでしたくをしていく姿に、遅いけれども成長して立派な住職になっていくことを願うばかりだ。

友人の濱田岳と居酒屋の娘“ほのか“ちゃんが結婚することになるとは、こりゃ目出度いなぁ。光円は、京子ちゃんが目覚めたらプロポーズして、和也の父親になるのだろうと、想像してしまった。光円の母親は、すっかり和也のお婆ちゃんになってしまい、和也が立ったと嬉しい悲鳴をあげている。永福寺の後継ぎも心配ないし、最後は温かな気持ちになりました。
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