パピとママ映画のblog

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ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝★★★.5

2013年03月06日 | アクション映画ータ行
「王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズのツイ・ハーク監督が「エクスペンダブルズ」「HERO」のジェット・リーを迎えて挑む、武侠映画初の3D作品。砂漠の下に眠る幻の財宝をめぐる豪傑たちの戦いと大冒険を、めくるめくスペクタクルで描くアクション・エンターテインメント。

中国四大女優の一人と謳われる「酔拳 レジェンド・オブ・カンフー」のジョウ・シュン、「さらば復讐の狼たちよ」のチェン・クン、「キル・ビルVol.2」のリュー・チャーフィーらが出演。また、「ブレイキング・ニュース」のユエン・ブンがアクション監督を、「アバター」のチャック・コミスキーが3D監修を務めている。
あらすじ:明朝の中国。権力者による弾圧や不正が平然と行われていた。皇帝の子を身ごもった官女スー(メイヴィス・ファン)は諜報機関・西廠の督主である宦官ユー(チェン・クン)に命を狙われており、都から抜け出し危機に瀕したところを美しい女侠客リン(ジョウ・シュン)に助けられる。片や、義士ジャオ(ジェット・リー)は世を正すため打倒ユーを掲げている。船上でユーとジャオは一戦を交えるもユーたちの猛攻を受け、勝負は持ち越しとなる。
不気味な暗雲が広がる辺境の砂漠にたどり着いたリンとスーは、龍門という宿屋に寄る。そこでは、60年に一度起こる砂嵐が迫り、その嵐により300年前に砂漠に飲み込まれた財宝都市が再び姿を現すのではないかとの噂が飛び交っていた。宿屋では、秘宝を虎視眈々と狙う王女チャン(グイ・ルンメイ)率いる遊牧部族の盗賊団が幅を利かせていた。そこにユーが派遣した西廠の先遣隊がやってくる。凄腕の女剣客グー(リー・ユーチュン)と情報屋フォン(チェン・クン/2役)が盗賊団に合流。西廠の先遣隊と盗賊団のにらみ合いが始まり、リンとスーは身を隠す。

その夜、二人が地下空間に身を潜めているところを盗賊団が見つけ、リンとグーが激しく衝突する。そこへ、ジャオが現れる。かつて龍門の女主人だったリンはあることからジャオへ恋心を抱き、宿屋に火を放ちジャオを捜す旅に出ていたのだった。圧倒的な力を持つユーの一味に対抗するために、盗賊団に加担することにするジャオ。翌日、ユーが本隊を率いて宿屋に到着。ユーとフォンが瓜二つなのを利用して、ジャオはユー陣営を混乱に陥れる。その隙にジャオは盗賊団を統率して一斉攻撃を仕掛ける。熾烈な戦いが繰り広げられ、ユーとジャオが直接対決しようとしたそのとき、砂漠に巨大な竜巻が発生する。暴風が吹き荒れる中、二人は死闘を繰り広げる……。 (作品資料より)

<感想>3D業界にもだいぶ遅れてヒーローがやってきた。彼の名はツイ・ハーク監督。3D映画って一部(アバター)を除いて必然性が薄いと思う。それで最近は2Dでを選んで鑑賞していたのだが、ツイ・ハークのように画面を過剰に盛る監督とは相性がいいようだ。VFXとワイヤーアクションの技術力とはいえ、なんという人間たちの華麗な動きである。空を走り、宙を舞い、羽のように飛ぶさまは何という美しさなんだろう。こんなに素晴らしい立体画を観たのは初めて。どうやって撮っているんだ。3D嫌いな私には、これは絶対に3Dで観るべきだろう。っていうか3Dしか上映してなかったのだ。

主演はジェット・リー、このタッグ、ツイ・ハーク制作でサモ・ハン監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」から計算すると実に14年ぶりなんですね。冒頭の空撮で船の帆の隙間など、何度もこれ見よがしに立体をアピールするところからして笑ってしまうのだが。満艦飾の画面で喜々として槍や刀を飛びださせている。
それでいてCGに依存して不要に世界観を広げることなく「ドラゴン・イン」の後日譚という設定で、砂漠の宿を主舞台にじっくりと物語を展開させ、クライマックスの砂嵐に竜巻の一大CG場面との、奥行よりも飛び出しにこだわった3D映像、後半の「ハムナプトラ」的展開へと突入といったサービス精神は褒めたい。

ところが物語の方が、映像処理の巧みさに比べ、語り口が下手で人物がゴチャゴチャと整理されていなくて分かりにくかった。宿での虚実な駆け引きに緊迫感が足りなくちょっと残念。皇帝の子を身ごもった官女スーを守ったのに、実は腹ボテじゃなかったとか、西廠の督主と情報屋フォンの2役をしたチェン・クンの演技も下手なのが残念に思った。

冒頭の対リュー・チャーフィー戦が「ワンチャイ」風味で燃えただけにそのトーンのままで見せ場を繰り出して欲しかったですね。このシーンのバトルは、飛び出す丸太、飛び出す弓矢、飛び出す剣に、飛び出すリーという、しかし一番飛び出しているのは、ツイ・ハークの気合かもしれません。とにかくシャレにならないほど飛び出しっぱなしの2時間超押し通す強引さに関しては右に出る者なし!
ストーリーの元となったキン・フーの「残酷ドラゴン・血斗!竜門の宿」は見てないので、DVDレンタルできたら見たいと思う。まぁ、たとえ見てなくとも何の問題もありません。
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