パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

わたしに会うまでの1600キロ ★★

2015年10月26日 | アクション映画ーワ行
『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』などのリース・ウィザースプーンが、1,600キロの距離を3か月かけて1人で歩き通した女性を演じたヒューマンドラマ。第二の人生を歩むために、自然歩道のパシフィック・クレイスト・トレイルに挑んだ実在の女性、シェリル・ストレイドのベストセラーを基に、『ダラス・バイヤーズクラブ』などのジャン=マルク・ヴァレが映画化。『ランブリング・ローズ』などのローラ・ダーンが共演する。美しく壮大な情景、過酷な旅と共につづられるヒロインの人生を体現したリースの演技に圧倒される。
あらすじ:砂漠と山道を徒歩で旅することにしたシェリル(リース・ウィザースプーン)。旅をスタートさせる少し前、シェリルは母の死を受け入れられず、薬と男に溺れる日々を送り、結婚生活は崩壊してしまう。シェリルは人生について思い直し、自分自身を取り戻そうと決意。こうして彼女は旅に出たが、寒さが厳しい雪山や極度の暑さが体力を奪っていく砂漠が彼女を苦しめ……。

<感想>この映画を観て、エミール・ハーシュが演じた「イントゥ・ザ・ワイルド」人生に不満を抱えていた青年がアメリカを横断。その果てにたどり着いたアラスカの荒野で死ぬまでの心の軌跡を描いた映画。を思い出してしまった。

ですが、この作品の主人公も自分探しというか、シングルマザーであった母親が死に、それに絶望したというか、結婚生活も自分がコカインや浮気で、夫に離婚を迫られるわけ。自暴自棄になったのだろうか、死に場所を求めて旅にでたのだろうか。そんなふうに見えてもおかしくないのだ。だから、彼女に感情移入して、よくやったとか、偉かったとか、褒める要素は全然見つからない。

しかし、彼女が軽く考えていたほど旅は楽ではなかった。何でもそうだが、こういう破天荒な人生を歩んで生きた人には、確かに一度はどん底へ落ちるほどの刺激が必要かもしれない。
メキシコ国境からアメリカ経由、カナダ国境までアメリカ西海岸を「パシフィッククレストトレイル」南北に徒歩で縦走するハイキングがあるという。結構な人たちが、グループで、男だったら一人旅でと過酷な旅にチャレンジするのである。どのように歩くのか、地図もあり、地点ごとに休みどころがあり、食料や水を補給して、その店へ自分の名前で品物が届くようにすることも出来るのだ。

それなのに、この主人公ときたら、もの凄い重量の荷物を背負い歩くのだ。もう、いくらも歩かないうちに悲鳴をあげてしまう。そりゃ、今まで大学生で、その後は結婚生活で、日ごろジョギングや山登りなどはしていない。だから、身体が華奢な上に、重い荷物を背負って、慣れないきついキャラバンシューズを履き、途中で靴擦れや生爪を剥して痛々しいシーンもある。
そんな映像に断片的にフラッシュバックで、過去の母親との生活や、夫との結婚生活を映し出して行く。原作では26歳で1600キロの道のりを踏破した主人公を、映画ではアラフォーのリース・ウィザースプーンが演じているのが、今的である。

その道中を通して、彼女の生い立ちや母親との関係をつまびらかにする構成になっていて、そこが見どころとも言えるようだが。つまりはこの過去が、この旅の現在形を支えているようにも取れる。地形や環境の変化も、肉体的な苦痛や精神的な旅の舞台として、気楽なハイキングコースではないので申し分ないですね。

今回は旅の途中で、出会う人物が、善悪ふくめて多彩で、持っていた水が無くなり、途中の水タンクに立ち寄り蛇口を出しても何も出てこない。タンクの水が空になったことで起こる危機が、説明的に感じるのはそういった理由もあるからなのだ。
砂漠の真ん中で、男2人の若者に声を掛けられて、夜になったらこの男たちが襲ってくる恐怖に襲われるサスペンスもあり、砂漠なのでガラガラ蛇が出てきたり、テントの中に虫が入ってきたりと、その間に過去の物語がフラッシュバックで映し出される。

しかし、この主人公の生きざまというか、旅先でどうってことなく男と寝てしまうのが嫌だ。自分をもっと大事にして、まだ若いし、いくらでもやり直せるし、寂しくなると元カレに電話をして甘えて愚痴を聞いてもらい、食糧などを頼んでしまう。

それでも、この主人公はヒッチハイクをしながらカナダを目指して、徒歩で制覇するのだが、ヒッチハイクでも変なエロオヤジに出会うこともなく乗せてもらい、途中で挫折しようと思ったり、男に襲われたり、金品を盗まれたりとかがなかったので不幸中の幸いかも。
さて、試練を経てその後の彼女の生活こそが見たいのに、体験記がベストセラーとなり、貧困からは解放されているようで安心しました。
2015年劇場鑑賞作品・・・218映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング