夢見の話
私は中学生に戻っていて、
教室で“人ならざる者”と
ある契約をしていた。
学校を出て彼の友人宅へ。
私が突然来て彼はとても驚いていた。
私は「今日のお祭り行くから!」
と言った。
家に向かって走る途中に転倒。
倒れたまま景色がおかしいことに
やっと気がついた。
空は白く、街路樹のプラタナスの葉は
色がなく葉脈が血管のように見えた。
“人ならざる者”との契約は
彼の運命を変える代わりに
彼の好きな緑色と私の好きな青色が
見えなくなる事でした。
***
明日は中学生の時に交際していた
男の子の命日。
緑色が好きだといっていた。
40年前の夏、平塚の七夕祭りに
行こうと約束。
その約束をした日が最後に会った日に
なってしまった。
そんな昔の記憶がよみがえり、
眠った夜の夢でした。
友人の紹介で交際が始まった。
他校生だからあまり会えなくて、
毎晩電話で話した。
でも会うと上手く喋れなかった。
手もつなげない昭和の中学生二人。
それでも会うのは楽しみで、
やっと付き合ってる感が増してきた頃、
私は引越で環境が変わってしまう。
色々大変な時で、約束した七夕祭りは
体調不良で行けなかった。
そしてどうでもいいような事で
ケンカをした。
悪いのは私。一方的に妄想と誤解で
もう気持ちがどうにもならなかった。
自分からもう会わないと話した。
彼は分かったと返事した。
そんな別れからすぐ夏休みになり、
二学期が始まり9月の終わり頃、
彼から電話があった。
元気?と。うん元気と答えた。
何か話し始めた時、私が遮った。
これから出かけるからと嘘をついた。
電話を切ってから家を飛び出して、
近くの畑で泣きました。
どうしてそんな嘘をついたのか。
忘れようとしたのに電話かけてきて!って
泣いていた。
それが声を聞いた最後の日でした。
あの時の電話の話を
最後まで聞いていれば、
こんな事にならなかったのでは?と、
お通夜の日にお顔を見せてもらって
自分を責めました。
自分のせいだとずっと思ってる。
夢の続きがみたかった。
二人は仲直りできたのか。
放課後約束したお祭りは七夕だったのか。
明日は親族の方が来てくれるだろうから、
私は来週末に行こうと思う。