ひとりごと

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最近内容が「ひとりごと」から外れてる時多いです〜

「ひだまりが聴こえる」

2014-11-05 10:14:13 | 難聴

文乃ゆき 「ひだまりが聴こえる」

 

 

みどり色が眩しいとっても素敵なカバーの一冊です。

難聴の男の子と健聴の男の子 共に大学生

・・・の2人を描いたお話。

漫画です。

 

  ー ー ー ー ー ー ー

―――あいつ、耳聴こえねーの?

難聴せいで何かと誤解を受け
周囲とうまく馴染めない大学生の航平は、
いつしか人と距離を置くようになっていた。
そんな時に出会った同級生の太一。
バカみたいに明るい性格で
思ったことを何でも口にする彼から
「聴こえないのはお前のせいじゃないだろ!」
と言われ、航平はその言葉に心底救われて……。

友達以上、恋人未満。
太一との出会いが航平を変えていく。

  ー ー ー ー ー ー

 

BLコミックとの事で

BLっていうのはなに?って

それすら知らなかったんだけど

どうも「ボーイズラブ」の略らしくって

いったいどんな内容か、興味津々。

よくわからないまま読んでみたのですが

中途難聴者のあれこれを丁寧に描いてあって

とても素敵なお話でした。

 

ちょうど前記事でお話した「レインツリーの国」の

「男の子&男の子」友情版って言うのかな?

 

中3の冬に突発性難聴になりもう回復は無理と言われてしまった航平。

補聴器をしながら大学に通っています。

 

お昼は他の学生を避けて一人で食べているんですが

なぜ一人になりたかったのか、聴こえないがためにどんなふうに心が傷ついてしまったのか

相手に悪気がなくても起こりがちなエピソードを

とてもわかりやすい細やかな描写で表現しています。

 

健聴の太一と出会ってからは

次第に航平の心が解けていくのですが

その過程がとても自然で、

難聴になって間もないころの自分と重なる部分があって共感するところが多いです。

 

たとえば、友達が楽しそうに話してて

「なんて言った?」と聞くと

「めんどくせーな、いーよ大した話じゃないから」

 

後ろから何か言われた気がして尋ねると

「たいした内容じゃねーからっ 気にすんな」

なんて言われたりします。

まあ、確かに大した内容じゃないのかもしれないけど

これって難聴者にとっては何気に寂しい言葉ですよね。

聴こえる人と自分との壁がどんどん分厚くなっていっちゃうんです。

 

大学の手話サークルから入会を勧められて避けてる航平。

勧誘の学生に手話で話しかけられるのを見た太一に

「同じ難聴でも聞こえの程度は人によって違うし

手話なんて知らないやつ大勢いるのに

当たり前みたいに使われて迷惑だよ。

あんなの俺には必要ない」

なんて言います。

 

私も薬局で聞き返してばかりいたら

いきなり手話を使って話しかけられたときは

すごく悲しくてパニックになりそうだったことがあります。

まだまだ難聴を受け入れられてない時ですね。

言葉も聞き取れないのに、手話?それ以上にわからないよ!って。

耳が悪かったら手話って、そういう風に勝手に決めないでよ、って。

あの時の落ち込みを思い出したシーンでした。

 

で、そんな中出会った航平は

後ろからだと呼ばれても聞こえにくいと言えば

「あ、そなの? わり~ じゃ今度から正面行って呼ぶわ」

と、さらりと言って実行してくれる。

 

そして声の相性が合い、声も大きくてとても聞き取りやすい。

有難い友達ですよね。

 

大した事件も問題もなく

普通の日常が描かれたこの本だけど

聴覚障害者のドラマ等で

”え?相手が横向きにしゃべってるのに聞き取れてるの?”

”居酒屋で注文聞いて読話で完璧に仕事しちゃってる?”

なんていう違和感を全く感じない

難聴者の自然な日常を描いたお話。

 

皆さんも機会があればご一読を。

 

 

 

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17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
BLは手に取ったことがないですが。 (みーしゃ)
2014-11-05 16:08:59
こんにちは。ぷーどるさん。

面白そうな話ですね。

じゃあ、正面向かって呼ぶわ。
なんて、いいヤツなんでしょう。

うちの子もさらっとそんなこと言えるヤツになって欲しい。

BLコミックは手に取ったことがないのですが、損してたかもですね~。

今は聲の形を息子と読んでいるのですが、この本も読むように勧めてみよう。


声が無理ならとりあえずは書く。って流れて欲しいですね…。

手話が使えるなら、手話がいい?と確認してくれるとか。

先日、会社検診で、採血の看護婦さんがめちゃくちゃ早口の人で、
わからないからもう一度お願いします。と補聴器わかるように示したんですね。
一瞬看護婦さん、しまった!と思って?ごめんなさいと一息つきはったんだけど、
再度の説明がまた早口で。
西さんなら怒るなぁ。と思いながら、
苦笑してたら、
はっ…と気がつき、
ごめんなさい、ごめんなさい。
とすごく焦ってはって。

焦ると早口になるわなぁと吹き出すしかなかったです。

ま、いつもの検診なので、まぁいいや~と終わってしまいましたけど。

こんなふうに若者が普通に手に取る本(たぶん…)に書かれてたら、やはり嬉しいですね。

帰り、本屋さんに行こうと思いました。
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みーしゃさんへ (ぷーどる)
2014-11-05 20:18:27
こんばんは。

検診お疲れ様でした。
ホントに、西さんならなんて言ってたでしょうか(笑)


難聴というのは今までなかなか表に出ないし
高齢者のイメージのみが強いものでしたが

こうして若者のなかにも難聴者はいて
難聴だと こういう苦労があるんだ、ってこと

最近こうして漫画や本や映画等で情報を広めてもらえるのは嬉しい事ですね。


「聲の形」はどんな感じですか?
私は未読なのですが・・・
返信する
買いました〓 (みーしゃ)
2014-11-05 23:47:47
テーマ?のわりに重たくなくて読みやすかったです。
普通に読んで、あそうか、こんな感じなんか…。
と、みんなが一歩ずつフォローしあえるようになるといいですね。

BL度もかなり低く、普通に読めましたね。子供たちにも見せよう(笑)と思いました。

聲の形は主人公が難聴で手話使ってるんですが、高校生グループでわいわいするなかで、手話なしでも、一応スマイルの描写で、最近は(5巻)なんだかなあ~と思ってました。一応手話のできる子が2人いるけど、7、8人グループなんですよ。同時通訳してるとしたら凄い手話力です。主人公の妹は日常的に手話使って達者なのもわかるんですが、2人の友達は手話習い始めて3、4年で、普段は手話を使わないし、その主人公と話すようになったのも高校生になってからなんです。

主人公の笑顔はカモフラージュだろう。と思いながら読んでました。

6巻にきて、いきなり主人公の聞こえ具合が描写されました。会話の文字が半分消してあり、読みにくいページがあります。
半分というのは、
漢字だとしたら、漢ならサンズイだけで右半分は消して表記されている状態の会話ページが4ページあります。註釈なんてなしです。難聴の聞こえの描写としたら、わかりやすいのだけど読みにくくて…。
ほかに、
だだいまの意味で
たあぁいぃあぁ…と表記されています。おかえり今日は学校たのしかった?が
おかぁえいぃ
ちょおぉあぁがぁこぉたおちぃかぁあぁ?と表記。
ページ2ページの会話は全部そんな表記です。
すごく気持ちはわかるけど。読みにくい。私など上記以外の会話は判別不可能でした。もちろん註釈はいっさいありません。
だけど、こんな感じに過ごしている人がいることをわかってもらうにはいい方法かも…と思いました。

マンガの内容は長くなるので、今日は書きませんが。すみません~。

眠くなりましたので、休みます。
今日は娘のバイトがなく、帰宅を気にしなくていいので、楽です。
おやすみなさい~。

ひだまり…教えてくださってありがとうございます。
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みーしゃさんへ (ぷーどる)
2014-11-06 08:54:11
おはようございます。

昨夜はお仕事から帰ってお疲れの所
詳しく説明して下さってありがとうございます~~


聲の形って、なかなかすごい発想で書かれてるんですね。
文字を半分消してるって・・・
すっごい斬新  

でも、気持ちはわかるけど読みにくそう・・って、確かに・・

全体の内容として読んでないのでわからないですが
それらがどんな形に生かされてるのかな~って思いました。


ひだまり
早速に感想聞かせて頂いてありがとうございます~~

ホントに、BL度はすごく低いので、私も娘に回しました
まあ、うちの娘はもう大人なので、BL度高くても回すだろうけど・・(笑)

オーバーな描写もなく、自然な形で難聴というものをわかって貰えそうな本という事で
たくさんの人に読んでもらえたらと思ったのですが
早速読んでいただいて嬉しかったです~~。

みーしゃさん、ありがとうございました。
返信する
Unknown (コリ)
2014-11-07 12:16:39
良い本を紹介してくださってありがとうございます。

ぷーどるさん、みーしゃさんの書いてくださったので私なりに内容が想像できました。
BLの意味がわからないですけど。

この人は難聴がから配慮しなくちゃなんて
身構えられちゃうと、やっぱり重いし、
かといって全く配慮がないっていうのも
つらいです。

また「あるがまま」の話になっちゃうけど
「あるがままに」生活したいです。

今日の朝日新聞に
認知症の人の「徘徊」を「ひとり歩き」と
考えると、
「迷惑な存在ではなく、大事にしてもらっている
安心感がある。」とありました。

「たいしたことじゃないから。」って言われると、なんか
存在を無視されたようで悲しいです。


返信する
Unknown (ナオ)
2014-11-07 16:54:12
ぷーどるさん、皆さん、こんにちは。

BLの分野で、こういう話があるのですね。
私もBLは読んだことがないので
意外な気がしました。
いつか読んでみたいです。

昔病院で、耳が悪いということを伝えたら
待ってて下さいと言われ、手話ができる人を連れてこられた
ことがありますが、中途失聴者で手話ができる人って
少ないと思うんですよ。
私もそのクチだったので、困りました。
ひとこと手話のできる人を連れてきましょうか?と
確認してくれたら良かったのに

先日、タクシーに乗った時に
私は耳が悪いので・・・と言っておいたんです。
「次の角を左にお願いします」とか言ったら
「わかりました」の代わりに手を上げて下さるんですよ
その運転手さん。
これには結構感激したなー
返信する
コリさんへ (ぷーどる)
2014-11-07 20:22:54
こんばんは。

この本、なんとなく想像ついちゃいましたか?(笑)

BLの意味はボーイズラブの略で
男性同士の恋愛という事だと思います。

このお話は、最後に少しだけそんな要素が出てきますが
解説の通り、友達以上、恋人未満。という感じでしょうか。


聞き返して、「たいしたことじゃないから」って言われると
ホントに寂しいですね。
確かにちょっとした雑談、もう一回言ってと言われても
もう言えない・・っていうのは、自分でも理解できるだけに
なんとも寂しさだけが残る感じです。
だんだん聞き返すのもためらってしまうようになりますね。

あるがままに日常を送っても、聞こえで困る事のない社会になっていって欲しいですね。
返信する
ナオさんへ (ぷーどる)
2014-11-07 20:38:11
ナオさん、お帰りなさい!

ハワイはいかがでしたか~?
こっちに帰ってきて寒さで風邪ひかないように気を付けて下さいね。


タクシーの運転手さん、素敵です。
そういう気遣いって、とっても嬉しいですね。


手話通訳さん、わざわざ連れてきて下さって・・・
申し訳ないけど余計落ち込んでしまいそうです。

聞こえにくくなり始めた頃、まだ頑張って聞かなきゃ~って思ってた頃
ざわつく場所ではやっぱり聞き取りが大幅に落ち
心がざわざわ悲しい気持ちになってるときに
いきなり手話で話されると
「わからない」の上に「わからない」の上乗せで・・・
もうズドーーーーンと落ち込みます~。

あちらが親切でして下さってるのはすごくよくわかるだけに
なんとも心の持って行きどころがなく。

手話は出来ますか?と一言尋ねて頂けると
有難いかな、と思いますね。
返信する
Unknown (コリ)
2014-11-08 09:22:22
おはようございます。

すみません、BLの説明、本文にちゃんと載せて
くださっていたのに。GLというのもあるのかな?

ゲイだということを、なかなか言えなくて
ありのままに生きられなくて
苦しんでいる人もいるも多いそうです。

好きになるのは姓には関係ないんだけど
やっぱり誤解や偏見がありますね。

BLというととても自然に受け止められるような。
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Unknown (コリ)
2014-11-08 09:26:17
ごめんなさい。姓ではなく性です。
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