物に魂が宿るなんてそんな馬鹿な話があるものかと思われる方も多いでしょう。魂などと言う表現をするから誤解が生じるのかもしれません。ここで足立育朗氏の著書とその中に記された仮説をご紹介します。私はこの仮説がとても気にいっています。興味のある方は是非本を読んでみてください。
★「波動の法則」足立育朗 著 PHP研究所 ※最下段参照
足立氏は霊能者でも宗教家でもありません。早稲田大学の建築学科を卒業して建築家として活躍しておられる生粋の理系出身の方です。この本は精神世界の書物にありがちな抽象的な表現は一切取っておらず、終始科学的な表現で記されています。
私は子供の頃から宇宙の成り立ちや、精神世界に大変興味があり、科学や宗教関係の本はかなりの数を読んできました。宇宙の構造は、人間とは何か、何のために生まれてきたのか、そんな基本的な疑問に明確な解答を与えてくれる書籍にはめぐり会えませんでした。
この世の真実が分かったら、その瞬間に死んでもいいと思うくらいに思いつめていたと言えば笑われるかも知れませんが、この本にめぐり合えた時、まさに死んでもいいと言う心境に成り得たのです。
その中から今回の話題に関連した章の一部を紹介します。
『前略・・・要するに人間の意識は中性子だったのです。 中性子が「意識」ということは大変なことです。あらゆる物質の元になっているもの、それは原子核であり、その中に中性子と陽子があるわけです』
『すべての存在物に原子核があって、中性子、陽子があり、そのうち中性子が「意識」であるという事はどんなものも全部「意識」で構成されているという事になるわけです。これは見えない空気でもそうです。それでは陽子は何か。今度は陽子について調べました。すると陽子は「意志」だという事でした』
『中性子=意識=調和、 陽子=意志=愛・・・中略・・・ですから原子核というのは「意識」と「感情」、「意志」と「愛」が結びついて構成されている。すなわち「愛と調和」が全ての存在物の素になっている。これは地球上でいう全ての存在物です』
■物の命を全うさせる
この説によれば、この世に存在するものすべてに意識と意志があり、動物や植物だけでなく、岩や石ころ砂粒にさえ同様であるという事になります。意識や意思を魂と呼ぶならば、地球上の全てのものに命が宿っているということになります。地球をひとつの生命体とみなす、有名な「ガイア理論」の大きな根拠になるともいえましょう。
驚くことに、日本に古代から伝わる神道には八百万の神々として雲や川、草木や石ころにさえ神や魂が宿るとする考えがありました。この考えをもとに我々の先祖は物を大切にする生活を伝統として伝えてきました。
この文化は偉大なリサイクル文化として江戸時代に全盛期を迎えます。当時人口100万人を超える世界一の大都市であった江戸の生活は全てが合理的なリサイクルによって支えられていました。穴のあいた鍋や釜は鋳掛屋が修理をし、修理しきれなくなると鋳潰して新しい鍋釜にする。着物は古着として何度も市場に出され、擦り切れたり、破れて着れなくなると赤ん坊のオムツや、雑巾として利用し、それでも役に立たなくなると、火をつける時の火種にしました。
紙くずは言うに及ばず、蝋燭の溶けた蝋の回収、かまどの灰の回収(灰汁として酒の醸造や染物に利用)から糞尿や生ゴミ(肥料として利用)に至る迄全て再利用され、ゴミとして無駄なものは一切無かったと言われています。
物を大切にするという事は『物の持つ機能をとことん使い尽くす』事であり、『物の命を全うさせる』という考えであったのです。
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