■物には魂が宿る
日本人は昔より物を大切にすることを美徳としてきました。そして人が大切に扱うものには魂が宿ると考えました。その考え方は、多くの民話や説話にその例を見ることが出来ます。物に魂が宿るなどというと番町皿屋敷のお菊さんのような怪談や呪いの市松人形のようなおどろおどろしい話に帰結しがちなのですが、今回の話題は物に執着する心が生むオカルトチックな話ではありません。
物を大切にするということは物に執着することではありません。「物に執着する心」とは、世俗の金銭的価値観や所有欲を物に反映させることですが、「物を大切にする心」とは、より高い自己の価値観や世界観を、物を通して新たに発見するという事であって、物に対する考え方の本質がまったく別物なのです。
その好例を一つご紹介しましょう。
■イチローのインタビュー
以前、イチローがアメリカの小学生たちの質問に答えていたのをニュースで見たことがあります。小さな男の子が「自分も将来野球選手になりたいのだが、どうしたら貴方のように素晴らしい野球選手になれるのか」という質問をしました。
イチローはその質問に淡々とした口調で答えました。『一流の野球選手になるにはいろんな方法があるけれど、自分がやってきたことで、君にも、誰にでも出来ることがひとつある。それはグローブや靴などの野球の道具を必ず自分で手入れして、大切に扱うこと』だと。
野球を愛する心構えとしての精神論かと何気なく聞き逃してしまいそうな答えですが、大リーガーのトッププレイヤーが語る含蓄ある言葉に、私は思わず心の中でうなってしまいました。
古来、日本の名人と言われた人達の逸話を聞くと、ジャンルを問わず自分の仕事に使う道具を非常に大切にしていることを窺い知ることが出来ます。「真のプロは自分の商売道具を自分の魂のように大切に扱う」を彼はまさに実践していたのです。
今日の使い捨てが当たり前の時代価値観からみると、まことに古臭い考え方が現代っ子のイチローの口から語られたことに私は大きな驚きと同時にある種の感動すら覚えました。
彼のバッティングや守備における超ファインプレーは、イチロー自身の天与の才能と弛まざる努力の結果と日頃の修練の賜物ともいえるのですが、時にはイチローといえども人間の力を超越したかのような「神技」的なプレーを繰り出すことがあります。
そんなときはバットやミットが意志を持ちイチローと一体になって、神技ともいえるプレーをしているのではないかと感じることさえありました。まさに彼は自分の道具を大切にし、道具と心を通わせることによって、無意識のうちに自分の分身として道具を駆使していたようなのです。
続く
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