お盆が近いと 亡き人たちのことが懐かしく思い出されます。
母方の祖父もその一人です。
祖父は大勢の孫たちの中でも特に私を可愛がってくれました。
母は実家近くに嫁ぎ 結婚後も長女の私を連れて実家の事業を手伝っていました。
母が仕事をしている間 祖父が私の子守りをしてくれました。
その祖父が昔 体験した不思議な話をしてくれたのです。
ある夏の夜のことでした。
村の祭りの帰り道 田んぼの横の道を友人ら数人で歩いていた時です。
田んぼの上を火の玉が一つ 飛びまわっていたんだそうです。
祖父一人なら怖くなって逃げたのでしょうが、友達数人連れ立っていたのですっかり気が大きくなって皆で火の玉を追いかけまわしたんだそうです。
火の玉はあちこち逃げ回り とうとう近くの家の窓から中に入ってしまいました。
そして その時その家の中から 「あー恐ろしかった。恐ろしかった。追いかけられた。」という声が聞こえてきたんだそうです。
あの火の玉の正体は?
祖父も友人達も怖くなって走って逃げ帰ったそうです。
もう一つ 祖父から聞いた話です。
昔、名古屋で仕事をすることになった祖父は知人を介して職場の近くの一軒家を借りることになりました。
それは 庭に大きな池のある立派なお屋敷でした。
その家に新婚間もない祖父母と、祖父の弟とが住んでいました。
祖母が一人で夫達の帰りを待っている間に誰もいないはずの廊下で足音がしたり、別の部屋で人の気配がしたり 何だかおかしいなあと何となく思っていたそうです。
そして ある時池に面した部屋の障子に何か影が写っているのに気付きました。
毎日日暮れになると決まって同じ女性の影が。
日本髪を結った女性の横顔だったのです。
祖父はほうきを振り回して影の正体を突き止めようとしましたが、ほうきの影すら写りません。
しばらく住んでいましたが あまりの気味悪さに3人はとうとう引っ越すことになりました。紹介してくれた知人に訳を話すと、やっぱり出ましたか。前に借りた人は3日で出てしまったんですよ。
いあやね。昔、あの池に飛び込んで亡くなった奥様がいらしたそうで。
いい物件なんですけどねえ。
その後 そのお屋敷は誰も住む人がおらず 荒れ果てたそうな。
母方の祖父もその一人です。
祖父は大勢の孫たちの中でも特に私を可愛がってくれました。
母は実家近くに嫁ぎ 結婚後も長女の私を連れて実家の事業を手伝っていました。
母が仕事をしている間 祖父が私の子守りをしてくれました。
その祖父が昔 体験した不思議な話をしてくれたのです。
ある夏の夜のことでした。
村の祭りの帰り道 田んぼの横の道を友人ら数人で歩いていた時です。
田んぼの上を火の玉が一つ 飛びまわっていたんだそうです。
祖父一人なら怖くなって逃げたのでしょうが、友達数人連れ立っていたのですっかり気が大きくなって皆で火の玉を追いかけまわしたんだそうです。
火の玉はあちこち逃げ回り とうとう近くの家の窓から中に入ってしまいました。
そして その時その家の中から 「あー恐ろしかった。恐ろしかった。追いかけられた。」という声が聞こえてきたんだそうです。
あの火の玉の正体は?
祖父も友人達も怖くなって走って逃げ帰ったそうです。
もう一つ 祖父から聞いた話です。
昔、名古屋で仕事をすることになった祖父は知人を介して職場の近くの一軒家を借りることになりました。
それは 庭に大きな池のある立派なお屋敷でした。
その家に新婚間もない祖父母と、祖父の弟とが住んでいました。
祖母が一人で夫達の帰りを待っている間に誰もいないはずの廊下で足音がしたり、別の部屋で人の気配がしたり 何だかおかしいなあと何となく思っていたそうです。
そして ある時池に面した部屋の障子に何か影が写っているのに気付きました。
毎日日暮れになると決まって同じ女性の影が。
日本髪を結った女性の横顔だったのです。
祖父はほうきを振り回して影の正体を突き止めようとしましたが、ほうきの影すら写りません。
しばらく住んでいましたが あまりの気味悪さに3人はとうとう引っ越すことになりました。紹介してくれた知人に訳を話すと、やっぱり出ましたか。前に借りた人は3日で出てしまったんですよ。
いあやね。昔、あの池に飛び込んで亡くなった奥様がいらしたそうで。
いい物件なんですけどねえ。
その後 そのお屋敷は誰も住む人がおらず 荒れ果てたそうな。
母が近くの塩釜神社でお参りをしていたときの話です。
自営業をやっていた母は、店を閉めてから夜遅くに
神社の龍神様にお参りをしていました。
その神社にはいくつかの賽銭箱と社があったので
順番に回って賽銭を投げ、般若心経を唱えていたのですが、
ある日、英霊の社のところで拝んでいたところ、
コツ、コツ、と足音が近づいてきて、
母の真後ろで立ち止まったそうです。
目を開けると、人の影が後ろから伸びているのが見えました。
お経と唱えていたので、呼び寄せてしまったんだな、と思い、
母は観音経を唱えて、立ち去ってくださいと頼んだそうです。
人影はしばらくそこにありましたが、
お経を唱え終わって母が振り向くと、誰もいませんでした。
立ち去る足音も人の姿もなく、暗い境内に、
手水屋から水の流れ落ちる音ばかりが聞こえてきます。
それからは遅い時間にひとりでお参りをするのはやめたそうです。
昨日 蓮花寺のお墓に緑のアマガエルがいた。
今日も 額田のお墓に茶色の小さいカエルが現れた。
もちろん昼間だよ。
夜の音と影だけのお客さんは 来てほしくないけど カエルちゃんは可愛くて大歓迎よ。
母が「亡くなったお父さんが来た」
って言うね、きっと。
あ、そっちへお墓参りに行ってなかった。
すまぬー。