岡江久美子さんと鶴太郎

　貯め置きしておいた二時間ドラマを見た。原作は森村誠一先生で、主演は終着駅シリーズ通して片岡鶴太郎という、安定した作品だ。展開にはややムリ来てるな、というのもあるが、総じてわかり安い。森村先生には10年くらい前にインタビューしたことがあったが、「よく多作だとヨイショされるんだけど、いくつも書いていると、『あれ？　これ前に書いたのとに似ているな』って思うこともあるんですよ」と頭をかいていたのを覚えている。もう、鬼籍にお入りになったが、オレにとっては松本清張さんと並ぶ天才だと思っている。

　そして、忘れてはいけないのが、片岡の妻役の岡江久美子さんだ。

　キリキリ来ている片岡をやわらかく和ませて、ときには捜査員の一人と見まごうばかりのヒントを与えたりする。惜しい人を亡くしたね。