帰ってきた“いつまでかけるか”

マイペースに日常を暮らす。

小説「近未来式時計」第2章~イッテンまで~その1

2013-02-23 10:08:05 | 小説
可憐は、まずイッテンという街を目指すことにした。
そこは「クロック・ロード」でいうところの中継都市にあたる。
イッテンという街は比較的「ソンロゼ」より人も行きかう馬車も多い。
そう、この街は馬そのものの生育地としても栄えているのだ。
そうなると自然に、この街へ来る交通手段として道のりの途中から
馬車に乗ることとなった。そこで乗り合いになった、ひとりの少女がいた。
〝ニジーネ”という名の子であった。彼女は可憐と同年齢くらいに見えた。
まずは他愛もない話から、おしゃべりをして、互いの共通項が見つかり
そこから意気投合。自然に二人は「ウマが合う」と感じた。

小説「底」その7

2013-02-20 14:36:00 | 小説
そう思うと私は早速パソコンに向かった。と言っても
私は文学部であった。そもそも太宰治とか文学が好きで
入ったのだから直接は水だ池だ海だは
関係がないと思ったがダザイも最期入水自殺したし
ヘミングウェイにも「老人と海」というのがあるくらいだ。
(読んでないけど)全く関係のないわけではない。
と、こじつけてパソコンに向かう。と言ってもネットで検索しては
面白くないし、実証、裏付けが取れない。それにテーマが
でかすぎるような気がしてきたし、それに何か直感的に、このまま
この研究をするのは危ないと思ったので、ここでひとまず
ペンを置きます。



未完。

小説「底」その6

2013-02-20 14:15:00 | 小説
その日の夜は雨が降った。久しぶりの雨だ。雨と言えば、
昔は長靴でよく水たまりをビチャビチャと歩いたりした。
というより今でもする。もういい年だし恥ずかしいのだが
こういうのも水、雨→そして池、沼→川、海
というふうに人間は水というのに魅かれるのかもしれない。
少しの畏怖を感じながら・・・

小説「底」その5

2013-02-17 14:52:42 | 小説
Aは話を続けた。
「今日この池に来たのは、おれも今のお前みたいに、こういうところには
恐怖を感じながらも何か興味深いものを感じていたんだ。
だから大学行けたら、そういう伝説っていうのか?そんなんを
研究したいと思ってたんだが・・・まあ、おれバカだけどそんなんじゃ
この先食えねえなってくらいは分かる気がするしな。でも、お前なら
こういうことこそ書きたいと思わねえか?」
Aには私の心を見透かされているような気がした。確かに、興味のある
テーマだ。というより私は小さい頃から池や沼をよく見ていた。
その時からAは、その後ろ姿を見ていたのかもしれない・・・。

小説「ヒトゲーム」その4(改稿)

2013-02-16 17:56:39 | 小説
試合は終わった。ぼくはホームランを打たれたが
それでも、延長戦に持ち込み“引き分け”に。
“みんな”のおかげだ。
それにしても“持病”とやらがあったのに、何でこんな展開に…。
そのすぐ後、力の抜けきったぼくに監督は言った。
「おーい!まだ一試合あるぞ!」
みんなの笑う声がした。
ぼくも笑い返した。


完。