ナンテン

2019-01-20 08:34:30 | みんなの花図鑑




通常、紅葉する木は落葉樹で、葉が落ちる前の一時期のみですが、常緑樹でありながら、冬の間ずっと葉の色が変わり紅葉するものがいくつかあります。ナンテンはその代表種といえるでしょう。



冬に入り、特に目立ってきたのが赤い実をつけた木々である。中でも南天は、音が「難を転ずる」に通じることから縁起の良い木とされ、各家の庭や玄関前、沿道に必ずと言ってよいほど植えられている。そんな中、ある家の壁際に、葉の一部が真っ赤に紅葉し、南天の実の赤がそれとうまく調和し、照り輝いているのを見た。

南天は、メギ科ナンテン属の常緑低木。原産地は中国。和名は、漢名の「南天燭」の略。先端の葉の間から、花序を上に伸ばし、初夏に白い花を咲かせ、晩秋から初冬にかけて赤色(まれに白色)の小球形の果実をつける。

尚、南天は基本的には常緑だが、紅葉するものも多く見られる。紅葉の仕方は品種によっても違うが、同じ品種でも、日当たりの良さや気温の温度差などにかなり影響されるそうだ。

江戸時代には一大南天ブームが起こり、南天の実の色や葉の色などの違う品種が120種以上ほどあったそうだが、今は40種ぐらいだとか。白い実をつける「白実南天」、オレンジ色の実をつける「うるみ南天」、実がならず葉の色が五色に変わる「おかめ南天=お多福南天」などはその名残なのだろう。

花言葉は、「機知に富む」「福をなす」「良い家庭」「私の愛は増すばかり」など。


タギョウショウ

2019-01-19 07:13:27 | みんなの花図鑑










タギョウショウ Pinus densiflora form. umbraculifera (マツ科 マツ属)

 タギョウショウはアカマツの品種であり、「多行松」である。
根元からたくさんの幹が分かれて立ち上がっており、高木にはならない。
ダイオウショウは園芸品種であるが、自然では、同じような性質を持ったアカマツの品種であるウツクシマツが滋賀県などで生育しており、天然記念物に指定されている。
このウツクシマツは岩手県・長野県・岡山県などでも報告されており、点々と生育が見られることから、母種のアカマツから、時折変化してできるものではないかと思う。
タギョウショウのような変わりものは、種で繁殖させると同じ性質を持ったものができにくく、接ぎ木で増やす。

 タギョウショウは、庭園や公園などに植栽されているのを見ることがあるが、西日本では見かけることは少ない。
中部以北では時折見かけることがあり、仙台の東北大学構内のタギョウショウは大きく、美しかった。
庭園木に利用される寿種は、北に至るほど針葉樹が重用される傾向があり、タギョウショウは常緑針葉樹としてはおもしろい樹形であることから、注目されているのであろう。