ポピータイム 

しあわせへの近道・周り道・散歩道 ー変わらないで欲しい大切なものー Kurara 公式ブログ

Kurara ハート展2023 開催のお知らせ

2022-12-09 10:16:13 | Kuraraストーリー
心に優しい風を贈る Kurara ハート展2023

2022年12月18日(日)~ 2023年1月15日(日)
午前9時〜午後8時(休館日12/29〜1/3)


今年も開催致します。
Kuraraの絵と詩のコラボレーションをお楽しみ下さい。
小さなお子様でも楽しめます。
是非、ご家族でも安心して、お出掛け下さい♪

来場案内チラシ←クリックするとA5のチラシが見れます。


サンパール荒川2F ARAKAWA1-1-1ギャラリー
〒116-0002
東京都荒川区荒川1-1-1 電話 03-3802-7111(ACC)
都電荒川線「荒川区役所前」徒歩2分
東京メトロ日比谷線「三ノ輪駅」徒歩12分

主催 ハートオブクリアー
電話 050ー3708ー8010 メール kurara_sky@icloud.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おじいちゃんの葡萄棚

2022-10-14 12:08:00 | Kuraraストーリー
東京の下町にある、おじいちゃんの家
幼いわたしにとって、おじいちゃんの家に行くのは、一大イベントだった
わたしの家からバスで3停留場、バス停から20分程歩くとおじいちゃんの家に着く

東京のど真ん中で、きれいな葡萄棚が見れるのは珍しい
車1台通れる程度の狭い幅の道をてくてく歩いて行く
右へ、左へ、路地が続く・・・
おじいちゃんの葡萄棚は、3本目の右の路地に顔を向けると少し見える
路地を曲がり、てくてく歩くと間もなく、きれいな葡萄棚が迎えてくれる

白い紙できれいに包まれている葡萄たち
おじいちゃんは、見せるためだったのか、紙に包まれていない葡萄もあった
きれいな薄紫色・・棚を見上げては幸せな気分になれたのは・・・
葡萄がたべられるから・・ではなくて、本当にきれいだったのだ
おじいちゃんが、東京のど真ん中で作った小さな葡萄棚は、きらきら輝いていた

「わぁ〜葡萄がなってる!これたべれるの!?」
物心ついて、しっかり、話せるようになったわたしの第一声だった
おじいちゃんでも、手が届かない少し高いところに葡萄棚はあって
「こっちにおいで!」とわたしを2階に連れて行ってくれた
上から見渡せる葡萄棚!!これもまた、「わぁ〜!」と声がでるほどきれいだった
「全部、おじいちゃんの葡萄?」と聞いたら
「うんうん」とにこにこ笑っていた

下に降りて、梯子を使い、おじいちゃんが葡萄を採ってくれる
おばあちゃんが、たらいに冷たい水をはって待っていて
そこで、洗い、冷やして、やっと、口の中に!
甘酸っぱい葡萄が、口の中にパァーっと広がると
おばあちゃんが、「今年は、ちょっと酸っぱいね、おじいさん!」という
おじいちゃんは、お構いなしで、にこにこしながら、葡萄をたべている

「おじいさんはね、いつも、”いい出来だ!”というんだよ!」
と、大きな声で『あっはっは!』と笑う、おばあちゃん
わたしは、美味しくて、一房をしっかり握りしめ、一生懸命たべながら笑った

東京のど真ん中で、もぎたての葡萄をたべられる幸せと笑顔をくれた祖父母
今秋も青い空の下、祖父母に感謝して、街で薄紫色の葡萄を買って来た
今年は、甘いか、な・・

葡萄棚の向こうから
おじいちゃんのにこにこ顔とおばあちゃんの大きな笑い声が飛んで来た


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サイフォンの音で

2022-09-30 11:58:00 | Kuraraストーリー
ぽこぽこぽこぽこ
サイフォンの音で目が覚める
さりさりさりさり
豆を引く音を聴きたかったのに
それは終わっている

テーブルの上でサイフォンを使い
父がコーヒーを入れている
アルコールランプで落としたコーヒー
再び温め出来上がり
ぶくぶくっとなる寸前でランプを消す

一連の作業を見るのが大好きで
早く起きようと決めて眠っても
豆を引くときには間に合わず
慌てて目をこすり起き上がりテーブルへ行く

コーヒーがいい香りとまでわからなかった幼い頃
8畳と3畳の二間に小さなキッチンが付いている木造の貸家で
父は、お洒落な生活をしていたのだなと、今、思う

私は、コーヒーアレルギーで、大きくなっても、父のコーヒーは飲めなかった
父の前で、いつも100パーセントのオレンジジュースを飲んでいた
「お父ちゃんにも、一杯くれ」と言われた時
高校生の私は、得意そうにグラスに注いで上げたけど・・
内心、こんなの飲めるのかな・・と思った

あぁ、私が、父のコーヒーが美味しそうに見えたように
父も、私のオレンジジュースが美味しそうに見えたんだなと思い微笑んだ
その後も、ごくたまに、「お父ちゃんにも、一杯くれ」と言われた
意外と気に入ってくれたのかな・・・

ただ、オレンジジュースを私と一緒に飲んでくれてた父だったのかもしれない
無言の父の優しさに気付くまで、何十年も経ってしまった・・・
『オレンジジュースを一緒に飲んでくれてありがとう!』天まで届け!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お彼岸

2022-09-23 20:20:18 | Kuraraストーリー
お彼岸にはお墓参りに行く
お墓参りに行くためにお彼岸がある

遊ぶためのシルバーウィークなどと
名付けたのは誰?

故人を慈しみ
そして再び愛しむ
静かな時間が流れるお彼岸

手を繋いでお墓参りに行く
子ども達も手を合わせて
天国のおじいちゃんおばあちゃんと話したりする

あっ、声が聞こえた!
と不思議なことが起こって
心からの笑顔が溢れるお彼岸

シルバーウィークなどと名付けて旅行三昧?
神さまが怒って台風を起こしたのだろう
お彼岸は、シルバーウィークではない
大事な時間が流れて愛おしい故人に逢えるお彼岸だ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おじいちゃんとバスタイム

2022-09-16 12:00:00 | Kuraraストーリー
おじいちゃんは、たまに、私のうちのお風呂に入りに来た
どうやら、娘たちの家を順番にまわっていたらしい
子供の私には、理解できていなかったけど
おじいちゃんが、お風呂に入りに来るのは、楽しかった

おじいちゃんのからだは、とても大きい
小さい私からは、完璧にお相撲さんに見えた
お腹も大きく出ていて、そのお腹をポンポンと叩いて
「さ!風呂に入るぞ!」と私を誘う

内心は、嫌だった
理由その1、アッつい湯に温まらなくてはいけない
もう熱いというと、「あと10」と数えさせられる
理由その2、大きな背中を洗わなくてはいけない
これまた、小さい私には、重労働だった
理由その3、上がる時に、冷たい水をかけられる
「きゃー!」と目をつむったって、ほんとに冷たい
なんと、これは、冬も同じようにかけられる

これだけ揃えば、嫌で、仕方ないのに
なぜか「さ!風呂に入るぞ!」とポンポンとお腹を叩かれると
私は喜んで、いそいそ、着いていった
小さいながら、背中を洗ってあげないと!なんて考えていた

それから、いいことが、一つだけあった
私の大好きなお菓子を持って来てくれる
お風呂の中で、こっそりと、好きなお菓子の話をする
そうすると、次に来る時には、袋を抱えて来てくれるおじいちゃんだった

湯上がりに、冷たい水を浴びせられたことで、風邪をひかない身体になった
おじいちゃんの仕業には、いつも裏がある
それは、かけがえない、大事な大事な裏技だった

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする