白梅の地下の御国の霜柱
梅咲きて水晶宮の霜柱
逢ひにゆく道の山吹雪柳
春塵やバンドネオンの咳払ひ
永きため息のごとくに春過ぎぬ
口に出さず日永の空に書く言葉
君の背に光輪見えて春暮色
陽春や御使ひ出づる阿片窟
猫に手を引かれて朧夜の逢引
恐竜の滅亡悼む菜種梅雨
花衣銀貨の月の夜のタンゴ