二人踊る足跡星の国の地図
雨冷たく夜暗くせめて便り欲し
前の世を忘れ流星に髪濯ぐ
街住まひ稲穂の波を見まく欲り
熟しゆく裸の枝のただ一顆
脂濃き秋刀魚の肝のメランコリア
逢ひたさや雨に苦しむ秋の暮
烏瓜恋に疲れし魂ひとつ
凩にめくれるほどの空意気地
返信を待たぬふりして宵時雨
人を返し二度寝の床の清しさよ