サラ金・ヤミ金問題と貧困―その実態と支援のあり方
NPO法人POSSEでは、生活困窮に関する相談を受け付けていますが、そうした相談に対応するボランティアを募集・育成することを目的とした生活困窮者支援セミナーをこれまで3回にわたって開催してきました。第4弾となる今回は、貧困問題の中でも特にサラ金・ヤミ金問題をテーマとして取り上げ、問題の実態と解決策・支援の方策を学びます。
2011年の自殺者数は3万651人に上り、14年連続で3万人超を記録しました。うち2割が経済・生活問題を理由とするとされていますが、その中には多重債務を苦にした自殺者が多数含まれています。貧困、生活苦、そしてそれらに端を発する借金苦のために死に追いやられる人が後を絶ちません。POSSEで受け付けている生活相談にも、サラ金・ヤミ金問題にまつわるものが多数寄せられています。
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○POSSEが受け付けた相談の事例
・生活に困窮し、生活保護を申請したが、支給決定日までの生活費がなかったため消費者金融から借り入れを行わざるを得なかった
・ヤミ金から生活費として10万円を借り入れたが、生活保護支給日には、玄関前に金融会社の社員が立っていて、毎月、保護費を取り上げられてしまう
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貧困問題の深刻化の背景には、雇用情勢の悪化のほか、公的な生活支援制度の不足や、生活保護の申請拒否に象徴的に表れている、一人では必要な福祉制度につながることができない現状があります。このような状況で、ボランティアやNPOによる生活困窮者支援の意義はますます高まっているといえます。
こうした観点から、貧困問題とかかわりの深いサラ金・ヤミ金問題をテーマとした支援者セミナーを開催します。講師には、数々の貧困ビジネス問題に取り組んでいらした猪股正弁護士をお招きし、弁護士としてサラ金・ヤミ金被害者救済に携わってきた実務経験や反貧困ネットワークでの活動経験からみえるサラ金・ヤミ金と貧困問題の実情、多重債務問題の解決策、求められる支援のあり方などについてお話しいただきます。
講師 猪股正(いのまた・ただし)
1963年生まれ。弁護士。商工ローン被害、悪質消費者被害など貧困ビジネス被害者の救済、行政による生活保護申請拒否などの貧困問題にかかわる多数の事件を手がけ。現在、首都圏生活保護支援法律家ネットワーク共同代表、日弁連貧困問題対策本部事務局長、震災支援ネットワーク埼玉代表を務める。埼玉総合法律事務所所属。著書に『検証日本の貧困と格差拡大』(日本評論社、2007年、共著)、『もうガマンできない!広がる貧困』(明石書店、2007年、共著)など。
日時 10月21日(日) 18時30分~
場所 北沢タウンホール11階 研修室3
(世田谷区北沢 2 - 8 - 1 8 http://kitazawatownhall.jp/map.html)
タイムテーブル
18:15 開場
18:30 開会のあいさつ、講師紹介
18:35 猪股正先生ご講演
19:35 休憩
19:45 質疑応答
20:15 閉会のあいさつ・ボランティア募集のご案内
20:20 閉会
参加費 無料
予約 不要
貧困・生活困窮問題に取り組むボランティアの力が必要です
POSSEでは、生活相談ボランティアを募集しています。生活困窮や介護保険などの制度利用、奨学金返還の困難といった相談には、全てボランティアで対応しています。知識や経験は一切問いません。社会福祉士や弁護士によるレクチャーを定期的に開催しているので、相談対応に必要な法制度などの知識は一から学ぶことができます。
会の終わりにボランティア募集のご案内も行いますので、ご関心のある方はお気軽にスタッフにお声をおかけください。