圷弁護士は、日本労働弁護団の事務局次長で、当然ながら日々寄せられる労働相談に対応していらっしゃいます。そんな圷弁護士のお話は、最近ではどのような相談が多く寄せられているのかということから始まりました。
最近寄せられる相談件数のなんと20%がいじめやセクハラ・パワハラであること、非正規雇用の相談件数が5割にのぼるということでした。
そんな最近増えているいじめやセクハラ・パワハラに、労働法を使って何ができるのかを教えていただきました。
圷弁護士に説明していただいたのは、セクハラのケース・スタディです。セクハラがどのような法律違反・(使用者が守らねばならない)義務違反に問えるのかということを丁寧に説明していただきました。とはいえ、実際に労働法を使うにはひとりではなかなか難しいのが現状です。そこで必要なことは、絶対にひとりで悩まないことです。どこでも良いので、専門家に相談することが大事です。
民間では日本労働弁護団のホットラインや、個人でも入れるユニオン、NPOであればPOSSEや、働く女性の全国センター(ACW2)があります。行政機関では労働局や労政事務所(東京都では「労働相談情報センター」)があります。また、労働審判についても教えていただきました。
さて、講演の後は、各テーブルを圷弁護士が回ります。
ここで全部のテーブルの会話を紹介するのは難しいですが、一部を紹介したいと思います。
参加者の女性のひとりは、友人のことで相談があるとのことでした。友人が職場でひどいパワハラ、いじめに遭っていると。彼女は、その友人の置かれている労働環境があまりにひどいと思い、働いている友人に代わって参加したそうです。
圷弁護士は、「労働情報相談センター」の斡旋を使う方法(7割という高い解決率)と、ある程度お金はかかりますが、労働審判制を使って裁判をする方法を提案されました。また、裁判にかかる弁護士費用は分割して払うこともできるし、彼女の友人の場合、残業代不払いもあるとのことで、それを一緒に請求することもできる、ということをおっしゃっていました。
圷弁護士が他のテーブルを回っている間のことをちょっとだけ紹介したいと思います。カフェテーブルを囲んで、「働くこと」を巡っていろいろな話しが交わされました。たとえば、若者が「3年で辞める」ことについて。自分のやりたい職業に就けたのに、不幸にも労働条件が合わないということはありえます。ですが、「3年で辞める」と社会的にマイナスイメージがついて、転職に不利になるのではないか・・・? また、労働条件の全体的な切り上げは本当に可能なのか? そんなことをして国際競争に負けたりしないのか? などなど。
本当に活発に意見が交わされました。参加者の方の意見もさまざまでしたし、もちろん、聞いているだけという方もいらっしゃいました。
今後も、労働法の実践的な使い方を学ぶことを軸として、「働くこと」を考えていけるようなイベントにしていきます。次回もご期待ください。
コメント一覧
ing
最新の画像もっと見る
最近の「活動報告」カテゴリーもっと見る
【寄付のお願い】過労死やハラスメント自死をなくすための取り組みに、ご支援をお願いします。
7/24 アウティング労災認定の記者会見を開催しました!
1/24、家事労働者過労死裁判の控訴審初回期日へ多くの支援者が駆けつけました!
第8回POSSEオンラインアカデミーイベントレポート「難民を「犯罪者」にする「入管法改定案」を廃案に!ー若者が取り組む日本の難民問題ー」
【寄付のお願い】LGBTQの労働問題を解決する活動へご支援お願いします!
[សំណើសុំការបរិច្ចាគ] សូមជួយគាំទ្រសកម្មភាពដើម្បីការពារសិទ្ធិមនុស្សរបស់សិក្ខាកាមបច្ចេកទេសបរទេស។
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事