本日(4月14日)、パスポートを会社から取り上げられていたフィリピン人女性のAさんが、当時の勤め先である行政書士事務所「アドバンスコンサル」(代表者:小峰隆広。以下、会社)に自身のパスポート返還を求め、一昨年1月に会社を起訴した裁判の期日が横浜地裁でありました。
この裁判では、Aさんは会社に対して、自身のパスポートの返還や、パスポートがなかったがゆえに働くことができない期間があったことに対する補償、そして損害賠償を求めています。2020年1月に提訴しましたが、会社は後に、Aさんが記者会見で事実を公表したことなどを持ってAさんを名誉毀損で訴えるという、権利主張を行った労働者に対する報復行為(海外ではSLAPP訴訟と呼ばれます)ともいえる行動をとっています。
※事案の詳細については、以下の記事を合わせてご覧ください。
外国人が行政書士事務所を提訴 「パスポートを返さない」「人権侵害大国」日本の実情
提訴から2年以上経っても、いまだに会社(被告)側は自らの主張を明確にせずに、裁判とは無関係と思われる内容の書面を次々と提出しています(すでに100近い文書が「証拠」として提出されていますが、なかには単にウェブページをプリントしただけというものもあります)。そこで、先月末(2022年3月末)に裁判所が論点を整理するメモを作成し、今回の期日ではその内容について話し合われました。
裁判所が会社に整理された論点メモについての意見を求めたところ、会社は「まだざっとしかみていない」と答えた上で、これが自身の主張する論点になるかの回答は6月半ばまでかかると答えました。繰り返しになりますが、すでに提訴から2年以上経過しておりこれまで十分に時間はあったはずですので、更に2ヶ月も必要と回答するのは、単に裁判そのものを引き延ばそうとして原告を精神的にも経済的にも疲弊させようとしているとしか思えません。今回の期日は、このやりとりと次回の期日を決めて終わりました。
次回の期日は、6月28日火曜日の13時10分からです。引き続き、注目していただけると幸いです。
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