NPO法人POSSE(ポッセ) blog

6月5日活動報告~被災支援(仙台)に参加して

NPO法人POSSE(ポッセ)東京スタッフによる被災支援(仙台)に参加しての感想です。
6月5日は以下の様な取り組みを行いました。


1.入居説明会

仮設住居への入居説明会は、入居予定の仮説住居のブロックごとに説明が行われます。全体的にご老人が多く、中央にある程度固まった団体と壁側にバラバラに座っている人たちの2つに分かれていました。説明会は、最初に行政からの説明とNPOや民間企業などの支援団体からの一言があり、その後で質疑応答の時間が設けられます。

まず驚いたのが、支援団体として説明会に参加している団体の少なさです。NPOとしては私たち、NPO法人POSSE(ポッセ)の行っている引っ越し支援と他団体の2つのみ。<3・11>後、炊き出しや泥かきを行うボランティアは報道を見る限り多かったようですが、仮設住居へ入居してからの生活に対して支援が不足している、そう感じられました。

特に印象的であった出来事が、自治体から5日で仮設住居へ移転してほしいという趣旨の発言でした。もちろん、これは強制ではありません。しかし、長い避難所生活で疲れきっている人たち、ましてや多くがご老人で、そうした人たちが仮説住居へ移転するための支援をするわけではないという点に問題があると感じました。

また、質疑応答で印象に残ったことは、仮説の大きさについての不満が出ていたことです。2DKに大人3人で1つとされていますが、これではあまりにも狭すぎます。しかも、4人世帯では2つの仮説住居を、6人世帯では3つの仮説住居の申請が可能ということが分かり、その判断も行政が判断しているので基準があいまいという問題があります。そして、仮説住居には手すりがつけられていません。入居する多くはご老人であって、手すりがないと住居内の移動すら大変なことになります。このように入居する人たちへの配慮が欠けている問題が見受けられました。


2.引越し作業
この日は8:30、12:00、14:00からと3件の引っ越しを手伝いました。
NPO法人POSSE(ポッセ)に引っ越しの依頼にくる方は、高齢者、障がいを持つ方、津波による被害で生業が一時的に再建出来ない、経済的に苦しい方が多く見られます。
今回引越し支援をした方の中には、被災後に毎日日雇い労働を行っている方がいました。
ご家族を支えるために、やむを得ないというのです。
行政の支援が少しでもあればよいのですが、仮設住宅への入居によって「自立した」とみなされてしまうので、何もありません。日雇でも何でも働くしかないのです。
「日本は一つ」とマスコミがいう割には、実態はあまりに過酷で、冷たいものだということに強い衝撃を受けました。

そうした人々の生活を支えるために引っ越し支援だけではなく、生活支援、就労支援、修学支援の必要性を感じました。
NPO法人POSSE(ポッセ)では今後生活を支えるための取り組みを行っていきます。


3.アート・インクルージョン
夕方からは大震災復興支援イベントの「アート・インクルージョン長町チャリティープロジェクト」に参加しました。アート・インクルージョンのコンセプトは以下の通りです。

「世の中には様々なバリアがあります。自由を尊重するアートの世界でさえバリアは存在します。アート・インクルージョンは年齢、性別、国籍、障害のあるなし、アートの基礎知識やスキルなど関係なく誰もが自由に参加できるバリアフリーのアートプロジェクトで様々なメディアを融合させ地域に根ざし継続していくことを目指しています。」(http://art-in.org/concept.htm)

長町駅前でバザーが行われ、学生のコーラス団体やバンドが復興に向けての歌を歌っていました。多くの方が訪れ、活気に溢れていました。

ただ、若干の違和感を覚えたのも事実です。
NPO法人POSSE代表・今野晴貴がツイッターで書いているように(下記)、あまりにも都市の中に「忽然と」被災者が放り出されているようだったからです。
仮設住宅の中で住民が孤立しないように、今こそNPO・市民団体の力が必要だと感じました。
その意味でも、アート・インクルージョンのような取り組みには強く意義を感じました。

「長町駅前(南仙台)にて、被災者支援のイベント。中学生が合唱したり、バザーを行うなどしている。市内最大の仮設住宅が整備された長町は、市の中心部。都市と貧困のコントラストが印象的だ。あらゆる貧困がそうだが、日常の都市生活との距離。仮設も2年限定だ。被災の貧困はさらに拡散し見えなくなる」(NPO法人POSSE代表・今野晴貴)@golgiasu


■NPO法人POSSE(ポッセ) 被災地支援の取り組み
 NPO法人POSSE(ポッセ)では、仙台に拠点を置き、現地のNPOと連携しながら、仮設住宅( みなし仮設を含む)への移転支援や、仮設住宅住民への生活支援などに取り組んでいます。また、今後、被災学生への進学支援や就労支援、被災地の実態調査などに着手する予定です。被災地支援にご興味のある方は、お気軽にスタッフにお声をおかけください。
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■NPO法人POSSE(ポッセ)とは?
 NPO法人POSSE(ポッセ)は労働相談、労働法教育、調査活動、政策研究・提言、文化企画を若者自身の手で行うNPO法人です。現在、会員は約250人。10代、20代を中心に、約100人のメンバーで運営しています。年間およそ300件の労働相談に対応しています。事務所は東京の下北沢、京都、仙台に構えています。
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仙台支部
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NPO法人POSSE(ポッセ)は、社会人や学生のボランティアが集まり、年間400件以上の労働相談を受け、解決のアドバイスをしているNPO法人です。また、そうした相談 から見えてきた問題について、例年500人・3000人規模の調査を実施しています。こうした活動を通じて、若者自身が社会のあり方にコミットすることを 目指します。

なお、NPO法人POSSE(ポッセ)では、調査活動や労働相談、セミナーの企画・運営など、キャンペーンを共に推進していくボランティアスタッフを募集しています。自分の興 味に合わせて能力を発揮できます。また、東日本大震災における被災地支援・復興支援ボランティアも募集致します。今回の震災復興に関心を持ち、取り組んで くださる方のご応募をお待ちしています。少しでも興味のある方は、下記の連絡先までご一報下さい。
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