5/19(木)15時~、過労死訴訟の裁判傍聴・報告集会のお知らせ
NPO法人POSSEで支援している過労死訴訟の傍聴と報告集会がありますので、ご案内します。
2014年に、新卒で就職した若者が過労事故で亡くなる事件が起きました。
この若者の母親が昨年、会社を相手取って民事訴訟を起こし、5/19(木)に裁判がおこなわれます。
裁判後には、近くの会場にて、遺族の発言や弁護士の解説による報告集会が開かれます。
ぜひご参加ください(事前予約不要)。
■事件概要
渡辺航太さん(死亡時24歳)は、株式会社グリーンディスプレイ(百貨店に草花・観葉植物を装飾する業務)がハローワークに出していた「新卒正社員募集・試用期間なし・月平均時間外労働20時間」の求人に応募したところ、実際は求人と異なって、試用期間としてアルバイトでの勤務を求められました。
正社員としての就職先を希望していた航太さんは、6ヶ月の間、アルバイトであるにもかかわらず、週6日フルタイムでの勤務を要求され、1週間連続勤務や、過労死ラインを超える100時間以上の時間外労働、深夜早朝に及ぶ不規則長時間労働に従事させられていました。
ようやく正社員に採用されたものの、その後1か月後、22時間連続勤務を終え会社の指示で使っていた原付バイクで帰宅途中、長時間労働による極度の心身の疲労と睡眠不足によって、電柱に衝突し事故死するに至ったものです。
遺族は、会社の安全配慮義務違反があったとして、損害賠償請求を求めて提訴しています。
■本件事件の論点について
・正社員をちらつかせての非正規雇用での採用
正社員の非正規化が進む中、若者は正社員としての就職を切望しています。被告会社は、これのような若者の気持ちを利用し、試用期間であるとしてアルバイトの就労を求め、長時間過酷労働に従事させたもので、本件事故の背景には、現在の若者の就職難と、雇用形態の非正規化の進行があります。
・ハローワークの求人票の虚偽記載の放置
ハローワークの求人時に、企業から会社に対して、虚偽の情報提供がされたことにより、本件のような犠牲を生んでいます。若者雇用促進法では、違法行為を繰り返す企業に対してハローワークが一定の措置を取ることとされましたが、現状求人票の虚偽記載について実効性ある対策を取られていません。
※事件の概要については、『POSSE』vol.29掲載「若者の過労死を繰り返さないために」もご参照ください。
→ http://posseaffairs.wix.com/posse#!vol29/k1qhy
■裁判日程:5月19日(木)15時~
14時50分頃 裁判所一階にて待ち合わせ
15時~ 裁判期日 横浜地方裁判所川崎支部101号法廷
15時30分頃〜 報告集会 川崎教育文化会館第1学習室(4階) 会議室
*横浜地方裁判所川崎支部へのアクセスはこちらです。
http://www.courts.go.jp/yokohama/about/syozai/kawasakitisai/index.html
※NPO法人POSSEでは、過労死やブラック企業、ブラックバイトなど労働問題・労働相談に取り組む学生ボランティアスタッフを募集しています。こうした労働問題への取り組みを希望される方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
■連絡先
NPO法人POSSE
E-mail:info@npoposse.jp