「保証人のための奨学金相談ホットライン」を開催します!
若者の労働問題・貧困問題に取り組むNPO法人POSSEでは、9月10日(土)と11日(日)に奨学金の返済に関して連帯保証人・保証人になっている人を対象に、「保証人のための奨学金相談ホットライン」を開催します。
奨学金延滞訴訟の激増や独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)による厳しい取り立てなど、奨学金に関する問題が注目されていますが、近年は奨学金を借りた本人だけでなく、保証人になっている親・兄弟・親戚に一括返済を請求する事例が増えています。
私たちに寄せられる相談のなかには、支払いの請求が保証人にまで及ぶことで、家族の「連鎖破産」が引き起こされているケースも見受けられます。
◆POSSEに寄せられた奨学金に関する相談事例
・甥が大学進学のために300万円を借りた。保証人が必要と言われたため、甥が返済することを条件に書類にサインした。しかしその後、甥は自己破産してしまい、定年間近の自分に延滞金を含めた200万円の請求が来ている。支払わないと裁判になるとJASSOから言われているが、どうすればいいか。(50歳代、男性)
・30歳代の子どもが心筋梗塞で亡くなった。朝から夜まで休みなく働いていたため、過労死だと思われる。子どもは大学時代に奨学金を借りていたので、返済についてJASSOに問い合わせたところ、子どもの借りていた奨学金の返済は連帯保証人である父親の自分が行う義務があると言われた。年金暮らしの自分や妻にはその余裕がなく、自分たちは破産するしかない。(60歳代、男性)
このように、奨学金は学生や若者だけの問題ではなく、親や兄弟どころか親戚まで巻き込む可能性のある深刻な問題となっています。本人に奨学金を返済する意思があっても、給料が低すぎて奨学金を返済する余裕がないといった事情で返済ができず、ひどい場合には自己破産に追い込まれる事例もあります。そして、保証人も返済するほどの資産を持っていなければ、請求をされても支払うことができず、連鎖的な破産が起きて世帯が崩壊してしまうという恐ろしい状況が起きてしまいます。
しかし、相談機関につながることができた当事者はごくわずかであり、大多数の方が誰にも相談できずに生活苦に陥っていると考えられます。
そこで、私たちは多くの方に相談してもらうため、奨学金の連帯保証人・保証人となっている方たちに向けたホットラインを開催することにしました。
奨学金の返済を緩和するような制度の案内や、奨学金の返済に困ってしまった時に使える法的手段についての紹介をPOSSEの専門スタッフが行います。また、必要に応じて弁護士などの専門家や支援団体を紹介します。
◆「保証人のための奨学金相談ホットライン」概要
日時:9月10日(土)、9月11日(日)
電話番号:0120—987−215(両日とも16時~22時)
メール:soudan@npoposse.jp(24時間受付)
対象:奨学金の返済に悩んでいる学生・社会人、連帯保証人・保証人となっている方やその家族
対象地域:全国
※通話料・相談料無料、秘密厳守です。専門スタッフが対応します。
※フリーダイヤルはホットライン時のみの番号になっています。
常時、03-6693-5156で奨学金の相談を受け付けています。
◆NPO法人POSSE(ポッセ)とは?
POSSEは労働相談、労働法教育、調査活動、政策研究・提言、文化企画を若者自身の手で行うNPO 法人です。現在、会員は約250 人、10 代・20 代を中心に、約100 人のメンバーで運営しています。事務所を東京の下北沢、京都、仙台に構え、年間約2000 件のブラック企業・ブラックバイトといった労働に関する相談や、約300件の生活相談に対応しています。
事務所所在地・連絡先:
〒155-0031 東京都世田谷区北沢4-17-15 ローゼンハイム下北沢201 号室
TEL:03-6693-5156(奨学金相談専用番号)
FAX:03-6699-9374
E-mail:soudan@npoposse.jp HP:http://www.npoposse.jp