「〜君のふくらはぎから足首にかけて美しいラインを見て、僕はこの人に一票を投じようときめたんだ」
「男として欲情しただけだ」
目があって初めて、里佳は エドがひどくセクシーな男であることに気がついた。前歯についたイカ墨までもが、彼がそんじょそこらの好青年とは ひと味もふた味も違う重厚な大人の男であることを証しているかの様に思えた。前歯のイカ墨までもが————」
《空に舞い上がるビニールシート》
前歯が黒くても、指摘しにくい。
そして、ニカって笑った笑顔にも、どうしたら良いか迷ってしまう。
そして、それまでもがセクシーだと思えるのは、それはもう結ばれる運命の人なのかもしれない。