お墓参りとお仏壇の話
私の実家にはお墓がありません
父が生前とても元気だった頃
うちは娘ばかりだからお墓は持たない事にする
永代供養にすると言いました
自分の骨は海に撒いてくれとよく言っていた
私はそうなんだと特に深く考えていなかった
先日母の実家のお墓参りへ行った
いつも叔父がお墓の事はしてくれている
綺麗な花が花立に入っていた
お参りを済ませると
母は後何回ここに来れるかなと言う
母も色々思う事があるんだなと感じた
高台にあるこちらの墓地は
坂道を登り急な階段があるが眺めが良い
墓石の数も多い
しかし手付かずの墓石も目立つようになってきた
墓石は傾き、花は枯れて、墓石の周りに草が生えている
手入れの時間が取れないのだろうか
それとも墓地へ来る家族がいなくなってしまったのだろうか
高台の後ろには小高い山があるために動物も出てくるようになり
花を食べたり、お供え物を食べる被害が出ていると言う
それぞれのお家が墓石を簡素化されていた
あまり手を加えなくても良いように工夫されていた
花立もお線香を置く場も減っていた
遠く離れて住んでいると度々見に来れない事情もある
墓地事情を目の当たりにした
幸い母の実家の墓地は叔父が近くで見てくれている
私たちも気兼ねなくお墓参りができている
父はお墓は作らないがお仏壇は自分で気に入るものを購入した
父の想いのこもった木目のお仏壇
実家へ帰った時には花の入ったお仏壇に手を合わせ
お線香をあげると気持ちが落ち着く
そして背中を押してもらう気持ちになる
父が亡くなり30年近くになろうとする今
永代供養を選んだ意味がとてもよくわかる
お寺に遺骨を預けいつまでも見守り続けていただく
そして私たちは時折お寺へお参りさせていただく
生前の父の気持ちに感謝している