2022/04/20◇中国の大都市部では、アプリを利用したキャッシュレス決済が主流です。中国でキャッシュレス決済が隆盛した背景としては
・経済発展で物価が上昇しているが、紙幣の最高金額が100元で使い勝手が悪い。
・偽造紙幣対策。
・スマートフォン、通信環境の急速な発展・普及。
・各種アプリの普及。
等々の要因があると考えられます。
中国のキャッシュレス決済はとても便利ですが、その便利さを享受できるのは、中国の携帯電話番号・中国の銀行口座を持つ人に限られています。(アプリで身分証明書・携帯電話番号・銀行口座を紐づける仕組みの為)
日本から旅行、出張、短期滞在された方は、中国国内でキャッシュレス決済が使えず、不便な思いをされた方もおられると思います。
今回、ご紹介するAlipay Tour Passは中国の携帯番号、銀行口座を持たなくてもキャッシュレス決済が使用できるミニプログラム(アプリ内アプリ)です。
※何点か制限があるようですのでご注意ください。
以下、設定方法を紹介致します。(Alipay Tour Passの使用はAlipayがインストールされていることが前提です。ここではAlipay のインストールについては割愛させて頂きます。)
事前に準備するもの:パスポート、Alipayインストール済みのスマホ、クレジットカード
①Alipayを国際版に設定します。
画面右下の「我的」を押します。
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➁画面右上の設定(歯車のアイコン)を押します。
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③設定画面の「版本切换」を選択します。
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④国際版を選択し保存を押します。
画面左上の〈を押し、Alipayのトップメニューに戻ります。
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⑤メニューからTour Passを選択します。
メニューにない場合、検索も可能です。
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⑥Tour Passのトップメニューです。「USE NOW」を選択します。
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⑦国・地域を選択します。
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⑧日本を選択します。
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⑨パスポート情報等を入力します。
・国籍・パスポート番号・有効期限・生年月日・性別・職業・住所
(私は現在、中国に居住していますが、日本の住所で入力しました)
最後にパスポートの写真をアップロードします。写真の撮り方等はヘルプが表示されます。
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⑩チャージする金額を選択します。
私は500元(2022年4月現在、500元×19円=9,500円ほど)をチャージすることにしました。
金額を選択するとクレジットカード情報を入力する画面に遷移します。入力する情報は、
・クレジットカード番号
・有効期限
・セキュリティコード(カード裏面に記載)
です。
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⑫500元チャージできました。これが支払いに活用できます。
支払う方法は
(1)自分のQRコードを相手(お店)にスキャンしてもらう
(2)相手(お店)のQRコードをスキャンする
の2通りです。
(1)の場合、画面中央左の「payment code」を押してQRコードを表示します。
初めて使用する場合は、6桁の暗証番号を設定する必要があります。中国で既にAlipayを使用した経験がある方は、Alipayの支払いパスワードが適用されます。
(2)の場合、画面中央右の「Scan-to-Pay」を押します。
その他注意点
・Tour Passの使用を開始すると自動的に上海銀行の口座が開設されます。詳しくわかりませんが、日本(中国以外)発行のクレカ→上海銀行口座→Tour Passにチャージされる仕組みのようです。
・チャージした残額が不要になった場合、返金することも可能です。(但し、手数料がかかり、日数も15日ほど必要との事です)
・Tour Passの有効期間は90日で、期限が来た場合、延長することも可能です。
・90日間のチャージの限度額は10,000元です。
・お店(法人登記されている)への支払等はできますが、個人への送金ができません。
例(1)→中国に出張して、仲間同士で食事して割り勘する場合、仲間への送金はできません。お店への支払いのみ可能です。→お店に頼んで一人一人精算してもらう等の方法を検討する必要があります。
例(2)法人登記していない個人経営のお店では使えない可能性があります。(お店への支払い=個人への送金になる為)
・Tour PassはAlipayのアプリ内アプリですのでウィーチャットペイのみ対応しているお店では使うことはできません。
旅行・出張者向けの仕組みで制限がありますが、中国国内でキャッシュレス決済ができれば、支払に関してはかなり快適になるのではないでしょうか。