PRESSMAN GOGO

オートバイスポーツ、トライアルを中心にディレクター生野涼介が日々の気がついた事、取材した時の思いなど、日常のブログです。

おっさ

2010-12-20 13:38:21 | トライアル
ヨーロッパでは一番有名なトライアル雑誌「Trial Magazine」が届きました。

今回の表紙は、OSSAです。

トライアルに興味を持ち始めた頃知ったのが、「モンテッサ」「ブルタコ」「オッサ」というスペインの3メーカー。
もうみんな潰れてしまっていたけど、その後モンテッサはご存知ホンダ資本で復活。ブルタコもシェルコとなって蘇りました。
残るオッサも、これで本格復帰です。

今のヨーロッパでもスコルパが潰れちゃうみたいにモータースポーツの環境は厳しいと思うけど、こうやって名門が復活するのは人の想いや情熱によるところが大きいんでしょうね。日本ではめったに考えられないことなので、羨ましいかぎりです。

そのオッサですが、マシンはこれ。

すでにご存知の方も多いと思いますが、シリンダーが後ろ向きに倒れて付いていたり、本来ガソリンタンクがあるところにエアクリーナー、ダウンチューブの部分にガソリンタンクと、かなり特殊な設計になっています。

ヨーロッパではシェルコも、ベータだって日本ではまず採用しないスタイルです。
これには日本の法律による制限もあるようですが、ヨーロッパの開発者がきっとマッドサイエンティストなんでしょうね(^^)
ダ・ビンチにフランケンシュタイン博士に天馬博士、いーねー、どくたーすとれんじらぶ!
リスクよりも可能性にかけて、自由な発想でやってみようという気概を感じます。

さて記事をみていると、こんな写真も発見。

おー。これって倒立サスではないですか。

今から20年ほど前、アプリリアが採用した倒立サス。

このクライマーというマシン、確か水冷エンジンも油圧クラッチも初採用のトライアルバイクだったという記憶があります。
その後あっという間に全トライアルバイクが採用したシステム。
なんと仮面ライダーまで愛用していたようです。

なんだかバッタの後ろ足みたいなスタビライザー付き。
かくいう私のcotaも倒立サスです。

当時黒山一郎さんが「トライアルはステアが命です。倒立なら重たいものをまず先に上げてしまうので圧倒的に有利になるのです」と語っていたのを「ほー」とうかがったものでした。
でも倒立はスタビライザーの取り付けがやっかいで、ステアにフロントをぶつけに行くトライアルではどうしてもよじれが出てしまうんだそうです(ぱわあくらふとの新メカニック談)
というわけで、仮面ライダーのマシンを含め、今はトライアルマシンはみんな正立サス。
オッサの製品版も正立のようですが、倒立もあきらめずにテストしていたのがさすがです。

マシンもテクニックも、まだまだ新しく開発されそうなトライアル。
新型車のカタログをみるたびにワクワクしていた、バイクに乗り始めた頃を思い出させてくれました。


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