魔女 2020-05-26 14:40:53 | 詩 昔私は美しかった白い陶器の肌と真っ赤なりんごのような唇未来ある青年たちに求婚された驕り高ぶり彼らに目もくれなかった時が経ち肌はしぼみ唇は色を失った愛する人の視線は私を通り過ぎ若い女に笑いかけるその日私は魔女になった山小屋に戻り毒リンゴを作った真っ赤な真っ赤なリンゴを笑いながら渡そうすべての若い女に
ごめんね、母さん 2020-05-25 23:13:46 | 詩 青空を眺めながらつぶやいたごめんね、母さん狭い病室のベッドに横たわって私を見つめて言ったごめんね、生まれてきて青い空にぽっかり白い雲が浮かんでいたごめんね,病気になってぼく、もうすぐお星さまになるからそうしたらいつも母さんを照らしてあげるもう母さんはひとりじゃないよぼくがいつもいっしょにいるからもう隠れて泣かなくていいよもうすぐぼくは自由になれる月まで飛んでいくことも星の学校に通うこともできるあそこでたくさんともだちを作るんだもう苦しまなくていいんだだから母さん泣かないでぼくは幸せなのだからぼくを生んでくれてありがとう
過去 2020-05-24 13:06:58 | 詩 あの時は幸せだった私は過去に生きているあなたがいたあの時に心を置いて来た何度も何度も笑いに満ちた瞬間が甦るあなたの心は私にはないあなたの心は私をすり抜けた私は大切なものを掴みそこねた気づかなかったどんなに幸せだったのか私の時は止まったまま動かない
2020/05/22 2020-05-23 08:58:19 | 詩 目覚め 心が押しつぶされそうな 苦しさで 目が覚める 薄暗い光の中で 魂が 泣いていた その悲しみに 目を背け 起き上がる 太陽に顔を向け 眩しい光の中に立つ ああ、今日も生きていける