今回はキーボード編の二回目です。前回は筐体の微妙なサイズとタイピングしやすさの関係と、キーサイズについて紹介しました。しかしSigmarion3のキーボードにはもっとやっかいなことがあります。それはキー配列です。キー配列も小さな筐体に無理やり入れているためかなり変則的なのです。写真を見てもらえば分かると思いますが、通常のキーボードと比べて配置が異なるのは次のようなところです(ただしこれは初代Sigmarionからのことなので、初代SigやSig2のユーザーであれば違和感無く使えるでしょう。)。

キーボードはこうなっている
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1.特殊記号の配列がかなり変則的
まず最初に目に付くのが『「」や『』』、『?』、『~』などの特殊記号の配置でしょう。使っているうちに慣れるかと思ってたんですが、購入から2ヶ月以上経った今でも未だに探さないと押せません。これは使いにくいの一言です。
2.Enterキーが小さい
使っているうちに気になったのがこれです。Enterキーは「決定キー」として使われることが多く、「日本語変換キー」として使われるSpaceキー並みに使用頻度の高いキーなのですが、その大きさが一般的なキーボードと比べるとかなり小さいです。おかげで日本語変換をしたあと確定するためにEnterを押したつもりが、上の@や下の/なんかを押してしまい、余計な文字が入るという失敗が起きます。できればなんとかして多少でいいから大きくして欲しかったところですが、このサイズにフルキーボ-ドを納めることを考えるとおそらく他に手は無いのでしょう。しかたなく、Enterキーの小ささは我慢して使っています。
3.ファンクションキーが兼用
通常のキーボードでは1・2・3……0の数字キーの上にはF1・F2・F3……F10といった、ファンクションキーがついています。Sig3ではこのファンクションキーはアプリケーションキーという名前で扱われます。しかし通常とは違い数字キーの上部右半分におしこめられていて、そのまま押すとA6・A7・A8・A9・A10(機能はF6・F7・F8・F9・F10)が入力され、Fncキーを押しながら押すとA1・A2・A3・A4・A5が入力されるようになっています。ファンクションキーは使わない人間にとっては単なる邪魔者なんですが、キーボードショートカットを多用するRemにとっては無いと大問題です。特にファイラーで「名前を変える」の機能を持つA2と、ファイラーやブラウザなどいろいろなソフトで使われる「更新」の機能を持つA5を1ボタンで押せないのは痛いところ。ブラウザの更新を片手でできないのは困りものです。しかしその他のA1・A3・A4などは特に使うことが無いので、そこまで不便と感じる必要は無いかもしれません。
これがもしも、デフォルトがA1・A2・A3・A4・A5になっていたら、私はSig3を買っていなかったかもしれませんね。A6~A10キーは、IMEではA6(かなに変換)・A7(全角カナに変換)・A8(半角カナに変換)・A9(全角英字に変換)・A10(半角英字に変換)というふうにすべてに機能が割り振られているので、これらが1ボタンで押せないとなると文章作成速度が落ちてしまいますから。そうなっていないだけまし、といったところです。
4.Del/BSが兼用
これも結構使いづらい点の一つ。普通のキーボードではまずこんなことは無いんですが、DeleteキーとBackSpaceキーが一緒のキーになっています。デフォルトではそのまま押すとBSが、Shiftを押しながら押すとDelが入力されるようになっていて、コントロールパネルで逆の操作に変えることもできます。
が、やはりこの二つのキーは別々の方が使いやすいです。文章入力時は余り困らないんですが、ファイル操作時にはとっても困ります。ファイルエクスプローラは普通、Delキーでファイル削除、BSキーで上の階層に移動という割り当てになっているのですが、どちらも頻繁に行う作業なので、できればDelとBSをくっつけて欲しくなかったです。これに関しては対処法はほぼ無しです。割り切って使わないといけないところですね。
5.PageDown/PageUpが独立していない
PageDown/PageUpキーが無いこともRemとしては痛いところです。Sig3は筐体が軽量なので、右手ひとつで持ってビュワーとして使うことが可能なのですが、PageDown/PageUpキーがないためドキュメントのページ切り替えが非常に面倒なのです。ワードパッドでWord文章を閲覧するときも、ページ切り替えにAlt+↑/↓を、つまり両手を使わなければいけないというのはいただけないところです。ちなみに本体内蔵のブラウザ「Internet Explorer 5.5 for CE」の場合は、Spaceキーを押すことでページ送りができます(Shift押しながらだと前ページに戻る)。これはPC版のIEと同じですね。
以上キーボードについて気になったところをいくつかあげてみました。かろうじて及第点はあげられるものの、サイズの小ささがかなりネックになっていると言えます。それでも使ってしまうのは……愛でしょうかねぇ(笑)。
独自配列なのは知っていたのですが、想像以上の変則ぶり
ですね。(いや本当に驚きました。)
配列だけなら慣れるのでしょうが、兼用キーになっているとは・・・。
正直私は自信ないです。
と言いつつ欲しくなるのはやっぱり愛?ですかねー。
未だに上段の特殊記号は見ないと絶対に押せません。
アンダーバーとかちょっと見ただけではどれだかわからないし。
それでも使ってしまうのが、愛です(笑)。
CE使いに必要なのは、やっぱり愛なんです。
PDAは便利だからというよりも、使っていて楽しいから、
というのが使う一番の理由ですからね。
多少の苦労も楽しみの一部です。