EM ONE イマイチ……？

試験問題を〆切以内に無事に提出して少し時間ができたので、
ヨドバシアキバにイーモバイルのWM機「EM ONE」を触りに行ってきました。
そして出来の悪さに愕然としました＿|￣|○



まず外見ですが、安っぽくは無くなかなかいい質感をしています。W-ZERO3よりは高級そうに見えます。
ただし方々で書かれているように、光沢仕上げなのでW-ZERO3みたいに指紋が目立ちますね。
そして手にしてすぐ分かる薄さです。W-ZERO3やX01HTよりもぐんと薄いです。
多少大きいですが、普段カバンに入れておくなら全く問題にならないサイズでしょう。

ディスプレーはW-ZERO3に存在した「筐体との境目の段差」が無くなってます。
タッチパネルは硬め。ですが感度はいいと思います。
4.1インチWVGA(800×480)ということなので、スペックシート上ではすごいものと感じますが、
W-ZERO3やiPaq hx4700などで4インチVGAを見慣れているせいか、
実際に見るとあんまり感動はしませんでした。ちょっと横に広いだけって感じです。
でも横に広いという点は、ようやくハイレゾに対応したIE Mobileで
Web閲覧するときにはよさそうですけどね。



で、ここまでは好感触なんですよ。
しかし操作面においては、様々な部分に粗さが見受けられます。


まずEM ONEの売りである「デュアルスライドキーボード」ですが、かなりイケてません。
２方向にスライドするという機構上の問題なのでしょうか、ものすごくガタつきます。
もともとW-ZERO3のスライドキーボードもガタつきやすくて評判があまりよくないのですが、
EM ONEはそれに環をかけて悪いです。というかひどい。製品版では修正されてるといいですねぇ。

ちなみにQWERTYキーボードのキートップそのものはちょっと固めですが
初代W-ZERO3よりも押しやすい印象を受けました。
しかしW-ZERO3同様にWindowsキーが無いですし、ソフトキーはW-ZERO3よりは改良されてますが、
Fnキーとの組み合わせでないと入力できません。
インプットスタイルの時は極力画面をタップせずに操作できるのが理想なんですが、
W-ZERO3からほとんど進化しておらず、理想からは大きくかけ離れています。


また、ディスプレー面にカーソルキーがありません。
そのため画面をタッチせずに操作するには、必ずキーボードを引き出さないといけません。
唯一キーボードを出さずに使えるのが本体右にあるスクロールホイールなんですが、
残念ながら押しこめず画面のスクロールにしか使えません。
決定という操作をするには画面をタッチするか、キーボードを引き出さないといけないようです。
またこのスクロールホイールですが、Today画面では効いてくれません。
ケータイでいうところの待ち受け画面的役割を成すToday画面を簡単に操作できないとは、
これはいったいどういうことでしょうか！

ついでに言うと、液晶横についているボタンもSL-Cザウルスと同様に
タッチパネルタイプなので使い勝手が微妙です。
それからポインティングデバイスは触ってはみましたが、
正直言ってどういうときに使うのか思いつきませんでした……


……そんな感じでハードウェアは豪華なものの、操作系にかなり難があるように思いました。
RAM、FlashROMともに多いのは魅力の一つですが、潤沢なRAMを使い様々なアプリを立ち上げてみても、
その切り換えにパネルタッチが必要と、手間がかかっては意味がありません。
なんとも用途の絞れない、中途半端なハイスペック機になりかねない気がします。
HSDPAによるWeb閲覧は無線LAN並みに快適だったので、普段はカバンに入れておき、
必要なときに取り出してWebを見ることを主な目的として使うならいいかな、と思いますが。
それではリッチなハードウェアが泣くというものです。
液晶横にカーソルキーを付け、スクロールホイールを押し込み可能にするだけでも
かなり使い勝手が上がると思うんですけど……いまからでも仕様変更しませんかね？




とまあ、うちのBLOGにしては珍しくネガティブなことばかり書いてしまいましたが最後に。
ディスプレーとその周りを見て思ったんですが、SL-Cザウルスにそっくりなんですよね。
そしてW-ZERO3譲りのキーボードがついているということで、
ザウルス開発チームとW-ZERO3開発チームが共同で開発したんじゃないかなと思います。
この微妙な使い勝手は、Windows Mobileにあまり明るくない人が開発したデバイスかなぁと思いました。
EM ONEはスルーして、後継機（EM TWO？）に期待するべきかなぁ。