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大黒が決めた-W杯北朝鮮戦

2005-02-10 20:10:58 | スポーツ
ついにサッカーワールドカップアジア最終予選の幕が上がった。
初戦はさいたまスタジアムに北朝鮮を迎えてのホームゲーム。
楽勝とも苦戦とも言われていた初戦の結果は「辛勝」であった。


  試合が動いたのは立ち上がり4分。左斜め35度のところで三都主が倒されて得たフリーキックを、小笠原がゴール左隅に直接決めた。北朝鮮選手の作った壁の右側をかすめ、左ポストギリギリのところにつき刺さる非常によいシュートだった。これでジーコジャパンは欲しかった早い段階での得点をつかんだ。
  この段階で「なんだ、噂されるほど北朝鮮は強くない。この試合は楽に取れるものだろう」と思ったサポーターはおそらくわたしだけではないだろう。スタジアムのサポーターも、テレビの前のサポーターもみなそう感じたことだろう。そしてその考えは、日本選手の頭の中にも浮かんでしまったのかもしれない。小笠原の先制点の後はボールを支配するも決め手に欠け、追加点を奪うことができない日本。対する北朝鮮は前半のうちに追いつきたいという意思を示すかのように前半29分に金映水、前半43分に南成哲を投入。この交代が北朝鮮イレブンに活力を与え、前半30分以降は試合を支配した。しかし得点までにはいたらず前半を1-0で折り返した。

  ハーフタイムが開け後半になると北朝鮮の動きがもっとよくなった。それとは対照的に、動きにキレが無く、凡ミスから簡単にボールを奪われるシーンが目立った日本チーム。そして後半16分、中盤で奪ったボールをダイレクトパスで繋いで最後は左サイドからのシュートを南成哲に決められ、ついに1-1の同点とされる。
  突き放したい日本はそのすぐ後の後半19分に高原、21分に中村と二人の海外組みを投入。さらに大黒も投入し、総力戦となる。しかしその後高原が何度もシュートを放つも、どれもゴールネットを揺らすことなく試合終了のホイッスルが近づいていた。
  そしてロスタイムに入って1分ほど経ったときのことだった。右サイドに上がっていった小笠原がクロスボールを上げた。これを北朝鮮のGK沈勝哲がパンチングしたが、そのボールがペナルティーエリア内にいた福西へのパスとなった。ボールを受けた福西は近くにいた大黒にゴロパスを送る。これを受けた大黒が振り向きざまに放ったシュートが北朝鮮DFとGKの間をすり抜け、値千金の勝ち越しゴールとなった。そしてそのまま試合終了。2-1で、日本はどうにか勝ち点を手に入れることができた。


  結局何の因果か、アジア最終予選の初戦は去年2月の1次予選初戦のオマーン戦と似たような試合運びとなってしまった。これがワールドカップ予選初戦のもつ魔力なのだろうか? そう思わせるほどに昨日の日本選手は平凡なミスを連発していた。先日のカザフスタン・シリア戦で調子の良かった鈴木と玉田は前線での効果的な動きができず、自陣まで戻って守備に回っていた。いつもはよいところで活躍する遠藤なども味方陣内でボールをとられる始末。三都主の左サイド突破もあまり見られなかったし、加持の上がりもそこそこ。
  去年のオマーン戦は海外組を豪勢に盛り込むことで連携ミスを招き、結局ギリギリまで点が取れなかった。しかし今回の試合はその教訓を経て、連携の取れていてコンディションが良いという理由で国内組のみで先発メンバーを組んだはず。その結果が今回の苦戦とは……今回のことでまた海外組の召集は大きな悩みとなることだろう。全くいなくてもうまくいかないし、多く使いすぎてはうまく回転しない。指揮官ジーコの苦悩の日々は、まだまだ続くことだろう。


  とはいえ昨日の試合でよいものも得られた。まず、結果として勝ち点3を得ることができたこと。当たり前だがこれは大きい。あと5戦厳しい試合が続くと予想される中で、1点でも多く勝ち点を得ることは重要なことである。また、海外組の使い方を考えるという面でも教訓となる試合だった。今回の試合は海外組に頼りきるでもなく、必要と思われたときに投入するという新しい形が見えたと考えることもできるだろう。事実、高原と中村を投入してからは日本の動きが良くなった(もちろん北朝鮮選手が疲れたというのもあるが)。そういった意味では「いい(良いではない)」試合だったのだろう。
  それから忘れてはいけないのが大黒様(だいこくさま・おおぐろさま)の存在だ。さすがJ1で20点取ったFW、ゴールの嗅覚ともいえる何かを持っている。昨日のゴールはまぐれとの意見もあるが、そういった嗅覚であのポジションを選んだ結果があのゴールを生んだとも言える。今後の試合ですぐにスタメンをとるとは考えられないが、ジーコジャパンが彼の力を必要とする日はきっとまた来るに違いない。

  それから、どちらのファンでもなく第三者の立場として見た場合、この試合は白熱した非常によい試合だっただろう。それほど汚い試合にもならず、両チームとも最後まで正々堂々戦った。その結果がロスタイムまでどちらが勝つとも分からない好ゲームに結びついたのだろう。もちろん日本ファンとしてはハラハラドキドキの心臓に悪い試合だったことは言うまでもない。

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