「Scarlett」をプレイしたら、その前作「サナララが」やりたくなった。
正確には「ぷちファンディスクみたいなもの」のサナララショートシナリオをやったら、意外と世界観が面白かったので興味を持ったのだったりする。そして「Scarlett」をプレイしたらむしょうに「サナララ」もやってみたくなったというのが正解かも。
というわけで以下はお決まりのネタバレ感想。
読みたい方は反転させてお読みください。
この手のネタが嫌いな方は反転させない方がよいかも(笑)。
もともとねこねこの作品は「銀色」、「朱-aka-」しかやっていない。銀色をやってねこねこを知り、銀色の雰囲気が好きでしかも一つのテーマ「銀糸」で繋がっているということで「朱-aka-」もプレイした。いっぽう「みずいろ」と「ラムネ」はまったり系のシナリオということで、なんとなくスルーしている。 そしてこのサナララに関してはまずタイトルが意味不明。これ以前の作品はWhite、銀色、みずいろ、朱-aka-という風に常にタイトルに「色」が付いている。ラムネもまぁ色といえばそうだと言えなくもない。しかしサナララなんてもはや日本語ですらないのである。さらに今までの作品とは全く異なる原画家さんを使っており、絵柄がやたらとロリ路線。そんなわけで「もはやねこねこも昔とは違うのか」と思い、今までは全く見向きもしなかったのだった。 ところが「ぷちファンディスクみたいなもの」でショートシナリオをプレイしてその評価が一転した。誰にでも一生に一回だけ願いをかなえられるチャンスがくる「チャンスシステム」という、ねこねこらしいユニークな発想があったからだ。そしてその後ねこねこ最後の作品である「Scarlett」をプレイして、もう少しねこねこの世界に触れてみたくなり、Scarlettクリア後すぐに買ってプレイしたのだった。 上で述べたとおりこの作品の肝はなんといっても「チャンスシステム」である。これは「この世の人間はみな、一生に一回だけ自分の願いを叶えてもらえるチャンスを持っていて、それがいつ来るかは誰にも分からない」というシステムである。そしてこのチャンスシステムには「対象者」と「ナビゲータ」の二人が関わってくる。対象者はずばりチャンスを現在所持している人間で、ナビゲータは対象者にチャンスシステムを教え、その願いを聞くための存在。そして今作は4組の対象者とナビゲータによる、四章立ての物語である。ただしライターが各章で異なるため、オムニバスというよりも複数のライターが同一の「チャンスシステム」という世界観を書いたSS集という方が近いかもしれない。 シナリオに関しては4章あるが、どの章も雰囲気はいいがどの章もだいたい似通っている。3章以外はどの章も「ナビゲータと対象者の出会い→時間制限の1週間を二人で過ごす→親しくなる→えちぃ→本願い→別れ→互いに思い出して再び二人に」という似たような構造をとっているため、4章の最後になってくると「またこのパターンか」と飽きるかもしれない。 また、チャンスシステムの特徴として「チャンス期間が過ぎたナビは対象者とのことを全て忘れ、いかなる手段でもその痕跡を残し伝えることはできない」というものがありながら、毎回毎回思い出してしまうのはどうかと思う。これならばチャンスシステムは単なる「神さまが管理するの出会い系」みたいになってしまっている。 また18禁というくくりゆえにどの章も登場する男女を「結び」付けなくてはならなかったところはちょっと惜しいところ。一つくらいは「互いに少しだけ背中を押して別れる」ようなすっきり感動系のシナリオも欲しい気がする。もちろん3章は背中を押すという意味では当たっているが、互いに押しているわけではないので……。できればH無しで男同士もしくは女同士の組み合わせのシナリオも見てみたかった気もする。それだと18禁で出す必要が無いんじゃないかと言われるかもしれないけど、ぶっちゃけこの作品の場合、えちぃは無い方がすっきり終わっていい気がする。まぁ、サナララに限らずねこねこの作品はえてぃがいらないと感じるものが多いですが。 BGMに関しては相変らずねこねこクオリティ。ここのBGMはゲームプレイ後も聴ける曲が多い。実は付属のサウンドトラック目的で買っているのも少しあったりする。サナララのBGMは「手をつないで」「浮き足」「陽気」といった陽気な曲調が多いほか、「通り雨」のようなしっとりした曲、「スカーレット2004」や「思い出して」のような盛り上げる曲がある。どれも聴きやすく、PocketPCに入れて勉強中のBGMとしてよく使っている。 とまぁこんな感じで、雰囲気のいいゲームだといえるがシナリオがちょっと弱いかな、というゲームだった。 そして最後に。 今回は今までのタイトル付けとはまったく違うと思ってたのに、 「サナララ」も色だったなんて、反則だーーーー! |